トランクルームを建てられない土地とは?用途地域・接道・敷地条件を確認

トランクルーム向きの遊休地とは?

トランクルームは、空き地や使いにくい土地でも検討しやすい土地活用ですが、どんな土地でも自由に建てられるわけではありません。
需要がありそうな場所でも、用途地域や接道、市街化調整区域、農地などの条件によっては計画が難しくなることがあります。
この記事では、トランクルームを建てる前に確認したい法規制と土地条件を、実務目線でわかりやすく整理します。

目次

結論|需要があっても「建てられない土地」はある

トランクルーム経営を考えるとき、多くの人は最初に「この地域で借りる人がいるか」を気にします。

もちろん需要調査は重要です。
ただ、その前に確認したいのが、そもそもその土地に希望するトランクルームを計画できるのかという点です。

たとえば、

  • 用途地域の制限に合わない
  • 市街化調整区域で建築が難しい
  • 農地のままで転用できていない
  • 建築基準法上の道路に適切に接していない
  • 建ぺい率・容積率の関係で必要な規模を確保できない

といった土地では、需要が見込めても計画そのものが成立しない場合があります。

そのため、私はトランクルームの土地を検討するとき、

「埋まりそうか」
の前に、
「建てられるか」

を確認します。

そのうえで商圏・競合・道路条件などを調べ、事業として成立するかを判断します。

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トランクルーム経営に向く立地とは?商圏・住宅密度・アクセスの見極め方

トランクルームを計画する前に確認したい5つの条件

まず確認したいのは、次の5項目です。

確認項目主なポイント
用途地域希望する用途・規模の建物を計画できるか
市街化調整区域開発・建築に制限がないか
接道建築基準法上の道路との関係
農地農地転用などの手続きが必要か
建ぺい率・容積率希望する建物規模を確保できるか

これらを確認せずに、

「住宅が多いからトランクルームに向いている」
「土地が安いからコンテナを置こう」

と進めるのはおすすめできません。

用途地域を確認する

都市計画区域内の土地では、用途地域によって建てられる建物の用途が制限されています。

住宅系、商業系、工業系など地域ごとに目的が定められているため、同じトランクルームでも建物の使い方や規模によって判断が変わることがあります。

特に注意したいのは、

「トランクルーム」という名称だけで建築可否が決まるわけではない

という点です。

建築基準法上、どの用途として扱われるのかを確認する必要があります。

そのため、具体的な計画を進める前に、市区町村の建築担当窓口や設計者へ用途の扱いを確認しておくことが重要です。

市街化調整区域か確認する

市街化調整区域は、市街化を抑制することを目的とした区域です。

そのため、一般的な市街化区域と比べて建築や開発のハードルが高くなります。

「土地が広くて安いからトランクルームに向いていそう」

と思っても、市街化調整区域では希望する建物をそのまま建てられるとは限りません。

土地活用を考える前に、

  • 市街化調整区域か
  • 開発許可が必要か
  • そもそも計画可能な用途なのか

を確認しましょう。

【関連記事】

市街化区域と市街化調整区域の違いは?建築・土地活用までわかりやすく解説

接道条件を確認する

建物を建てる場合は、敷地が建築基準法上の道路にどのように接しているかが重要です。

単に「道路に面しているように見える」だけでは十分ではありません。

たとえば、

  • その道路が建築基準法上の道路に該当するか
  • 必要な接道条件を満たしているか
  • セットバックが必要か
  • 車両の出入りに支障がないか

などを確認します。

特に昔からある住宅地や旗竿地では、現況だけを見ると問題なさそうでも、建築計画上の制約が出ることがあります。

また、法的に建築できても前面道路が極端に狭ければ、利用者が荷物を搬入しにくくなります。

つまり接道は、

建てられるか

使いやすいか

の両方に関係する条件です。

農地なら農地転用を確認する

登記上や現況が農地である土地を、そのままトランクルーム用地として使えるとは限りません。

農地を農業以外の目的で利用する場合は、農地転用の許可や届出などが必要になることがあります。

さらに、市街化調整区域や農用地区域など、他の規制が重なることもあります。

そのため、

「農地を持っているからコンテナを置けば活用できる」

と簡単に考えない方がよいでしょう。

まず農地転用が可能か、その後にトランクルームとして建築・利用できるかを順番に確認します。

【関連記事】

農地転用の費用は誰が払う?地主と借主の負担・相場・注意点を解説

建ぺい率・容積率を確認する

用途上建築できる土地でも、希望する規模の建物を建てられるとは限りません。

建ぺい率や容積率によって、土地に対して建てられる建物の大きさが制限されるためです。

たとえば100㎡の土地があっても、土地いっぱいに3階建てのトランクルームを建てられるとは限りません。

さらに、

  • 駐車スペース
  • 荷下ろし場所
  • 通路
  • 階段
  • エレベーター
  • 消防・避難に必要なスペース

なども必要になります。

トランクルームは「室数を増やせば売上が増える」と考えがちですが、敷地いっぱいに部屋を詰め込めばよいわけではありません。

利用者が使えるスペースまで含めた計画が必要です。

トランクルームは用途地域で建築可否が変わる

用途地域は、土地活用を考えるうえで非常に重要です。

ただし、

工業地域ならOK
住宅地ならNG

のように単純に分けることはできません。

建物の用途や規模、自治体の判断などを含めて確認する必要があります。

工業系用途地域は候補になりやすい

準工業地域や工業地域では、住宅系用途地域と比べて倉庫系用途を計画しやすいケースがあります。

また、

  • 車でアクセスしやすい
  • 事業所が多い
  • 法人の収納需要も狙える
  • 敷地を確保しやすい

といった条件がそろうこともあります。

ただし、用途地域だけを見て「問題なく建てられる」と判断しないことが重要です。

計画する建物がどの用途として扱われるかを確認しましょう。

商業系用途地域でも採算は別問題

商業地域や近隣商業地域では、用途上の選択肢が比較的広いことがあります。

ただし、土地価格が高い地域では、トランクルームの賃料収入だけで土地価格や建築費に見合う収益を確保できるとは限りません。

建てられる=儲かる

ではありません。

用途上問題がなくても、事業採算は別に確認する必要があります。

住居系用途地域は特に用途確認が重要

住宅地の近くはトランクルーム需要を期待しやすい一方、用途地域によって建築可能な建物には制限があります。

第一種低層住居専用地域など、住宅環境を保護する目的が強い地域では特に慎重な確認が必要です。

「住宅が多いからトランクルームに最適」と考えてから土地を買うのではなく、先に用途地域と建築可能性を確認しましょう。

用途地域だけで自己判断しない

インターネットで用途地域の一覧表を見ると、自分でも判断できそうに感じます。

しかし実際には、

  • 建物の用途判定
  • 規模
  • 建築方法
  • 自治体の条例
  • 地区計画
  • 防火・準防火地域
  • 接道条件

など、用途地域以外の条件も関係します。

土地を購入してから、

「想定していたトランクルームが建てられなかった」

となるのは避けたいところです。

土地購入前や事業計画の初期段階で、設計者や行政窓口などへ確認することをおすすめします。

コンテナ型でも土地条件を確認する

コンテナ型トランクルームは、

「建物を建てるのではなく、空き地にコンテナを置くだけ」

というイメージを持たれやすいです。

しかし、継続的に倉庫として使用し、随時かつ任意に移動できない状態で設置するコンテナは、建築物として扱われる場合があります。

そのため、

コンテナなら用途地域や接道を気にしなくていい

とは考えない方がよいでしょう。

建築確認など、必要な手続きを確認してから計画します。

【関連記事】

コンテナ型トランクルームは違法?建築確認が必要なケースと注意点

「建てられる土地」でも事業として成立するとは限らない

ここまでの条件をクリアして、

「法的には建てられそう」

となっても、まだトランクルーム経営を始める判断はできません。

次に確認するのが、

  • 周辺世帯数
  • 収納需要
  • 競合施設
  • 車でのアクセス
  • 適正な室数

などです。

つまり、

第1段階:建てられるか

第2段階:埋まるか

第3段階:採算が合うか

という順番で考えるのが分かりやすいです。

この3つのどこかが欠ければ、土地活用として無理をしない方がよい場合もあります。

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トランクルーム経営は儲かる?20年見てわかった収益・利回りと失敗する土地

敷地形状でトランクルームの計画しやすさは変わる

法規制をクリアしていても、土地の形状によっては使いやすいトランクルームを計画しにくいことがあります。
特に確認したいのが、間口、旗竿地、変形地、狭小地です。

トランクルームは小さな区画を組み合わせるため、住宅では使いにくい土地でも活用できるケースがあります。
ただし、無理に部屋数を詰め込むと、駐車・搬入動線が悪くなり、結果的に利用しづらい施設になることがあります。

間口が狭い土地

土地の奥行きが十分にあっても、道路に接する間口が狭いと計画が難しくなることがあります。

トランクルームでは、利用者が車で来て荷物を搬入することを想定するため、

  • 車両の出入り
  • 駐車スペース
  • 荷下ろし
  • 歩行動線
  • 建物へのアプローチ

を確保する必要があります。

間口が狭いと、車を敷地内へ入れるだけでスペースを使ってしまい、建物面積を十分に確保できない場合があります。

旗竿地

旗竿地は、道路から細い通路部分を通って奥に広い敷地がある形状です。

奥の土地が広ければトランクルームを配置できそうに見えますが、通路部分がボトルネックになります。

特に確認したいのは、

  • 通路幅
  • 車の進入
  • 対向車とのすれ違い
  • 消防・避難上の条件
  • 荷物の搬入
  • 来客同士の動線

などです。

建築上は成立しても、利用者が毎回狭い通路を通らなければならない施設では使い勝手が悪くなることがあります。

変形地

三角形や台形、L字型などの変形地でも、トランクルームを計画できるケースがあります。

小さな収納区画を組み合わせるため、アパートや店舗より形状に合わせやすい場合があります。

ただし、

「変形地だからトランクルーム向き」

と決めるのは早いです。

建物を土地形状に合わせられても、余った部分ばかりが通路になったり、駐車スペースが取りにくくなったりすると効率が悪くなります。

重要なのは、建物が納まるかではなく、利用者が使いやすい動線まで含めて成立するかです。

狭小地

小さな土地でもトランクルームを計画できる場合があります。

ただし、土地が小さいほど、

  • 階段
  • 共用通路
  • エレベーター
  • 駐車場
  • 搬入スペース

などの共用部分が収益スペースに対して大きな割合を占めます。

その結果、建築できても十分な貸室数を確保できず、採算が合わないことがあります。

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傾斜地・高低差のある土地は造成費に注意する

トランクルームは大きな家賃収入を狙う土地活用ではないため、造成費が大きくなる土地では収支が合いにくくなることがあります。

擁壁が必要になるケース

敷地と道路、隣地との間に高低差がある場合は、擁壁などの工事が必要になることがあります。

既存擁壁があっても、

  • 古い
  • 構造が不明
  • 安全性を確認できない
  • 建築に利用できない

といった場合は、補強ややり替えが必要になることもあります。

土地価格が安くても、擁壁工事に大きな費用がかかれば総事業費は上がります。

切土・盛土が必要になる土地

傾斜地では、建物や駐車場をつくるために地盤面を整える必要があります。

切土や盛土、土留め、排水などの工事が増えると、建物本体以外の費用が膨らみます。

トランクルーム経営では、

建築費だけを見るのではなく、使える土地にするまでの造成費も含めて採算を見る

ことが重要です。

駐車場の高低差も使い勝手に影響する

建物をフラットに建てられても、駐車場との間に大きな段差があると荷物を運びにくくなります。

重い荷物を持って階段を上り下りしなければならない施設は、利用者にとって負担になります。

スロープを設ける場合も、その分の敷地と工事費が必要です。

土地活用では「建てられる」だけでなく、荷物を持った利用者が実際にどう動くかを考える必要があります。

造成費が大きい土地は「安く買える」だけで判断しない

傾斜地や高低差のある土地は、平坦地より安く売られていることがあります。

一見すると、

「土地を安く買えた分、利回りが高くなる」

と考えたくなります。

しかし、

土地取得費

造成

擁壁

排水

建築

まで合計すると、平坦地より総事業費が高くなることもあります。

トランクルーム経営は、建築費が増えたからといってその分だけ賃料を上げられるとは限りません。

周辺相場を超える賃料を設定すると、利用者が集まりにくくなる可能性があります。

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湿気より「排水・換気・浸水リスク」を確認する

現地を見るときに「日当たりが悪いから湿気が心配」と考える方もいるでしょう。

ただし、トランクルームの湿気問題は日当たりだけで決まるものではありません。

土地条件としては、

  • 地盤面の高さ
  • 雨水排水
  • 周囲から水が流れ込まないか
  • 低地ではないか
  • 地下水位
  • 建物の換気計画

などを確認する方が重要です。

道路より敷地が低い土地

敷地が周辺道路より低いと、大雨時に雨水が流れ込む可能性があります。

トランクルームは利用者の荷物を保管する施設なので、水害リスクには特に慎重になった方がよいでしょう。

造成によって地盤面を上げることができても、その分工事費が増えるほか、周辺への雨水流出なども考える必要があります。

排水先が確保できるか

敷地内に降った雨をどこへ排水するかも重要です。

広い駐車場や屋根面積がある施設では、雨水量も増えます。

既存排水設備を使えるのか、新たな排水設備が必要なのかを計画段階で確認します。

室内の湿気は建物側の対策も重要

屋内型では換気や空調など、建物仕様によって湿気対策を行うことができます。

そのため、

日陰だからNG
北向きだからNG

のように単純に判断する必要はありません。

一方、もともと水がたまりやすい土地や浸水リスクの高い場所は、建物設備だけで完全に解決できるとは限りません。

ハザードマップも確認しておく

トランクルーム用地を検討するときは、自治体などが公開しているハザードマップも確認しておきたいところです。

特に、

  • 洪水
  • 内水氾濫
  • 土砂災害
  • 高潮
  • 津波

など、地域によって想定される災害が異なります。

ハザード区域に入っているから一律に建築できないという意味ではありませんが、土地選定と建物計画の重要な判断材料になります。

荷物を保管する施設だからこそ浸水リスクは重要

住宅の場合でも浸水は大きな問題ですが、トランクルームでは利用者が大切な荷物を長期間保管します。

特に1階に収納スペースを設ける場合は、浸水によって多くの契約者の荷物が同時に被害を受ける可能性があります。

そのため、地盤面の高さや浸水想定などを事前に確認しておくことが重要です。

インフラ条件も確認する

トランクルームは住宅ほど多くのインフラを必要としないケースもあります。

それでも、建築型や屋内型では電気設備などが必要です。

電気

屋内型なら、

  • 照明
  • 防犯カメラ
  • 電子錠
  • 空調
  • 換気
  • エレベーター

などで電気を使用します。

土地の近くまで必要な電源が来ているか、引込工事に大きな費用がかからないかを確認します。

給排水

トランクルームでは住宅のような給排水設備を必要としない計画もあります。

一方、施設管理上の設備や建物条件によって必要になる場合があります。

また、建物内で水を使わなくても、敷地の雨水排水は別に考える必要があります。

敷地条件が悪い土地でも工夫できる場合はある

ここまで読むと、

「少し条件が悪ければトランクルームは無理なのか」

と思うかもしれません。

そうとは限りません。

変形地なら建物形状を工夫する、高低差が小さければ配置で対応するなど、設計によって活用できる土地もあります。

大切なのは、悪条件を無理に隠して計画するのではなく、その条件を解決する費用まで含めて採算が合うかを判断することです。

土地条件を克服するために1,000万円余計にかかるのであれば、別の土地活用の方が合理的なこともあります。

建築型とコンテナ型では確認する条件が違う

トランクルームには大きく分けて、建物としてつくる「建築型」と、コンテナを利用する「コンテナ型」があります。

どちらを選ぶかによって必要な投資額や施設の特徴は変わりますが、土地条件の確認が必要なのは同じです。

建築型トランクルーム

鉄骨造などの建築型では、土地に合わせて建物を設計できるのがメリットです。

たとえば1階にシャッターガレージ、2〜3階に屋内型トランクルームを配置するなど、立体的に土地を使うこともできます。

一方で、

  • 用途地域
  • 接道
  • 建ぺい率・容積率
  • 高さなどの各種制限
  • 防火関係
  • 避難計画
  • 駐車・搬入スペース
  • 建築確認

などを確認しながら計画する必要があります。

「土地が100坪あるから○室つくれる」と面積だけで判断することはできません。

コンテナ型トランクルーム

コンテナ型は建築型より簡単そうに見えます。

しかし、

「土地にコンテナを置くだけだから建築規制は関係ない」

という考え方は危険です。

倉庫として継続的に使用し、随時かつ任意に移動できない状態で設置されるコンテナは、建築物として扱われる場合があります。

その場合は建築基準法への適合や建築確認などが必要になります。

コンテナ型を検討する場合も、購入・設置してから判断するのではなく、事前に自治体や専門家へ確認しましょう。

【関連記事】

コンテナ型トランクルームは違法?建築確認が必要なケースと注意点

条件が悪くてもトランクルームで活用できる土地

ここまで「建てにくい土地」を多く紹介しましたが、アパートや店舗では活用しにくい土地でも、トランクルームなら計画できるケースがあります。

住宅には少し使いにくい変形地

三角形や台形などの変形地では、一般的な間取りのアパートを効率よく配置できない場合があります。

トランクルームは比較的小さな区画を組み合わせるため、土地形状に合わせて部屋を配置できる可能性があります。

ただし、建物だけを敷地に押し込むのではなく、駐車・搬入スペースまで確保できることが前提です。

人が住むには環境が気になる土地

幹線道路や事業所の近くなど、騒音や交通量の面から住宅には向きにくい土地でも、トランクルームなら検討できる場合があります。

人が生活する建物ではないことは、非住居系土地活用の一つの強みです。

ただし、周辺に利用者がいなければ経営は成立しません。

「住宅に向かない=トランクルームに向く」ではない点には注意してください。

【関連記事】

【人が住まない安心感】トランクルーム・駐車場の強みとメリット

アパートを建てるには小さい土地

狭小地でも、小規模なトランクルームなら検討できる場合があります。

ただし、室数が少なすぎると建築費や設備費を回収できない可能性があります。

小さな土地では「建てられるか」以上に、必要な共用部分を確保したうえで何室貸せるのかを見ることが重要です。

【関連記事】

土地20坪でトランクルーム経営できる?狭小地活用のポイント

逆に無理をしない方がいい土地

工夫すれば建築できる土地と、無理にトランクルームを計画しない方がいい土地は分けて考えた方がよいでしょう。

私なら特に慎重に検討するのは次のような土地です。

土地条件注意する理由
大きな高低差がある擁壁・造成費が膨らみやすい
車が入りにくい搬入しにくく利用者に選ばれにくい
間口が極端に狭い建物・駐車・搬入動線を取りにくい
浸水リスクが高い保管物への被害リスクがある
周辺に利用者が少ない建築できても稼働しない
法規制が厳しい許可や計画変更が必要になる場合がある
造成費が高額賃料で追加投資を回収しにくい

重要なのは、技術的に何とかできるかではなく、事業としてそこまでお金をかける意味があるかです。

たとえば500万円追加すれば建築できる土地でも、その500万円によって賃料が上がるわけではありません。

土地活用では「できる」と「やるべき」は別です。

「建てられる土地」と「儲かる土地」は別

今回の記事で最も伝えたいのがこの点です。

トランクルームの土地は、

建築できる

利用者がいる

適正な規模で計画できる

総事業費に対して収益が見合う

という順番で判断する必要があります。

用途地域や接道などをクリアしていても、周辺に利用者がいなければ意味がありません。

反対に住宅が密集していて需要が高そうでも、土地条件が悪く造成費が膨らめば、採算が合わなくなることがあります。

「土地が余っているから建てる」は危険

土地を所有していると、

「固定資産税を払っているだけだから、何か建てた方がいい」

と思うかもしれません。

しかし、トランクルームを建てること自体が目的になってはいけません。

場合によっては、

  • 月極駐車場
  • 駐車場シェア
  • 貸地
  • 資材置き場
  • 賃貸住宅

など、別の活用方法の方が土地条件に合うこともあります。

【関連記事】

土地活用の種類と比較|小さな土地・田舎・住宅地など立地別おすすめ

需要調査は土地条件を確認したあとに行う

法規制や敷地条件を確認して「計画できそう」と分かったら、次は需要調査です。

ここでは、

  • 周辺世帯数
  • 住宅の種類
  • 年齢・世帯構成
  • 競合トランクルーム
  • 競合の料金
  • 空室状況
  • 車でのアクセス
  • 生活動線

などを確認します。

今回の記事では「建てられる土地か」を中心に解説しましたが、実際の経営では「埋まる土地か」の確認も同じくらい重要です。

この部分については別記事で詳しく解説しています。

【関連記事】

トランクルーム経営に向く立地とは?商圏・住宅密度・アクセスの見極め方

このように記事を分けることで、

今回の記事=建築・土地条件

関連記事=需要・商圏条件

として順番に確認できます。

土地を買ってから調べるのでは遅い

これからトランクルーム用の土地を購入する場合は特に注意してください。

価格が安い土地には、安い理由があることもあります。

たとえば、

  • 接道条件が悪い
  • 高低差がある
  • 造成が必要
  • 市街化調整区域
  • 農地
  • 変形地
  • 浸水リスクがある

などです。

もちろん、条件が悪い土地だから使えないとは限りません。

むしろ土地条件を理解したうえで安く取得し、うまく活用できればメリットになることもあります。

ただし、

「土地を買う」→「何が建てられるか調べる」

ではなく、

「何が建てられるか調べる」→「採算を確認する」→「土地を買う」

の順番にした方が安全です。

トランクルームの土地条件でよくある質問

Q. 第一種住居地域でもトランクルームは建てられますか?

用途地域名だけで一律に判断することはおすすめできません。

計画する施設が建築基準法上どの用途として扱われるか、規模や自治体の条例なども含めて確認する必要があります。

具体的な土地がある場合は、計画初期に自治体の建築担当窓口や設計者へ確認しましょう。

Q. 市街化調整区域でもトランクルーム経営はできますか?

市街化調整区域では建築や開発に強い制限があります。

条件によって扱いが異なるため、「土地があるから建てられる」とは考えず、自治体への事前確認が必要です。

Q. 農地にトランクルームを建てられますか?

農地をトランクルーム用地として利用する場合、農地転用の許可や届出などが必要になることがあります。

さらに都市計画法や建築基準法など、農地転用とは別の条件も確認する必要があります。

【関連記事】

農地転用の費用は誰が払う?地主と借主の負担・相場・注意点を解説

Q. 旗竿地でもトランクルーム経営はできますか?

計画できるケースはあります。

ただし、接道条件に加えて通路幅、車の出入り、搬入動線、消防・避難などを確認する必要があります。

奥の土地が広いというだけで判断しない方がよいでしょう。

Q. 前面道路が狭くても建てられますか?

道路の幅だけでは判断できません。

建築基準法上の道路に該当するか、接道条件を満たすか、セットバックが必要かなどを確認します。

また、建築できたとしても利用者の車が入りにくければ、経営上は不利になる可能性があります。

Q. コンテナなら建築確認は不要ですか?

「コンテナだから必ず不要」とは言えません。

倉庫として継続的に使用し、随時かつ任意に移動できない状態で設置する場合には、建築物として扱われることがあります。

【関連記事】

コンテナ型トランクルームは違法?建築確認が必要なケースと注意点

Q. 20坪くらいの土地でもできますか?

土地の形状、用途地域、建ぺい率・容積率、接道などによっては検討できます。

ただし、建築できても貸室数が少なく、事業として採算が合わない可能性があります。

狭小地ほど「何室つくれるか」だけでなく、総事業費とのバランスを見ることが重要です。

Q. 傾斜地でもトランクルームはできますか?

技術的に計画できる土地はありますが、造成や擁壁などの費用が問題になります。

建築可能性だけでなく、造成費を含めた総事業費で判断しましょう。

Q. 変形地はトランクルームに向いていますか?

向いているケースもあります。

小さな収納区画を組み合わせるため、土地形状に合わせやすい場合があるからです。

ただし、駐車・荷下ろし・通路などが確保できなければ、変形地であることが逆にデメリットになります。

まとめ|「建てられる」だけで土地活用を決めない

以上、トランクルームを建てられない土地とは?用途地域・接道・敷地条件を確認...というお話でした。

トランクルームを計画するなら、最初に確認したいのは、

  • 用途地域
  • 市街化調整区域
  • 接道
  • 農地転用
  • 建ぺい率・容積率
  • 間口・土地形状
  • 高低差・造成
  • 排水・浸水リスク

などです。

トランクルームは変形地や狭小地など、一般的な土地活用では使いにくい土地でも計画できる可能性があります。

しかし、「建築できる土地だからトランクルームを建てる」という判断はおすすめできません。

建築できることを確認したら、次に周辺需要を調べ、さらに建築費・造成費・運営費を含めて採算を確認します。

建てられるか。
埋まるか。
採算が合うか。

この3段階で判断するのが基本です。

条件が合わなければ、無理にトランクルームを建てる必要はありません。

駐車場や貸地なども含めて、その土地に合った活用方法を比較することが、長く安定した土地活用につながります。

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