親が施設に入った後の実家修繕は誰が払う?子ども負担の贈与税・相続の注意点

親が施設に入った後の実家修繕は誰が払う?

親が老人ホームなどの施設へ入った後、誰も住まなくなった実家で雨漏りや外壁の傷みが見つかることがあります。

「親名義の家だけど、子どもが修繕費を払ってもいい?」「リフォーム代を出したら贈与税がかかる?」と迷う方もいるでしょう。

結論からいうと、実家を修繕するだけで特別な税金がかかるわけではありません。ただし、誰のお金で、どの程度の工事をするかによっては贈与税などに注意が必要です。

この記事では、親が施設へ入った後の実家について、親自身が修繕費を払う場合、子どもが立て替える場合、子どもが費用を負担する場合、大規模リフォームをする場合に分けて税金上の注意点を解説します。

目次

結論|親名義の実家は「誰が払うか」と「何を直すか」で考える

親が施設へ入った後の実家修繕では、まず次の2点を確認します。

  • 実家の所有者は誰か
  • 修繕費を実際に誰が負担するのか

親名義の家であれば、施設へ入居した後も基本的には親の財産です。

その親自身が、自分のお金を使って雨漏りや壊れた設備などを修繕するのであれば、通常は「子どもへの贈与」という話にはなりません。

一方で、子どもが自分のお金で親名義の建物を大規模に増改築し、その費用を親から返してもらわない場合は注意が必要です。

国税庁は、親名義の建物に子どもが増築した場合、増築部分は建物所有者である親の所有物となり、親が子どもへ対価を支払わなければ、親が増築資金相当額の利益を受けたものとして贈与税の対象になると説明しています。

つまり、

「親子だから子どもがいくら実家にお金をかけても税金上問題ない」とは限りません。

ただし、雨漏りの小規模な補修と、数百万円・数千万円規模の増築や全面リフォームを同じように考える必要もありません。

工事内容と費用負担を分けて考えることが大切です。

まず確認|親が施設へ入っても実家は親の財産

親が老人ホームへ入った後、子どもが実家の掃除や郵便物の確認、庭の手入れをするようになることがあります。

すると、

「実質的には自分が管理している家だから、自分で修繕してもいいだろう」

と思うかもしれません。

しかし、管理している人と所有者は別です。

登記上の所有者が親なら、施設へ入った後も基本的に家は親の財産です。

子どもが管理しているからといって、

  • 建物の所有者が子どもになる
  • 修繕費を出した分だけ持分が増える
  • 大規模な増改築を自由に決められる

というわけではありません。

まずは登記事項証明書や固定資産税の通知などで、誰の名義になっている家なのかを確認しておきましょう。

特に昔から所有している実家では、

「父名義だと思っていたら祖父名義のままだった」

など、家族が認識している名義と登記が一致していないこともあります。

親が施設へ入った後の実家をどうするかについては、修繕だけでなく、管理・売却・賃貸なども含めて考える必要があります。

【関連記事】親が施設に入った後の実家はどうする?空き家・売却・管理の選択肢を解説

親が自分のお金で実家を修繕する場合

最も分かりやすいのは、親名義の実家を親自身のお金で修繕するケースです。

たとえば、

  • 雨漏りを直す
  • 壊れた雨樋を交換する
  • 外壁の剥がれを補修する
  • 水漏れを修理する
  • 壊れた給湯器を交換する
  • 傾いた塀を補修する

といった工事です。

親自身の財産を維持するために親自身が費用を負担するのであれば、通常は子どもへの贈与の問題にはなりません。

親が老人ホームへ入っていても、実家をそのまま保有しているのであれば、必要な修繕を親の財産から支払うことは考えられます。

特に、

  • 雨漏り
  • 外壁や屋根材の破損
  • 塀の傾き
  • 水漏れ

などを放置すると、修繕費がさらに大きくなったり、周囲への危険につながったりする可能性があります。

「誰も住んでいないから修繕しなくてよい」とは限りません。

一方で、半年後に売却する予定の家へ高額なリフォームをするなど、将来の利用方法によっては費用をかけすぎない方がよい場合もあります。

修繕する前に、

この実家を今後何年残す予定なのか

も考えておきましょう。

子どもが修繕費を立て替える場合は記録を残しておく

親が施設へ入っていると、実際の修繕業者とのやり取りは子どもが担当することも多いでしょう。

たとえば、

雨漏り修理20万円を子どもがいったんカードで払い、後日、親から20万円を返してもらう

というケースです。

この場合、実態が子どもの「負担」ではなく「立替」であるなら、その関係が分かる記録を残しておくと説明しやすくなります。

具体的には、

  • 修繕業者の見積書
  • 請求書
  • 領収書
  • 工事内容が分かる資料
  • 子どもが支払った記録
  • 親から子どもへ返金した記録

などです。

たとえば20万円を立て替えたのであれば、後日親の口座から子どもの口座へ20万円を振り込み、摘要や家計管理メモなどに「実家雨漏り修理立替分」などと残しておくと、資金移動の内容を整理しやすくなります。

現金で返してしまうと後から資金の流れを確認しにくいため、まとまった金額なら振込など記録が残る方法も検討するとよいでしょう。

大切なのは、

子どもがお金を出したのか、それとも親のお金を一時的に立て替えただけなのか

を分けておくことです。

子どもが実家の修繕費をそのまま払ったら贈与税?

ここが最も気になるところでしょう。

たとえば、

「親の家だから自分が30万円くらい直してあげよう」

というケースです。

この場合、すべての支出について一律に、

「子どもが払ったら必ず贈与税」

と判断できるわけではありません。

工事内容、金額、親が受けた利益など、個別事情を考える必要があります。

一方で、親名義の財産に子どもがお金を出し、その結果として親の財産価値が増えるような場合には、贈与税の問題が生じる可能性があります。

特に注意したいのが、大規模な増築やリフォームです。

親名義の家を子どものお金で増築すると贈与税に注意

国税庁は、親名義の建物に子どもが増築したケースについて具体的な取扱いを示しています。

親名義の建物に子どもが増築すると、その増築部分は原則として建物所有者である親の所有物になります。

そこで親が子どもへ対価を支払わなければ、親は子どもから増築資金相当額の利益を受けたとして、贈与税が課税されることになります。

たとえば、

親名義の実家に子どもが1,000万円を出して部屋を増築した

という場合です。

子どもが1,000万円払ったからといって、増築部分が自動的に子どもの所有になるわけではありません。

そのまま親の建物の一部になれば、親の財産が子どもの負担によって増えたことになります。

そのため、

「将来自分が相続する家だから、自分のお金を出しても同じ」

とは考えない方がよいでしょう。

相続が発生する前は、親の財産と子どもの財産は別です。

参考:国税庁「No.4557 親名義の建物に子供が増築したとき」

雨漏り修理と1,000万円のリフォームは分けて考える

ここで注意したいのが、

「では、子どもが雨漏り修理代を少し払うだけでも贈与なの?」

という疑問です。

大規模な増築と、既存建物を元の状態に戻すための補修は性質が異なります。

たとえば、

通常の維持・修繕に近い工事

  • 雨漏りしている部分を補修する
  • 壊れた雨樋を交換する
  • 水漏れを修理する
  • 傷んだ外壁の一部を補修する
  • 壊れた設備を交換する

財産価値を大きく高める可能性がある工事

  • 部屋を増築する
  • 建物そのものを大きくする
  • 大規模に間取りを変更する
  • 全面リノベーションする
  • 高額な設備を新設する

などです。

国税庁も、事業用や貸付用資産の所得税計算では、通常の維持管理や原状回復のための支出と、資産の使用可能期間を延長したり価値を高めたりする「資本的支出」を区別しています。

ただし、ここで非常に重要な注意点があります。

所得税上の「修繕費」と「資本的支出」の判定ルールを、そのまま親子間の贈与税判定に使えるわけではありません。

国税庁には、修理・改良費が20万円未満の場合など、所得税上の修繕費として扱える一定の基準があります。

しかし、これは貸付用・事業用資産について、所得税の必要経費を計算するためのルールです。

「20万円未満なら、子どもが親の家を直しても贈与税は絶対かからない」

という意味ではありません。

参考:国税庁No.1379 修繕費とならないものの判定

「親の生活を助けるためだから非課税」と決めつけない

親が施設へ入っている場合、

「子どもが親を扶養しているのだから、実家の修繕代も生活費として払えば贈与税はかからないのでは?」

と考える人もいるかもしれません。

確かに、親子など扶養義務者から受ける通常必要な生活費については、贈与税がかからない場合があります。

国税庁は、夫婦・親子・兄弟姉妹など扶養義務者から受け取った「通常必要と認められる生活費・教育費」で、必要な都度直接その費用に充てられるものについて、贈与税がかからないとしています。

ただし、このルールを理由に、

親名義の家に数百万円・数千万円かけて大規模リフォームしても全部生活費だから非課税

と考えるのは避けた方がよいでしょう。

国税庁がいう「生活費」は、その人の日常生活に通常必要と認められる費用です。

高額な増改築や財産価値を高める工事まで当然に同じ扱いになるとは限りません。

特に大規模な工事を子どもが負担する場合は、契約する前に税務署や税理士へ確認した方が安心です。

子どもが住むために実家をリフォームする場合は特に注意

親が施設へ入った後、

「どうせ空いているなら、自分たち家族で住もう」

と考えるケースもあります。

そこで問題になりやすいのが、

親名義のまま、子どもが自分のお金で大規模リフォームするケース

です。

たとえば、

  • キッチンを全面交換
  • 浴室を改修
  • 間取りを大きく変更
  • 断熱改修
  • 部屋を増築

などを行い、合計800万円、1,000万円といった費用を子どもが負担する場合です。

子ども自身がそこに住むための工事でも、建物の所有者が親であることに変わりはありません。

そのため、

「自分が住むために払ったのだから贈与とは関係ない」

と単純には判断できません。

大規模工事をするなら、

  • 工事前の所有者
  • 工事費用の負担者
  • 親が費用を返すのか
  • 建物の持分をどうするのか
  • 将来誰が相続するのか

まで整理した方がよいでしょう。

【関連記事】親が施設に入った後、子どもは実家に住める?家賃・贈与税・相続の注意点

修繕費を払うためだけに子ども名義へ変更するのは慎重に

では、

「子どもがお金を出して直すなら、先に家を子ども名義へ変更すればいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、名義変更も簡単な話ではありません。

親から子へ家の所有権を移す方法には、

  • 贈与
  • 売買
  • 相続

などがあります。

生前に無償で所有権を移せば、贈与税の対象になる可能性があります。

さらに、登録免許税や不動産取得税など、別の税金や費用が関係することもあります。

そのため、

「修繕代を子どもが払いたいから」という理由だけで、安易に名義を変更するのはおすすめできません。

まず、

「本当に名義変更が必要なのか」
「親のお金で修繕できないのか」
「子どもの支払いは立替にできないのか」

を整理する方が先です。

親が認知症で修繕の判断ができない場合は?

親が施設へ入ったあと、認知症などで意思確認が難しくなることもあります。

この場合、子どもだからといって、親名義の家について自由に大規模工事を決められるとは限りません。

特に、

  • 数百万円規模のリフォーム
  • 増築
  • 建て替え
  • 売却を前提とした大規模改修

などは慎重に判断する必要があります。

一方で、

  • 雨漏り
  • 水漏れ
  • 外壁や屋根材の落下のおそれ
  • 塀の倒壊のおそれ

など、そのまま放置すると親の財産価値が下がったり、周囲へ危険を及ぼしたりする修繕については、早めの対応が必要になることがあります。

重要なのは、

子どもが便利だから行う改修と、親の財産を守るために必要な修繕を分けて考えること

です。

親本人の判断能力が十分なうちに、

  • 実家を今後どうするか
  • 修繕が必要になったら誰が対応するか
  • 費用はどの口座から出すか

まで家族で話しておくとよいでしょう。

親の判断能力がすでに低下している場合は、工事内容や金額によっては司法書士や弁護士、成年後見制度なども含めて専門家へ相談した方がよいケースがあります。

【関連記事】施設に入った親の家を子どもが勝手に売れる?名義と認知症の注意点

空き家の修繕費は確定申告で経費にできる?

「修繕費を払ったなら、確定申告で経費にできるのでは?」

と思う方もいるでしょう。

これは、その実家から収入を得ているかどうかで考え方が変わります。

親が住んでいた実家を空き家のまま保有している場合

親が施設へ入った後、誰にも貸さずに実家をそのまま保有しているケースです。

この場合、家賃収入などの不動産所得を得ていないのであれば、通常の空き家管理や修繕費を「不動産所得を得るための必要経費」として差し引くという考え方にはなりにくいです。

つまり、

空き家を直したから、その修繕費をそのまま所得税から引ける

というわけではありません。

実家を賃貸して家賃収入を得ている場合

一方、親の実家を第三者へ貸し、家賃収入を得ている場合は話が変わります。

国税庁では、不動産所得の計算上、不動産を貸し付けるために直接必要となる修繕費などは必要経費になる場合があるとしています。

たとえば、

  • 雨漏り修理
  • 壊れた設備の補修
  • 原状回復に近い工事

などです。

ただし、建物の価値を高めたり、使用可能期間を延ばしたりする工事は「資本的支出」となり、一度に全額を必要経費にできず、減価償却の対象になる場合があります。

そのため、

賃貸中なら何でも修繕費として全額経費

とは限りません。

【関連記事】土地活用の種類8選を比較|小さな土地・住宅地・田舎の選び方

修繕してから売った方が税金で得する?

親が施設へ入り、今後実家へ戻る可能性が低い場合、

「売る前にきれいに直した方が高く売れるのでは?」

と考えることもあります。

しかし、

売却前に修繕すれば税金面で必ず得になるわけではありません。

たとえば100万円かけて修繕しても、売却価格が100万円以上高くなるとは限りません。

特に古い住宅では、買主が、

  • 自分でリフォームしたい
  • 建物を解体して建て替えたい
  • 土地として購入したい

と考えているケースもあります。

その場合、売主が高額なリフォームをしても、十分に回収できない可能性があります。

売却を考えているなら、

  1. 現況のまま売った場合
  2. 必要最低限だけ修繕した場合
  3. 大規模リフォームして売った場合

を比較した方がよいでしょう。

不動産会社に査定を依頼するときも、

「直す前の査定」
「この工事をした場合の査定」

の両方を聞くと判断しやすくなります。

危険な箇所は売却予定でも放置しない

一方、

「近いうちに売るから何も直さなくていい」

とも限りません。

たとえば、

  • 屋根材が落ちそう
  • 外壁が剥がれている
  • 塀が道路側へ傾いている
  • 庭木が隣地へ大きく越境している

といった状態は、売却予定でも放置しない方がよいでしょう。

周辺への危険や迷惑につながる可能性がありますし、管理不全空家等や特定空家等の問題にもつながり得ます。

売却前の修繕は、

見た目をきれいにするための工事
と
安全に管理するために必要な工事

を分けて考えると分かりやすいです。

【関連記事】親の施設入居後、週1回掃除に行っても特定空家になる?判断基準と実家管理のポイント

修繕する前に「この実家を何年残すか」を考える

親の施設入居後に実家を修繕するか迷ったら、

この家を今後どれくらい残す予定なのか

を先に考えるのがおすすめです。

親が自宅へ戻る可能性がある

将来自宅へ戻る可能性があるなら、生活に必要な修繕を優先する意味があります。

たとえば、

  • 雨漏り
  • 給排水設備
  • 給湯器
  • 手すり
  • 段差

などです。

子どもが住む予定

子どもが住むなら、居住に必要な修繕やリフォームを検討することになります。

ただし、前述したとおり親名義の家へ子どもが高額な改修費を負担する場合は、贈与税などに注意が必要です。

数年以内に売却予定

近いうちに売却するなら、資産価値を高めるための高額リフォームより、

  • 雨漏り
  • 危険箇所
  • 最低限の清掃

などにとどめた方が合理的なこともあります。

長期間空き家として残す予定

長く保有するなら、建物を劣化させないための修繕が必要になります。

ただし、修繕費・固定資産税・火災保険・庭管理などの費用も継続するため、

「いつまで残すか」

を定期的に見直すことが重要です。

【関連記事】親が施設に入った後の実家はどうする?空き家・売却・管理の選択肢を解説

修繕前に家族で確認しておきたい7項目

親の実家へ工事を入れる前に、少なくとも次の7点を確認しておきましょう。

  • 実家の登記名義は誰か
  • 親本人に判断能力があるか
  • 工事は通常修繕か増築・大規模改修か
  • 修繕費を実際に誰が負担するか
  • 子どもが立て替える場合、返金記録を残すか
  • 今後誰が住む予定なのか
  • 売却・相続・解体など将来の予定はどうなっているか

特に高額工事では、

工事契約を結んでから税金を調べる

のでは遅い場合があります。

見積もり段階で、所有者・費用負担・将来の使い方を整理しておきましょう。

子どもが払うなら家族間でも簡単な記録を残す

親子間のお金は、

「あとで分かればいいだろう」

と曖昧になりがちです。

しかし、数十万円、数百万円という金額になると、後の相続時に兄弟姉妹から、

「誰のお金で直したの?」
「兄だけ親から返金を受けていない?」
「修繕代を出した分、相続で有利になるの?」

といった疑問が出る可能性があります。

そのため、

  • 工事日
  • 工事内容
  • 金額
  • 支払った人
  • 親から返金するか
  • 返金した日

などを簡単に記録しておくとよいでしょう。

正式な契約書まで作らなくても、領収書や振込記録と一緒に残しておくだけでも、お金の流れを確認しやすくなります。

補助金が使える修繕もある

実家の修繕内容によっては、自治体などの補助制度を利用できる場合があります。

たとえば、

  • 耐震改修
  • ブロック塀撤去
  • 空き家改修
  • 省エネ改修
  • バリアフリー工事

などです。

ただし、補助制度は自治体によって内容や対象要件が大きく異なります。

また、

工事着工前の申請が必要

となっている制度も少なくありません。

先に工事を始めてしまうと対象外になることもあるため、見積もりを取った段階で実家のある自治体へ確認するのがおすすめです。

親の実家修繕と税金についてよくある質問

Q. 親の家の雨漏り修理代を子どもが払ったら贈与税がかかりますか?

子どもが払った修繕費がすべて一律に贈与税の対象になるとは限りません。

工事内容や金額、親が受けた利益など個別事情によって判断が変わる可能性があります。

ただし、親名義の建物へ子どもが高額な増築や大規模改修を行い、親が対価を支払わない場合は贈与税が問題になることがあります。

Q. 親名義の家を子どもが100万円かけて直しても大丈夫ですか?

「100万円なら大丈夫」「100万円なら贈与」というように、金額だけで判断することはできません。

雨漏りなどの修繕なのか、建物価値を大きく高める改修なのかなど、工事内容も重要です。

高額な工事を子どもが負担する場合は、契約前に税務署や税理士へ確認すると安心です。

Q. 子どもが修繕費を立て替えて、あとから親に返してもらってもいいですか?

立替という実態であれば、その資金の流れが分かるように記録を残しておくとよいでしょう。

見積書、請求書、領収書、子どもの支払記録、親からの返金記録などを保管しておくと説明しやすくなります。

Q. 子どもが親の家をリフォームすると贈与になりますか?

工事内容によります。

国税庁は、親名義の建物に子どもが増築し、親がその対価を支払わない場合には、親が子どもから利益を受けたとして贈与税の対象になる取扱いを示しています。

そのため、高額なリフォームや増築は事前確認が重要です。

Q. 親が認知症でも実家を修繕できますか?

軽微な修繕と大規模改修では考え方が異なります。

特に高額工事や増築などについては、親本人の意思確認が難しい場合、子どもだけで決めず専門家へ相談した方がよいケースがあります。

雨漏りや倒壊防止など緊急性の高い修繕についても、支払い方法や工事記録を残しておくとよいでしょう。

Q. 空き家の修繕費は確定申告で経費になりますか?

誰にも貸していない実家を空き家として保有しているだけなら、通常は不動産所得を得るための必要経費とは考えにくいです。

一方、第三者へ賃貸し家賃収入を得ている場合は、賃貸に直接必要な修繕費が必要経費になることがあります。

ただし、資産価値を高める工事などは資本的支出となる場合があります。

Q. 売却する予定の実家は修繕した方がいいですか?

必ずしも高額なリフォームが必要とは限りません。

修繕費以上に売却価格が上がるとは限らないため、現況のまま売る場合と修繕後の査定を比較するとよいでしょう。

ただし、屋根材の落下や塀の倒壊など周囲に危険を及ぼす箇所は、売却予定でも放置しないことが大切です。

まとめ|実家修繕は「誰のお金で、何を直すか」を整理する

以上、親が施設に入った後の実家を修繕する場合の税金についてのお話でした。

親名義の実家を修繕するだけで、新たに特別な「修繕税」がかかるわけではありません。

ただし、

  • 親自身が修繕費を払う
  • 子どもが一時的に立て替える
  • 子どもがそのまま負担する
  • 子どもが高額な増築・リフォーム費を負担する

では、税務上の考え方が同じとは限りません。

特に、親名義の建物に子どもが高額な増築や改修を行い、親が対価を支払わないケースでは、贈与税の問題が生じる可能性があります。

一方で、子どもが親のお金を一時的に立て替えるだけなら、

「誰が最終的に費用を負担したのか」

が分かる記録を残しておくことが重要です。

また、修繕する前には税金だけでなく、

  • 親が自宅へ戻る可能性
  • 子どもが住む予定
  • 賃貸する予定
  • 売却する予定
  • 今後何年間保有するか

まで考えましょう。

半年後に売却する家と、今後10年間残す家では、必要な修繕内容も変わります。

親が施設に入った後の実家は、「壊れたからとりあえず直す」ではなく、この家を今後どうするのかを考えたうえで、必要な修繕だけを行うことが大切です。

【関連記事】親が施設に入った後の実家はどうする?空き家・売却・管理の選択肢を解説

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