月極駐車場が埋まらないなら値下げする?賃料を見直す判断基準

月極駐車場が埋まらないなら値下げする?

月極駐車場の空きが続くと、「賃料を下げた方がいいのでは?」と考えるオーナーは多いでしょう。
ただし、原因がWEB掲載や看板、区画の使いにくさなら、値下げしても契約につながらない場合があります。
この記事では、月極駐車場の賃料を下げるべきケースと、下げる前に確認したい判断基準を解説します。

目次

結論|問い合わせがないなら、いきなり値下げしない

月極駐車場が埋まらないとき、最初に値下げを考える必要はありません。

まず確認したいのは、

  1. 周辺相場より高くないか
  2. 問い合わせ自体があるか
  3. 区画条件に弱点がないか
  4. 初期費用が高くないか
  5. 周辺の月極需要が弱くないか

という点です。

特に重要なのが、問い合わせがあるかどうかです。

たとえば、

3か月空いていて問い合わせ0件

なら、賃料より先に、

  • WEBで見つけてもらえていない
  • 看板が分かりにくい
  • 周辺需要が弱い

といった原因を疑った方がよいでしょう。

一方、

問い合わせは何件もある
現地も見てもらっている
それでも契約されない

という場合は、賃料や初期費用、区画条件が原因になっている可能性があります。

【関連記事】月極駐車場が埋まらない7つの原因|空車が続く理由と改善方法

月極駐車場の値下げを考える前に見るべき3つの数字

賃料を下げるか判断するときは、「なんとなく高い気がする」ではなく数字で考えた方が分かりやすくなります。

まず確認したいのは、

現在の月額賃料
周辺相場
空車期間

の3つです。

現在の月額賃料

まず、自分の駐車場が現在いくらで募集されているか確認します。

管理会社へ任せている場合は、

WEB上の募集賃料
現地看板の賃料
実際の契約条件

が一致しているかも確認しましょう。

昔の料金がそのままWEBに残っていたり、現地看板だけ違う料金になっていたりすると、利用者が混乱します。

周辺相場

次に、近隣の月極駐車場と比較します。

見るのは月額賃料だけではありません。

  • 舗装か砂利か
  • 屋根があるか
  • 区画が広いか
  • 出入りしやすいか
  • 駅や住宅から近いか
  • 車種制限があるか
  • 初期費用はいくらか

なども確認します。

たとえば自分の駐車場が月額10,000円で、近隣も10,000円なら一見相場通りです。

しかし、

近隣:舗装・広い・出入りしやすい
自分:砂利・狭い・出入口が使いにくい

なら、利用者から見れば自分の駐車場の方が割高に感じる可能性があります。

空車期間

最後に、どのくらい空いているかを確認します。

1か月空いている場合と、1年以上空いている場合では判断が違います。

空車期間が長くなるほど、

「今の賃料で待ち続ける方がよいのか」
「少し下げて契約を取る方がよいのか」

を比較する意味が大きくなります。

空車損失と値下げ額を比較する

値下げを考えるときに役立つのが、空車によって得られなかった収入と、値下げによる減収を比較する方法です。

たとえば、月額10,000円の区画が3か月空いているとします。

単純に考えると、

10,000円×3か月=30,000円

の月極賃料を得られない期間になります。

一方、月額10,000円を9,000円へ下げた場合、

1,000円×12か月=12,000円

年間では12,000円の減収です。

もし1,000円下げることで早く契約が決まり、長く利用してもらえるのであれば、3か月、4か月と空車を続けるより有利になる可能性があります。

ただし、これはあくまで考え方です。

1,000円下げれば必ず契約者が見つかるわけではありません。

原因が料金以外なら、値下げしても空車が続く可能性があります。

値下げするなら「何か月で元が取れるか」を考える

先ほどの例で考えてみます。

月額10,000円を9,000円へ下げると、毎月1,000円の減収です。

3か月空車を続ければ30,000円の機会損失です。

30,000円を月1,000円の値下げ額で割ると、

30か月

になります。

つまり、3か月空けたままにした30,000円は、月1,000円の値下げを2年半続けた金額に相当します。

このように考えると、

「1,000円下げるのがもったいない」

だけではなく、

「空車を続ける方がどれくらいもったいないか」

も見えてきます。

ただし、長期契約になる保証はありません。

実際には解約の可能性もあるため、あくまで判断材料の一つとして使いましょう。

周辺相場より高いなら値下げを検討する

値下げを検討しやすいのは、同じような条件の周辺駐車場より明らかに高い場合です。

たとえば、

自分:月額12,000円
近隣A:月額10,000円
近隣B:月額10,500円
近隣C:月額11,000円

で、設備や立地に大きな差がないなら、12,000円という料金が選ばれにくい原因になっている可能性があります。

高いこと自体が悪いわけではない

一方、周辺より高くても、それに見合う条件があれば問題ありません。

たとえば、

  • 屋根付き
  • 駅に近い
  • 区画が広い
  • 大型車対応
  • 出入りしやすい
  • 防犯設備がある

などです。

その場合は単純に周辺最安値へ合わせる必要はありません。

値下げ判断では、

価格差
だけでなく
条件差

を見ることが大切です。

問い合わせがあるのに契約されないなら料金を疑う

値下げを検討しやすいもう一つのケースが、問い合わせはあるのに契約されない場合です。

たとえば、

1か月に5件問い合わせ
現地確認もある
契約0件

なら、募集自体は見てもらえています。

この場合は、

  • 賃料
  • 初期費用
  • 区画サイズ
  • 出入りのしやすさ
  • 契約条件

など、問い合わせ後に分かる要素に原因がある可能性があります。

問い合わせ時に理由を聞けると判断しやすい

不動産会社へ募集を依頼しているなら、

契約に至らなかった理由は分かりますか?

と確認してみましょう。

たとえば、

「近くの駐車場より高かった」
「区画が狭かった」
「初期費用が高かった」

といった声が複数あれば、改善点が見えやすくなります。

同条件の競合だけ埋まっている場合も見直し候補

近隣に同じような月極駐車場があり、

競合は満車
自分は長期間空き

という状態なら、違いを比較してみましょう。

見るのは、

  • 賃料
  • 初期費用
  • 看板
  • WEB掲載
  • 区画サイズ
  • 舗装
  • 出入口
  • 契約条件

です。

料金だけが原因とは限りませんが、条件がほぼ同じなのに自分だけ高いなら、賃料見直しの優先度は高くなります。

値下げしなくてもよいケースもある

反対に、月極駐車場が埋まらないからといって値下げしなくてもよいケースもあります。

問い合わせ自体がない場合

問い合わせ0件なら、そもそも駐車場を見つけてもらえていない可能性があります。

その状態で、

10,000円→9,000円

へ下げても、誰にも見られていなければ効果は期待できません。

まずWEB掲載や現地看板を確認しましょう。

【関連記事】月極駐車場をWEBで募集する方法|ポータル掲載・写真・注意点を解説

【関連記事】月極駐車場の募集看板に何を書く?問い合わせを増やす見せ方・作り方を解説

周辺相場とほとんど差がない場合

自分の駐車場が月額10,000円、周辺も9,500〜10,500円程度なら、価格が大きく外れているとはいえません。

この場合は、

  • 駐車しにくい
  • 看板が分かりにくい
  • 写真が少ない
  • 契約条件が厳しい

など、別の原因を確認します。

区画が狭い・出入りしにくい場合

車を停めにくい駐車場は、少し値下げしただけでは選ばれにくい場合があります。

特に、

  • SUVが入らない
  • ドアが開けにくい
  • 前面道路が狭い
  • 切り返しが多い

といった問題です。

この場合は、値下げより、

軽自動車専用にする
区画線を見直す
対応車種を明確にする

といった方法の方が有効なことがあります。

周辺の月極駐車場も空いている場合

周辺の月極駐車場を見ても、

空きあり
募集中

が多いなら、地域全体で月極需要が弱い可能性があります。

この場合、自分だけ値下げすると一時的に契約を取りやすくなるかもしれませんが、周辺との値下げ競争になることもあります。

月極としての需要そのものが弱いなら、料金だけでなく別の貸し方も含めて考えた方がよいでしょう。

短期間の空車なら慌てて下げない

空きが出て数週間、1か月程度というだけで、すぐ値下げする必要はありません。

転勤や引っ越しなど、月極需要には時期による動きもあります。

また、前の契約者が退去した直後なら、募集が十分に行き渡っていないこともあります。

まずはWEB掲載や看板を整え、一定期間問い合わせ状況を見ることも大切です。

値下げした方がよい可能性が高いケース

ここまで確認して、価格が原因で選ばれていない可能性が高いなら、賃料の見直しを検討します。

特に、

  • 周辺相場より明らかに高い
  • 問い合わせ時に「高い」と言われる
  • 同条件の競合だけ埋まっている
  • 長期間空車が続いている
  • 空車損失が値下げ幅を大きく上回っている

といった場合は、値下げを検討する余地があります。

ただし、値下げは「とりあえず下げる」のではなく、周辺相場との差を埋めるために行う方が分かりやすいです。

いくら下げる?一気に大幅値下げしない

値下げ幅に一律の正解はありません。

たとえば月額10,000円の駐車場を、

10,000円→8,000円

と一気に下げれば、年間では24,000円の減収になります。

それで確実に満車になるなら意味がありますが、原因が価格以外なら大きく下げても空車が続く可能性があります。

そのため、まずは周辺相場を確認し、

相場より少し高い分を調整する

くらいから考える方がよいでしょう。

値下げ後は問い合わせ数の変化を見る

たとえば、

値下げ前:3か月問い合わせ0件
値下げ後:月3件問い合わせ

なら、価格が一つの障害だった可能性があります。

反対に、値下げしても問い合わせ0件のままなら、価格以外に原因がある可能性が高まります。

値下げ後は契約件数だけではなく、問い合わせ数の変化も確認しましょう。

恒久的に値下げする以外の方法もある

賃料を下げる方法は、毎月の料金を永久に下げるだけではありません。

たとえば、

  • 初月無料
  • 初期費用の一部軽減
  • 期間限定キャンペーン
  • 複数台契約の割引
  • 一定期間のみ割引

なども考えられます。

初月無料なら月額を維持できる

たとえば月額10,000円の駐車場で、

月額9,000円へ値下げ

すると、1年間で12,000円の減収です。

一方、

月額10,000円のまま初月無料

なら、初年度の減収は10,000円で、2年目以降は通常料金へ戻ります。

長く契約してもらえるなら、恒久的な値下げより収入を維持しやすい場合があります。

もちろん、短期間で解約されれば初月無料の負担が大きくなるため、契約条件とのバランスは必要です。

初期費用が高いなら月額ではなく初期費用を見直す

月額料金が相場内でも、契約時の負担が大きいと選ばれにくい場合があります。

たとえば、

月額9,000円+初期費用30,000円

月額10,000円+初期費用10,000円

なら、利用期間によっては後者の方が契約しやすく感じる人もいるでしょう。

そのため、

  • 敷金
  • 保証金
  • 仲介手数料
  • 事務手数料
  • 更新料

なども含めて比較します。

月額だけを下げる前に、契約時の総負担が高くなっていないかを確認しましょう。

既存契約者との価格差にも注意する

新規契約者だけ大幅に値下げすると、既存契約者との価格差が生まれます。

たとえば、

既存契約者:月額10,000円
新規契約者:月額8,000円

となれば、既存利用者が新しい募集条件を知ったときに不満を持つ可能性があります。

特に同じ広さ・同じ条件の区画なら、

「なぜ自分だけ高いのか」

と思われるかもしれません。

キャンペーンなら説明しやすい場合もある

その点、

新規契約者は初月無料
○月末までキャンペーン

のような期間限定条件なら、恒久的な賃料差より説明しやすい場合があります。

ただし、既存契約者との関係や募集方法によっても違うため、管理会社と相談しながら決めるとよいでしょう。

値下げより先にWEBと看板を改善する

月極駐車場の賃料を下げる前に、募集そのものが利用者へ届いているか確認しましょう。

WEB掲載がなく、看板も目立たない状態なら、値段以前の問題です。

まず、

地域名+月極駐車場
最寄り駅+月極駐車場

などで検索し、自分の駐車場が出てくるか確認してみましょう。

【関連記事】月極駐車場をWEBで募集する方法|ポータル掲載・写真・注意点を解説

現地看板も、

月極駐車場
だけではなく、
空きあり
月額○○円
問い合わせ先

が分かる状態にします。

【関連記事】月極駐車場の募集看板に何を書く?問い合わせを増やす見せ方・作り方を解説

値下げしても埋まらないなら「需要不足」を疑う

周辺相場まで値下げし、WEBや看板も改善したのに問い合わせが少ない。

この場合は、価格ではなく月極需要そのものが弱い可能性があります。

たとえば、

  • 近隣住宅に十分な駐車スペースがある
  • 周辺人口が減っている
  • 近くの会社や工場が移転した
  • 競合月極駐車場も空いている
  • 新しい大型駐車場ができた

といった状況です。

周辺も値下げしているなら価格競争に注意する

自分が値下げすると、近隣駐車場も値下げする可能性があります。

さらに自分が下げる。

この繰り返しになると、空き区画は多少減っても地域全体の賃料水準が下がってしまいます。

月極需要が少ない地域では、値下げを続けるだけでなく、別の需要を取り込む方法も考えた方がよいでしょう。

値下げしても埋まらないなら空き区画の使い方を変える

月極以外にも、駐車スペースの活用方法があります。

たとえば、

  • 法人の従業員用駐車場としてまとめて貸す
  • コインパーキングへ変更する
  • カーシェア会社へ貸す
  • 特Pなどで時間貸しする

といった方法です。

どれが向いているかは、空き台数と周辺需要によって変わります。

複数台が長期間空くならコインパーキングも候補

10台中5〜6台が長期間空いていて、近くに病院や商業施設などがあるなら、コインパーキング会社へ相談する方法があります。

時間貸し需要が強い地域なら、月極よりコインパーキングの方が合う場合もあります。

【関連記事】月極駐車場をコインパーキングに変える方法|手順・費用・運営方式を解説

カーシェア会社へ貸せる場合もある

駅やマンションの近くなら、カーシェア会社へ空き区画を貸せないか相談する方法もあります。

ただし、カーシェア会社が必ず借りてくれるわけではなく、事業者側の採算判断があります。

【関連記事】月極駐車場をカーシェア会社に貸す方法|借り上げてもらう条件・メリットを解説

1〜2台だけ空いているなら特Pも検討しやすい

月極駐車場の大半は埋まっていて、

10台中1台だけ空き
10台中2台だけ空き

という場合は、全面的に別用途へ変える必要はありません。

空いている区画だけを特Pなどで時間貸しする方法があります。

考え方としては、

月極募集を継続

契約者が決まるまで時間貸し

月極契約者が決まる

その区画の時間貸しを終了

です。

値下げしてまで月極契約を急いで取るより、

現在の月極賃料を維持しながら、空車期間だけ別の収入機会を作る

という考え方もできます。

【関連記事】月極駐車場の空き区画を特Pで貸せる?月極募集と併用する方法・注意点を解説

月極駐車場を値下げするか判断するチェックリスト

最後に、値下げ前に次の項目を確認してみましょう。

  • 周辺の同条件駐車場より高いか
  • 問い合わせは来ているか
  • 問い合わせ後に料金で断られているか
  • 空車期間が長くなっているか
  • 初期費用が高くないか
  • 区画サイズや出入りに問題がないか
  • WEBや看板で十分募集できているか
  • 周辺の月極駐車場も空いていないか
  • 値下げによる減収より空車損失の方が大きいか

複数項目に当てはまるなら、賃料を見直す価値があります。

反対に、

問い合わせがない
周辺相場と同程度
競合も空いている

なら、値下げ以外の対策を優先した方がよい可能性があります。

月極駐車場の値下げについてよくある質問

Q. 月極駐車場は何か月空いたら値下げした方がいいですか?

「○か月空いたら必ず値下げ」という一律の基準はありません。

空車期間だけでなく、問い合わせ数や周辺相場を合わせて判断します。

数か月空いていても問い合わせが増えているなら、もう少し様子を見る方法があります。

反対に長期間問い合わせがなく、周辺より高いなら早めに見直す価値があります。

Q. 1,000円下げるだけでも効果はありますか?

周辺との価格差が1,000円程度なら効果が出る可能性はありますが、必ず契約につながるわけではありません。

まず競合との条件差を確認しましょう。

Q. 既存契約者も値下げする必要がありますか?

必ず同時に値下げしなければならないとは限りませんが、同条件の区画で大きな価格差をつける場合は既存契約者への影響も考える必要があります。

恒久的な値下げではなく、新規契約時の期間限定キャンペーンなども選択肢です。

Q. 初月無料と月額値下げはどちらがいいですか?

長期契約が続けば、初月無料の方が月額料金を維持できるメリットがあります。

一方、利用者が毎月の支払額を重視しているなら、月額自体の値下げが選ばれやすい場合もあります。

周辺の募集条件と比較して決めましょう。

Q. 周辺より安いのに埋まらないのはなぜですか?

料金以外に原因がある可能性があります。

WEB掲載、看板、区画サイズ、出入りのしやすさ、契約条件、地域の月極需要などを確認しましょう。

安ければ必ず埋まるわけではありません。

Q. 値下げしても埋まらない場合はどうすればいいですか?

月極需要そのものが弱い可能性があります。

法人貸し、コインパーキング、カーシェア、特Pなど別の活用方法も比較してみましょう。

まとめ|値下げは価格が原因か確認してから判断する

以上、月極駐車場が埋まらないなら値下げする?賃料を見直す判断基準...というお話でした。

月極駐車場に空きがあるからといって、すぐ賃料を下げる必要はありません。

まず、

  • 周辺相場
  • 問い合わせ件数
  • 空車期間
  • 初期費用
  • 区画条件
  • WEB・看板の募集状況

を確認しましょう。

周辺より高く、問い合わせ後に料金を理由として選ばれていないなら、値下げを検討する価値があります。

一方、問い合わせ自体がほとんどないなら、料金ではなく募集不足や需要不足が原因かもしれません。

また、値下げによる年間減収と、空車が続くことによる機会損失を比較することも重要です。

それでも月極として埋まりにくい区画が1〜2台残るなら、月極賃料をむやみに下げるのではなく、契約者が決まるまで特Pなどで時間貸しする方法も比較してみるとよいでしょう。

【関連記事】月極駐車場の空きを埋める施策5つ|募集・料金・WEB掲載・時間貸しまで解説

【関連記事】月極駐車場の空き区画を特Pで貸せる?月極募集と併用する方法・注意点を解説

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