親が施設に入って実家が空き家に|月1回やること・管理方法を解説

月1回やること・管理チェックリスト

親が老人ホームなどの施設へ入ると、それまで暮らしていた実家が突然空き家になることがあります。

すぐに売却する予定がなくても、誰も住んでいない家をそのまま放置するのはおすすめできません。

この記事では、施設入居後の実家をしばらく残す場合に、家族が月1回を目安に確認しておきたい管理方法をチェックリスト形式で解説します。

目次

結論|実家を残すなら「月1回」を目安に状態を確認する

親が施設へ入った後も実家を残すなら、定期的に家の状態を確認することが大切です。

毎週のように通う必要はありませんが、一つの目安として月1回程度の訪問日を決めておくと管理を続けやすくなります。

ただし、月1回という頻度ですべての空き家に十分という意味ではありません。

建物の状態や季節、庭木の量、台風や大雨などによっては、より頻繁な確認が必要になることもあります。

訪問したときに確認したいのは、主に次の項目です。

確認すること主な目的
郵便物空き家だと分からせない・重要書類確認
換気湿気・カビ対策
通水排水口の臭い・設備確認
雨漏り建物被害の早期発見
水漏れ漏水の早期発見
カビ内装・家具の劣化確認
庭木・雑草近隣トラブル防止
害虫・害獣建物被害防止
戸締まり防犯
外壁・屋根建物の異常確認
ゴミ・不法投棄防犯・近隣対策
メーター類異常使用の確認

一度に完璧な管理をするより、毎月同じ項目を確認する仕組みを作る方が現実的です。

なぜ誰も住まない実家にも管理が必要?

「誰も使わないなら、そのまま鍵を閉めておけばいいのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、人が住まなくなった家では、住んでいたときには気付けた小さな異常を発見できなくなります。

たとえば水漏れが起きても、誰もいなければ何週間も気付きません。

台風で屋根の一部が傷んでも、そのまま雨漏りが続く可能性があります。

郵便受けに郵便物がたまれば、外から見ても長期間不在であることが分かります。

さらに、

  • 湿気
  • カビ
  • 庭木
  • 雑草
  • 害虫
  • 害獣
  • 不法投棄

などの問題もあります。

空き家は「誰も使っていないから傷まない」のではなく、誰も見ていないから異常の発見が遅れやすい家と考えた方がよいでしょう。

月1回の実家管理でやること

ここからは、実家を訪問した際に確認したいことを順番に見ていきます。

毎回すべてを大がかりに行う必要はありません。

チェックする順番を決めておくと、短時間でも確認できます。

郵便受けを確認する

実家に着いたら、まず郵便受けを確認します。

郵便物やチラシが大量にたまっていると、

「この家には長期間誰もいない」

と外から分かりやすくなります。

防犯上も好ましくありません。

また、親宛ての重要な郵便物が届いている可能性もあります。

施設入居後は、必要に応じて郵便物の転送や各種サービスの登録住所変更も進めておきましょう。

【関連記事】老人ホーム入居直後にやること15選|家族が最初の1週間で確認したい手続き・準備

窓を開けて換気する

長期間締め切った家では湿気がこもりやすくなります。

訪問した日は、天候を確認しながら窓や室内扉などを開けて空気を入れ替えます。

特に確認したいのは、

  • 押し入れ
  • クローゼット
  • 北側の部屋
  • 洗面所
  • 浴室
  • キッチン

など湿気がたまりやすい場所です。

ただし、雨の日や湿度が非常に高い日に無理に窓を開ければ、逆に湿気を取り込むこともあります。

換気する日は天候も確認しましょう。

蛇口から水を流す

水道を残している場合は、キッチン、洗面、浴室などの蛇口から水を流します。

長期間使用していない配管の状態確認にもなります。

最初に出てきた水は飲用せず、しばらく流してから状態を確認するとよいでしょう。

蛇口を開けたときに、

  • 水が出にくい
  • 赤い水が出る
  • 蛇口から漏れる
  • 配管から異音がする

といった異常がないかも確認します。

トイレの水を流す

トイレも確認します。

水道を残しているなら、一度水を流して正常に動くか確認しましょう。

便器の水位や床まわりも見て、水漏れがないか確認します。

長期間使用しない設備ほど、不具合を発見する機会が少なくなります。

排水口に水を流す

キッチン、洗面所、浴室などの排水口には、下水の臭いや虫が室内へ上がってくるのを防ぐ「排水トラップ」があります。

長期間水を使わないと、トラップ内の水が蒸発することがあります。

空き家へ入ったときに、

「なんとなく下水臭い」

と感じる場合は、排水トラップの水が減っている可能性があります。

定期訪問時に各排水口へ水を流しておきましょう。

雨漏りや水漏れがないか確認する

空き家管理で特に早く発見したいのが水関係のトラブルです。

天井や壁のシミを見る

各部屋を回りながら、

  • 天井のシミ
  • 壁紙の変色
  • クロスの剥がれ
  • 窓まわりの水跡
  • カビ

などがないか確認します。

以前にはなかったシミができている場合、雨漏りなどの可能性があります。

特に台風や大雨の後は注意して確認しましょう。

床が濡れていないか確認する

キッチン、洗面台、トイレなどの床も確認します。

誰も住んでいないのに床が濡れている場合は、給水管や設備から漏水している可能性があります。

空き家では発見が遅れやすいため、小さな異常でも原因を確認した方がよいでしょう。

水道メーターも確認する

すべての蛇口を閉めた状態なのに水道メーターが動いている場合は、漏水の可能性があります。

毎回必ず確認する必要はありませんが、「誰も水を使っていないのに水道料金が増えた」という場合はチェックしてみましょう。

カビや結露を確認する

空き家では湿気によるカビにも注意が必要です。

特に、

  • 押し入れの奥
  • 家具の裏側
  • 北側の部屋
  • 洗面所
  • 浴室

などを確認します。

カビ臭を感じたら、目に見えない場所にも発生している可能性があります。

家具や荷物が大量に残っている実家では空気が動きにくいため、必要に応じて少しずつ荷物を整理していくことも検討しましょう。

庭木や雑草を確認する

戸建ての実家では、建物だけでなく敷地管理も必要です。

特に春から秋にかけては雑草が急速に伸びます。

庭を確認するときは、

  • 雑草
  • 道路にはみ出した枝
  • 隣地へ伸びた枝
  • 落ち葉
  • 排水溝
  • 植木鉢
  • 放置されたゴミ

などをチェックします。

庭木が隣の敷地へ大きく伸びたり、落ち葉が大量に飛んだりすると近隣トラブルにつながることがあります。

自分で管理するのが難しい場合は、剪定や草刈りだけ業者へ依頼する方法もあります。

害虫・害獣が入り込んでいないか確認する

人が住まなくなった家では、虫や動物が入り込んでも発見が遅れます。

確認したいのは、

  • ゴキブリ
  • ハチ
  • シロアリ
  • ネズミ
  • 野良猫などの侵入
  • 鳥の巣

などです。

軒下や雨戸の戸袋なども確認しておきましょう。

特にハチの巣は、最初は小さくても短期間で大きくなることがあります。

定期的に外周を歩くだけでも早期発見につながります。

戸締まりと防犯設備を確認する

空き家で重要なのが防犯です。

訪問するたびに、

  • 玄関
  • 勝手口
  • 雨戸
  • シャッター
  • 物置

などの施錠状態を確認します。

窓ガラスが割れていないか、侵入された形跡がないかも見ておきましょう。

防犯カメラや人感センサーライトを設置しているなら、正常に動作しているかも確認します。

郵便物と雑草も防犯対策になる

高価な防犯設備を設置するだけが空き家対策ではありません。

郵便物がたまっている、庭が荒れている、玄関前に落ち葉が積もっているといった状態は、長期間人が来ていない印象を与えます。

「定期的に誰かが来ている家」に見える状態を保つことも大切です。

外壁・屋根・雨どいを外から見る

建物の中だけでなく、外周も一周してみましょう。

確認するのは、

  • 外壁の大きなひび割れ
  • 屋根材のずれ
  • 雨どいの外れ
  • 雨戸の破損
  • 窓ガラスの破損
  • 軒裏の異常
  • 基礎まわり

などです。

屋根に上る必要はありません。

危険なので、地上から見える範囲で確認します。

台風や強風の後は、普段より注意して見ておきましょう。

ゴミや不法投棄がないか確認する

空き家だと分かると、敷地内へゴミを捨てられることがあります。

家の裏側や駐車スペース、道路との境界付近なども確認します。

最初は小さなゴミでも、そのままにしているとさらに捨てられる可能性があります。

異変を早めに発見するためにも、敷地全体を一周する習慣をつけておきましょう。

電気・水道の使用量も確認する

誰も住んでいないのに電気や水道の使用量が大きく増えていたら注意が必要です。

水道なら漏水、電気なら残している家電や設備などを確認します。

毎月の請求額を確認しておけば異変にも気付きやすくなります。

施設入居後に電気・ガス・水道を残すか迷っている場合は、別記事で詳しく解説しています。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

月1回の実家管理チェックリスト

実際に訪問するときは、次の順番で回ると分かりやすいでしょう。

到着したら外を確認

  • 郵便物を回収
  • 玄関まわりを確認
  • ゴミ・不法投棄を確認
  • 庭木・雑草を確認
  • 外壁・雨どいを確認
  • 窓ガラスを確認
  • 侵入された形跡がないか確認

室内に入ったら確認

  • 異臭がないか確認
  • 天井や壁のシミを確認
  • 床の水漏れを確認
  • カビを確認
  • 窓や室内扉を開けて換気
  • 防犯設備を確認

水まわりを確認

  • キッチンの水を流す
  • 洗面台の水を流す
  • 浴室の水を流す
  • トイレを流す
  • 排水口へ水を流す
  • 蛇口や配管の漏水を確認

帰る前に確認

  • 水道を止めたか
  • 家電の電源を確認
  • 窓を閉めたか
  • 勝手口を施錠したか
  • 玄関を施錠したか

スマートフォンのメモなどにこのチェック項目を保存しておけば、毎回同じ内容を確認できます。

台風や大雨の後は月1回を待たずに確認する

「月1回管理」と決めていても、必ず次の訪問日まで待つ必要はありません。

特に、

  • 台風
  • 集中豪雨
  • 大雪
  • 強風
  • 地震

などがあった後は、可能であれば早めに確認した方が安心です。

雨漏りや屋根の破損などは、発見が遅れるほど被害が広がる可能性があります。

近くに住む親戚や近隣住民と関係が良好なら、「何かあったら連絡してもらう」程度にお願いしておく方法もあります。

実家が遠くて月1回通えない場合はどうする?

親の実家が近くにあるとは限りません。

車や電車で数時間かかる場所なら、月1回訪問するだけでも大きな負担になります。

その場合は、

  • 兄弟姉妹で分担する
  • 親戚に時々確認してもらう
  • 庭だけ業者へ依頼する
  • 空き家管理サービスを利用する

といった方法を検討できます。

空き家管理サービスという選択肢もある

空き家管理サービスでは、会社によって、

  • 建物外部の確認
  • 郵便物確認
  • 換気
  • 通水
  • 庭の確認
  • 写真付き報告

などを行っています。

サービス内容や訪問頻度、料金は会社によって異なります。

家族が遠方に住んでいる場合は、「交通費+移動時間+管理の手間」と比較してみるとよいでしょう。

家族の誰が管理するか決めておく

意外と重要なのが管理担当です。

兄弟姉妹がいると、

「誰かが見に行っているだろう」

となってしまうことがあります。

結果として、数か月間誰も実家へ行っていなかったということも起こり得ます。

そこで、

「基本は長男が月1回確認する」

「庭は近くに住んでいる妹が見る」

など、役割を決めておくと分かりやすくなります。

訪問したときに写真を撮って家族のLINEグループなどへ送っておけば、状態も共有できます。

空き家管理の記録を残しておく

毎回細かな報告書を作る必要はありません。

スマートフォンで、

「8月10日 換気・通水済み。異常なし」

程度の記録を残すだけでも十分役立ちます。

気になる場所があれば写真も撮っておきます。

前回の写真と比較すれば、

「この天井のシミ、前より広がっていない?」

「外壁のひび割れが大きくなっている?」

といった変化にも気付きやすくなります。

将来的に実家を売却することになった場合にも、いつ頃から異常があったのかを振り返る材料になります。

いつまで実家の管理を続ける?

ここは非常に重要です。

親が施設へ入居した直後なら、実家を残して様子を見ることには意味があります。

しかし、

「とりあえず残しておく」が5年、10年と続く

のは別の問題です。

実家を所有している限り、

  • 固定資産税
  • 火災保険
  • 電気・水道
  • 修繕
  • 草刈り
  • 管理の交通費

などがかかります。

さらに、家族自身も年齢を重ねます。

今は月1回通えていても、10年後も同じように管理できるとは限りません。

「半年後に考える」「1年後にもう一度話し合う」など、見直す時期を決めておくことをおすすめします。

管理が負担になってきたら実家の今後を考える

月1回の実家管理を続けていると、

「このまま何年も通い続けるのかな」

と感じることがあるでしょう。

これは、実家を今後どうするか考える一つのタイミングです。

選択肢としては、

  • そのまま維持する
  • 家族が住む
  • 賃貸に出す
  • 売却する
  • 建物を解体して土地を活用する

などがあります。

親が施設へ入ったからといって、すぐ売却する必要はありません。

一方、誰も戻る予定がなく管理だけが負担になっているのであれば、売却などを検討する理由は強くなります。

【関連記事】親が老人ホームに入ったら実家は売るべき?売らない方がいいケースも解説

実家を残している間も固定資産税はかかる

誰も住んでいなくても、実家を所有している間は基本的に固定資産税がかかります。

そのため空き家管理では、草刈りや修繕などの費用だけでなく、税金も含めて考える必要があります。

「家を残しておくのに年間いくらかかっているか」

を一度計算してみると、今後の判断がしやすくなります。

【関連記事】親が施設に入った後の実家の固定資産税はどうなる?誰が払う?

よくある質問

Q. 空き家になった実家は月1回見に行けば十分ですか?

月1回は一つの管理目安です。

建物の状態、季節、庭木の量などによって必要な頻度は異なります。

また、台風や大雨などがあった場合は、次の定期訪問を待たず確認した方がよい場合もあります。

Q. 空き家では毎回水を流した方がいいですか?

水道を残しているなら、定期訪問時に蛇口やトイレなどの水を流して状態を確認するとよいでしょう。

排水トラップの水が減ることによる下水臭対策にもなります。

Q. 換気はどのくらいすればいいですか?

一律の時間はありません。

天候や湿度を確認しながら、室内の空気を入れ替えます。

雨の日や湿度の高い日は無理に窓を開けない方がよい場合もあります。

Q. 実家が遠方で月1回行けない場合は?

家族や親戚で分担するほか、空き家管理サービスを利用する方法があります。

交通費や移動時間も含めて比較してみるとよいでしょう。

Q. 電気と水道は残しておいた方がいいですか?

実家をしばらく管理するのであれば、電気と水道を残しておくと便利です。

掃除、照明、防犯、通水などで利用できます。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

Q. 何年も空き家のまま残しても大丈夫ですか?

適切に管理していれば、すぐ問題になるとは限りません。

ただし、建物の老朽化や維持費、家族の管理負担は続きます。

「いつまで残すか」を決めずに長期間放置するのではなく、定期的に実家の今後を見直すことが大切です。

まとめ|月1回のチェックを実家の今後を考えるきっかけに

以上、親が施設に入って実家が空き家に|月1回やること・管理方法を解説というお話でした。

親が施設へ入った後も実家を残すなら、定期的な管理が必要です。

特に確認したいのは、

郵便物・換気・通水・雨漏り・水漏れ・カビ・庭木・防犯

です。

毎回完璧に掃除する必要はありません。

月1回程度を一つの目安に、同じ項目を確認して異常を早く見つけることが重要です。

そして、月1回の管理が負担になってきたら、それは実家の今後を考えるタイミングでもあります。

親が戻る可能性、実家の維持費、建物の状態、家族の負担などを確認しながら、残す・貸す・売る・活用するといった選択肢を少しずつ検討していきましょう。

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