親が施設に入った後の実家の郵便物はどうする?転送・住所変更するもの一覧

親が入所後の郵便物はどうする

親が老人ホームなどの施設へ入った後も、実家には銀行や保険会社、役所などからさまざまな郵便物が届きます。

「郵便局で転送すれば全部解決する?」と思いがちですが、長期間施設で暮らすのであれば、重要なものは個別の住所変更も必要です。

この記事では、施設入居後の実家に届く郵便物をどうするのか、転送と住所変更の違いから、確認しておきたい契約先までまとめて解説します。

目次

結論|まず郵便物を転送し、重要なものは個別に住所変更する

親が施設へ入って実家が空き家になる場合、郵便物については大きく2つの対応を考えます。

① 郵便局の転居・転送サービスを利用する

② 銀行・保険・役所など重要なところは個別に住所変更する

ポイントは、転送だけですべて終わらせないことです。

転送は、実家へ届いた郵便物を新しい住所へ届けてもらうための方法です。

一方、住所変更は銀行や保険会社などが登録している親の住所そのものを変更する手続きです。

施設へ長期入居するのであれば、

最初は転送で郵便物を受け取る

届いた郵便物を確認する

重要な契約先から個別に住所変更する

という順番で進めると分かりやすいでしょう。

実家の郵便物をそのままにするとどうなる?

「月に1回実家を見に行くから、そのとき回収すればいい」

という家庭もあるでしょう。

短期間ならそれでも対応できる場合があります。

しかし、長期間実家の郵便受けへ郵便物をためるのはおすすめできません。

大切な通知を確認するのが遅れる

親宛てには、

  • 自治体
  • 銀行
  • 保険会社
  • クレジットカード会社
  • 年金関係
  • 税金関係

などから重要な郵便物が届くことがあります。

月1回しか確認しなければ、期限のある手続きに気付くのが遅れる可能性があります。

空き家だと分かりやすくなる

郵便物やチラシが郵便受けからあふれていると、外から見ても長期間人が住んでいないことが分かりやすくなります。

空き家の防犯を考えても、郵便受けを放置しないことが大切です。

親自身が郵便物を確認できなくなる

施設へ入ると、親本人が実家へ戻って郵便物を確認することが難しくなります。

そのため、誰が郵便物を確認するのかも家族で決めておきましょう。

まず郵便局の転居・転送サービスを確認する

施設入居後に実家へ誰も住まなくなるなら、日本郵便の転居・転送サービスを利用する方法があります。

転居届を提出すると、旧住所宛ての郵便物等を一定期間、新住所へ無料で転送してもらえます。

手続き方法や対象となる郵便物、転送期間などは変更される可能性があるため、実際に申し込む際は日本郵便の最新情報を確認してください。

重要なのは、転送サービスは各契約先に登録されている住所を変更する手続きではないということです。

ここを混同しないようにしましょう。

郵便物の転送と住所変更は何が違う?

違いを簡単に整理すると次のようになります。

手続き何をする?主な目的
郵便物の転送旧住所へ届いた郵便物を新住所へ転送郵便物を受け取る
個別の住所変更銀行や保険会社などの登録住所を変更登録情報そのものを変更

たとえば銀行に実家の住所が登録されている状態で、郵便局へ転居届を出したとします。

銀行側の登録住所まで自動的に変更されるわけではありません。

施設へ長期間入居するなら、必要な契約先については個別に住所変更の手続きを確認しましょう。

転送先は老人ホームにする?子どもの家にする?

ここは家庭によって迷いやすいところです。

親本人が郵便物を管理できるのであれば、施設で郵便物を受け取れるか確認する方法があります。

ただし、施設によって郵便物の受け取り方法や管理方法は異なります。

まず施設へ確認してみましょう。

一方、

  • 親が郵便物の管理をするのが難しい
  • 子どもが各種手続きを手伝っている
  • 実家が遠方にある

という場合は、「家族のところへ送れないか」と考えることもあるでしょう。

ただし、親本人宛ての郵便物や金融機関などの登録住所を、子どもの判断だけで自由に変更できるとは限りません。

郵便物の転送先と、銀行などへ登録する住所は分けて考えることが重要です。

金融機関や保険会社などについては、それぞれの手続き方法を確認してください。

転送だけで終わらせない方がいい理由

施設入居直後は、とりあえず郵便物を転送しておけば対応しやすくなります。

しかし、それを何年も続ける前提にするより、重要な契約については順番に整理した方がよいでしょう。

特に確認したいのが、

  • 行政関係
  • 銀行
  • クレジットカード
  • 保険
  • 年金
  • 税金
  • 通信関係
  • 定期購入

などです。

親自身も、

「どこと契約しているのか分からない」

ということがあります。

そこで役立つのが、実家へ届く郵便物です。

実家に届く郵便物は「親の契約一覧」として使える

施設入居後、実家へ届いた郵便物をすぐ捨ててしまうのはもったいありません。

郵便物を確認すると、親がどの会社やサービスと契約しているのか分かることがあります。

たとえば、

「知らない保険会社から封筒が届いた」

保険証券を探してみる。

「クレジットカード会社から利用明細が届いた」

現在も使っているカードか確認する。

「通販会社から定期便のお知らせが届いた」

不要なら解約を検討する。

という具合です。

施設入居後の数か月間は、届いた郵便物を契約を洗い出す資料として利用するとよいでしょう。

住所変更・契約確認をしたいもの一覧

施設入居後に確認しておきたい主なものを整理します。

種類確認したいこと
自治体住所・送付先など必要な手続き
銀行登録住所・郵便物
証券会社登録住所・取引関係書類
クレジットカード登録住所・利用明細
生命保険登録住所・契約内容
火災保険実家が空き家になったことも確認
年金必要な住所・送付先手続き
税金納税通知書などの送付先
携帯電話契約継続・登録情報
固定電話継続・休止・解約
インターネット継続・解約
新聞停止・解約
通販・定期購入不要な契約を停止
電気・ガス・水道継続・停止・請求先
各種会員サービス継続するか確認

すべてを施設入居初日に終わらせる必要はありません。

重要度の高いものから順番に確認していきましょう。

銀行からの郵便物はどうする?

銀行は特に慎重に確認したいところです。

銀行口座には、

  • 年金の受取
  • 施設利用料
  • 公共料金
  • クレジットカード
  • 保険料

などが関係している可能性があります。

単純に住所だけ変更するのではなく、どの口座から何が引き落とされているのかも確認しておくと、その後の家計管理が楽になります。

ただし、本人名義の銀行口座について、家族だからという理由だけで自由に手続きできるとは限りません。

本人による手続きが難しい場合は、金融機関へ必要な手続きを確認しましょう。

クレジットカードの郵便物も確認する

高齢の親でも複数のクレジットカードを持っていることがあります。

施設入居後に使わなくなったカードがあるなら、

  • 年会費
  • 公共料金
  • 通販
  • サブスクリプション

などが紐付いていないか確認します。

カードを解約する場合も、いきなり解約するのではなく、先に継続している支払いがないか確認しましょう。

郵便物だけで分からない場合は、通帳やカード利用明細も手掛かりになります。

保険会社からの郵便物は捨てずに確認する

生命保険や医療保険、火災保険なども確認しておきたい契約です。

特に実家の火災保険については、親が施設へ入って建物が空き家になることで使用状況が変わります。

「契約期間が残っているから何もしなくていい」と自己判断せず、保険会社や代理店へ確認しましょう。

【関連記事】親が施設に入って空き家になった実家の火災保険はどうする?解約・継続の注意点

固定資産税の納税通知書はどうする?

実家を親が所有したままであれば、施設へ入居しても固定資産税の問題は残ります。

誰も住んでいないから固定資産税がなくなるわけではありません。

納税通知書などが実家へ届き続ける場合は、自治体へ送付先などの手続きについて確認しておきましょう。

特に実家が遠方の場合、郵便物を確認するのが遅れて納期限を見落とすことは避けたいところです。

固定資産税についてはこちらで詳しく解説しています。

【関連記事】親が施設に入った後の実家の固定資産税はどうなる?誰が払う?

電気・ガス・水道の請求書も整理する

親が施設へ入ったら、実家の電気・ガス・水道をそのまま残すのか検討します。

請求書や検針票などが実家へ届いている場合は、請求方法や送付先も確認しましょう。

特に注意したいのが、

「誰も住んでいないから全部止める」

とすぐ判断してしまうことです。

空き家管理では電気と水道を使うことがあります。

実家を今後どうするか決まっていない場合は、必要なインフラを残すことも検討しましょう。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

新聞・通販・定期購入は早めに確認する

施設入居後に比較的早く整理したいのが、実家でしか使わないサービスです。

たとえば、

  • 新聞
  • 食品の定期宅配
  • サプリメント
  • ウォーターサーバー
  • 通販の定期便
  • 地域サービス

などです。

誰も住んでいない家へ商品が届き続けると、放置されてしまいます。

また、毎月少額だからと放置すると、年間ではそれなりの金額になることもあります。

郵便物や通帳、クレジットカード明細などを確認して不要な契約を探してみましょう。

ダイレクトメールは住所変更する?

すべての郵便物について住所変更する必要はありません。

広告やダイレクトメールなど、今後必要ないものなら停止できないか確認する方法もあります。

施設へ大量の広告郵便まで転送されると、必要な郵便物が埋もれてしまいます。

必要な郵便物は住所変更、不要な郵便物は停止

というように整理すると、その後の管理が楽になります。

親が認知症の場合の郵便物はどうする?

親の認知機能が低下している場合、郵便物管理も難しくなることがあります。

たとえば、

  • 請求書を理解できない
  • 大切な通知を捨ててしまう
  • 同じ商品を何度も注文する
  • 契約内容を覚えていない

といったことが考えられます。

家族が郵便物を確認する必要性が高くなるケースもあるでしょう。

ただし、親の銀行口座や契約などを家族が自由に変更・解約できるとは限りません。

本人による手続きが難しい場合は、各金融機関や事業者へ相談して必要な方法を確認してください。

実家そのものの売却についても同様です。

【関連記事】施設に入った親の家を子どもが勝手に売れる?名義と認知症の注意点

施設入居後3か月程度は郵便物をよく確認する

施設へ入った直後は、親が契約しているサービスの全体像が分からないことがあります。

そこで最初の数か月は、実家や転送先へ届く郵便物をよく確認してみましょう。

たとえば封筒を、

重要

契約確認

不要

の3種類に分けるだけでも整理しやすくなります。

「この会社は何だろう?」

と思ったら、すぐ捨てずに親へ確認します。

親本人も分からなければ、通帳やカード明細などと照らし合わせてみます。

数か月続けると、どの会社から定期的に郵便物が来るのか見えてきます。

郵便物と一緒に通帳の引き落としも確認する

郵便物だけでは、親が契約しているサービスをすべて把握できないことがあります。

そこで可能な範囲で、

郵便物+通帳+クレジットカード明細

を照らし合わせます。

たとえば、

郵便物は届かない

通帳を見ると毎月980円引き落とされている

何の契約か調べる

ということがあります。

逆に、郵便物が届いていてもすでに支払いが終了している契約もあります。

施設入居は、親の固定費を一度整理するタイミングにもなります。

実家の郵便受けは転送後も定期的に確認する

転居届を出したからといって、実家の郵便受けを一切見なくてよいとは限りません。

すべての配達物が日本郵便による郵便物とは限らないからです。

また、

  • チラシ
  • 地域の配布物
  • 宅配物
  • 以前から届いているもの

などが残ることもあります。

実家を残すのであれば、定期訪問時に郵便受けも確認しましょう。

【関連記事】親が施設に入って実家が空き家に|月1回やること・管理方法を解説

実家を片付けるとき郵便物をまとめて捨てない

実家の片付けを始めると、大量の古い郵便物や書類が出てくることがあります。

ここで、

「全部古いからゴミ」

として一括処分するのはおすすめできません。

古い封筒の中に、

  • 保険関係
  • 不動産関係
  • 銀行関係
  • 年金関係
  • 税金関係

などの重要書類が混ざっている可能性があります。

まず重要書類を分け、その後で不要なものを処分しましょう。

【関連記事】施設入居後の実家の片付けはいつから?親の荷物を勝手に捨てていい?

施設入居後の郵便物・住所変更チェックリスト

施設入居後に確認する項目をまとめます。

最初にやること

  • 実家の郵便受けを確認
  • 施設で郵便物を受け取れるか確認
  • 郵便物の転送が必要か検討
  • 家族の誰が郵便物を管理するか決める

住所・送付先を確認するもの

  • 自治体
  • 銀行
  • 証券会社
  • クレジットカード
  • 生命保険
  • 火災保険
  • 年金
  • 税金関係

継続するか確認するもの

  • 固定電話
  • インターネット
  • 新聞
  • 通販
  • 定期購入
  • 各種会員サービス
  • 電気
  • ガス
  • 水道

数か月間確認すること

  • 実家へまだ何が届いているか
  • 不要なダイレクトメール
  • 知らない契約先からの郵便
  • 通帳の引き落とし
  • クレジットカードの継続課金

一度ですべて終わらせようとせず、届いた郵便物を手掛かりに少しずつ整理していくとよいでしょう。

よくある質問

Q. 親が老人ホームへ入ったら郵便物はどうすればいい?

実家が空き家になるなら、まず郵便物の転送を検討します。

その後、銀行や保険会社など重要な契約先については、必要に応じて個別に住所・送付先変更などの手続きを確認しましょう。

Q. 郵便局へ転居届を出せば住所変更は全部終わりますか?

終わりません。

郵便物の転送と、銀行や保険会社などに登録されている住所の変更は別の手続きです。

重要な契約については個別に確認しましょう。

Q. 老人ホームを郵便物の転送先にできますか?

施設によって郵便物の受け取り方法などが異なるため、まず入居している施設へ確認するのがおすすめです。

Q. 親の郵便物を子どもの家へ送れますか?

郵便物の転送と、各事業者への登録住所変更は別に考える必要があります。

特に銀行など重要な契約については、本人確認や所定の手続きが必要になることがあるため、各事業者へ確認してください。

Q. 固定資産税の納税通知書も住所変更した方がいい?

実家を所有したまま施設へ入居する場合は、納税通知書を確実に確認できるよう、実家所在地の自治体へ必要な手続きを確認しておくと安心です。

Q. 転送したら実家の郵便受けは確認しなくてもいい?

定期的に確認することをおすすめします。

チラシや地域の配布物など、転送されないものが入ることもあります。

Q. 親が何を契約しているのか分からない場合は?

実家へ届く郵便物、通帳の引き落とし、クレジットカード明細などを照らし合わせると見つけやすくなります。

数か月かけて確認すると、定期的な契約も把握しやすくなります。

まとめ|郵便物は転送するだけでなく親の契約整理に活用する

以上、親が施設に入った後の実家の郵便物はどうする?転送・住所変更するもの一覧というお話でした。

親が施設へ入って実家が空き家になるなら、郵便物をそのまま放置しないことが大切です。

まず郵便物の転送を検討し、その後、

銀行・保険・年金・税金など重要なものから個別に住所や送付先の手続きを確認する

という順番で進めると分かりやすいでしょう。

そして、施設入居直後に届く郵便物は単なる「処理しなければならない物」ではありません。

親がどの会社と契約しているのかを把握する重要な手掛かりでもあります。

郵便物、通帳、クレジットカード明細などを照らし合わせながら、不要な契約も少しずつ整理していきましょう。

すべてを施設入居直後に終わらせる必要はありません。

まず重要な郵便物を確実に受け取れる状態を作り、その後数か月かけて親の契約関係を整理していけばよいでしょう。

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