実家が遠方で管理できない!空き家をどうする?現実的な管理方法を解説

実家が遠くて管理できない

親の施設入居や相続などで実家が空き家になったものの、自宅から遠くて頻繁に見に行けない。

「月に何回見に行けばいい?」「電気や水道は残す?」「管理業者へ頼んだ方がいい?」と悩む方も多いでしょう。

この記事では、遠方の実家をすぐ売らずに残す場合を中心に、自分で管理する方法、管理代行サービス、売却を考えるタイミングまで解説します。

目次

結論|遠方の実家は「自分ですべて管理する」必要はない

実家が遠方にあると、

「毎月帰らないといけないの?」

「管理できないなら売るしかない?」

と思うかもしれません。

しかし、必ずしも自分ですべて管理する必要はありません。

実家までの距離や建物の状態に応じて、家族や業者を組み合わせて管理する方法があります。

大まかに分けると次のようになります。

実家との距離・状況管理方法の例
月1回程度帰れる自分や家族を中心に管理
数か月に1回程度しか帰れない自分+庭などを部分的に業者へ委託
ほとんど帰れない空き家管理サービスを検討
今後誰も使う予定がない売却・賃貸なども比較

親が施設へ入ったばかりであれば、今すぐ実家を売るか決められないこともあるでしょう。

その場合は、無理に結論を急ぐ必要はありません。

ただし、

「売るか決まっていない=何もしなくていい」

ではありません。

今後の方針が決まるまで、最低限の管理を続けることが大切です。

遠方の実家を放置すると起こりやすい5つの問題

実家が遠いと、

「次に帰ったときに見ればいいか」

となりがちです。

しかし、空き家で問題なのは、異常が起きても誰も気付かないことです。

特に次の5つには注意しておきましょう。

建物の異常に気付くのが遅れる

人が住んでいる家なら、

「天井にシミができた」

「雨樋から水があふれている」

「水道の様子がおかしい」

といった変化に気付きやすいでしょう。

ところが空き家では、次に訪問するまで異常に気付けないことがあります。

たとえば小さな雨漏りでも、発見が遅れれば天井や壁、下地などへ影響が広がる可能性があります。

また、台風や強風で屋根材が破損しても、遠方に住んでいるとすぐには確認できません。

遠方の空き家では、**「壊れること」以上に「壊れたことに気付くのが遅れること」**が大きな問題です。

庭木や雑草で近隣トラブルになる

建物より先に問題になりやすいのが庭です。

特に春から夏にかけては草木が成長しやすく、

  • 枝が隣家へ越境する
  • 道路へ枝が張り出す
  • 落ち葉が隣家へ入る
  • 雑草が生い茂る
  • 枯れ木が倒れそうになる

といった問題が起こることがあります。

自分では「次の帰省時に草刈りをしよう」と思っていても、近隣住民にとっては毎日目に入る問題です。

遠方の実家では、建物内部よりも外から見える庭や外観の管理を優先するという考え方も必要です。

不法侵入や不法投棄に気付きにくい

郵便物が大量にたまり、庭も荒れていると、外から見ても長期間人が来ていないことが分かりやすくなります。

その結果、

  • 不法侵入
  • 空き巣
  • 不法投棄
  • 窓ガラスなどの破損

といった問題が発生しても、発見が遅れる可能性があります。

高額な防犯設備を必ず設置しなければならないわけではありませんが、郵便物を回収したり庭を整えたりして、明らかに放置されているように見せないことも大切です。

管理不全空家・特定空家につながる可能性がある

実家が空き家になっただけで、管理不全空家等や特定空家等になるわけではありません。

問題になるのは、適切に管理されない状態が続き、屋根・外壁・庭木・衛生状態などが悪化していくケースです。

たとえば、

「屋根材が落下しそう」

「外壁が剥がれている」

「庭木が道路へ大きく張り出している」

といった状態を長期間放置すれば、周囲への危険や悪影響も大きくなります。

どのような状態が問題になりやすいのかについては、別記事で具体例をまとめています。

【関連記事】特定空家・管理不全空家になる具体例7選|どんな状態なら指定される?

固定資産税へ影響する可能性がある

「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」

という話を聞いたことがある方もいるでしょう。

ただし、誰も住まなくなっただけで固定資産税が突然6倍になるわけではありません。

管理不全空家等や特定空家等について自治体から勧告を受け、住宅用地特例の対象から外れることが税負担に関係します。

また、実際の固定資産税額が必ず6倍になるという意味でもありません。

この部分をこの記事で詳しく説明すると「遠方の実家をどう管理するか」というテーマから外れてしまうため、制度についてはこちらで解説しています。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

遠方の実家で最低限やっておきたい管理8項目

では、遠方にある実家では具体的に何を確認すればよいのでしょうか。

毎回大掃除をする必要はありません。

重要なのは、建物や敷地に異常が起きていないかを定期的に把握することです。

帰省したときには、次の8項目を中心に確認すると分かりやすいでしょう。

建物の外観を確認する

まずは家の周囲を一周します。

見るところは、

  • 屋根
  • 外壁
  • 雨樋
  • 玄関
  • 塀・フェンス

などです。

特に「前回と変わっているところがないか」という視点で見ると異常を見つけやすくなります。

屋根については無理に上る必要はありません。

道路や敷地から見える範囲で確認し、異常が疑われる場合は専門業者へ相談しましょう。

郵便物やチラシを回収する

郵便受けから郵便物があふれていると、長期間誰も来ていないことが分かりやすくなります。

重要な通知を見落とす可能性もあります。

長期間実家へ行けないなら、必要に応じて郵便物の転送なども検討しましょう。

親が施設へ入った場合には、実家の郵便物をどうするかも早めに決めておきたい項目です。

庭木・雑草を確認する

庭については、

  • 隣地への越境
  • 道路への張り出し
  • 枯れ木
  • 雑草
  • 落ち葉

などを確認します。

庭全体を毎回きれいにすることより、近隣へ迷惑や危険が及んでいないかを優先して確認するとよいでしょう。

遠方で頻繁に草刈りへ行けない場合は、庭だけ地元の業者へ依頼する方法もあります。

室内を換気する

長期間閉め切った家では湿気がこもりやすくなります。

実家へ行ったときには、天候や防犯面に問題がなければ窓を開けて換気します。

その際、

  • カビ臭くないか
  • 天井にシミがないか
  • 壁紙に異常がないか
  • 床が濡れていないか

なども一緒に確認しておきましょう。

「換気をするために行く」というより、換気しながら室内に異常がないか確認すると効率的です。

水道を残しているなら通水する

水道を契約したままにしている場合は、蛇口から水を流したりトイレを流したりしておきます。

長期間水を使わないと、排水口の水が減って下水の臭いや害虫が室内へ上がってくることがあります。

ただし、水道を止めるべきか残すべきかは、実家を今後どのように管理するかによっても違います。

電気やガスも含めた判断はこちらで詳しく解説しています。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

雨漏り・水漏れがないか確認する

天井や壁に新しいシミがないか、床が濡れていないか確認します。

水道を残している場合は、給水管周辺などにも異常がないか見ておきましょう。

水漏れが発生したまま数か月気付かないという事態は、遠方の空き家では避けたいところです。

玄関・窓の施錠を確認する

玄関だけでなく、

  • 勝手口
  • 掃き出し窓
  • 小窓
  • 物置

なども確認します。

窓ガラスが割れていたり鍵が壊れていたりする場合は、そのまま放置しない方がよいでしょう。

台風・大雨・地震の後はできれば確認する

通常の管理とは別に考えたいのが災害後です。

「先月見に行ったから大丈夫」でも、その後に台風が通過していれば状況が変わっている可能性があります。

自分で行けない場合は、近くに住む家族や親族、管理業者などに外観だけでも確認してもらえる体制があると安心です。

実家はどのくらいの頻度で見に行けばいい?

「結局、月に何回帰ればいいの?」

という疑問もあるでしょう。

空き家について「必ず月○回確認すれば大丈夫」という一律の回数があるわけではありません。

建物の築年数や状態、庭の広さ、季節、地域の気候などによって必要な管理頻度は変わります。

一つの考え方として、月1回程度状態を確認できれば変化には気付きやすくなります

ただし、毎月自分で帰省する必要があるという意味ではありません。

たとえば、

1月:自分が帰省

2月:管理サービスに確認してもらう

3月:兄弟が帰省

という管理方法でも構いません。

大切なのは、誰が行くかではなく、長期間まったく誰も状態を確認しない期間を作らないことです。

また、台風や大雪などがあった場合には、通常の確認時期を待たずに外観だけでも確認できると安心です。

自分で管理するか空き家管理サービスを使うか

遠方の実家を管理するときに悩むのが、

「自分で帰省して管理するか、業者へ任せるか」

という点です。

自分で管理すれば業者への月額費用はかかりませんが、交通費や時間が必要です。

一方、管理サービスを利用すれば毎月費用はかかりますが、遠距離移動の負担を減らせます。

比較すると次のようになります。

比較自分・家族で管理空き家管理サービス
毎月の費用管理料は不要月額費用あり
交通費遠方ほど大きい基本的に不要
時間負担大きい小さい
室内確認自由にできる契約プランによる
写真報告自分で記録対応する会社あり
災害後の確認自分たちで対応オプション対応の場合あり
庭管理自分または別業者オプションの場合が多い
向いている人定期的に帰れる頻繁に帰れない

どちらが安いかは、実家までの距離によってかなり変わります。

管理サービスは「高い」とは限らない

たとえば、実家へ行くための交通費が往復1万円かかるとします。

毎月帰れば、

1万円×12回=年間12万円

です。

これにガソリン代、高速料金、食事代、場合によっては宿泊費などが加わります。

さらに往復に何時間もかかれば、時間的な負担もあります。

一方、空き家管理サービスには、外観確認だけの比較的安価なプランから、室内確認や換気・通水まで行うプランがあります。

そのため、

「業者へ頼む=余計な出費」

とは限りません。

自分で帰省した場合の交通費や時間まで含めて比較すると、管理サービスを利用した方が現実的なケースもあります。

空き家管理サービスでは何をしてくれる?

サービス内容は会社やプランによって違いますが、代表的なものとしては次のような管理があります。

外から建物を確認する

敷地内や道路側などから、

  • 外壁の破損
  • 屋根の異常
  • 窓ガラスの破損
  • 郵便受け
  • 庭木・雑草
  • 不法投棄

などを確認します。

比較的安いプランは、室内に入らず外観だけを確認するものが多いです。

「建物の中までは毎月見なくてもよいけれど、異常が起きていないかは把握したい」という人には向いています。

室内確認・換気

鍵を預けて、室内まで確認してもらうプランもあります。

窓を開けて換気したり、

  • 雨漏り
  • カビ
  • 異臭
  • 室内の破損

などがないか確認してもらいます。

ただし、換気時間や確認する部屋の範囲などはサービスによって違うため、契約前に確認しましょう。

通水

水道を残している実家なら、蛇口から水を流したりトイレを流したりするサービスがあります。

長期間使用していない排水口では封水が減って臭いが上がることがあるため、定期的な通水を含むプランもあります。

郵便物の確認

郵便受けに郵便物やチラシがたまっていないか確認します。

郵便物をまとめて保管したり、指定した場所へ転送したりするサービスもあります。

ただし重要書類の扱いなどは会社によって異なるため、郵便物をどこまで対応してくれるのか確認しておきましょう。

写真付きで報告してくれる

遠方に住んでいる人にとって便利なのが写真報告です。

たとえば、

「庭の雑草がこれくらい伸びています」

「外壁に新しいひびが見つかりました」

と写真で確認できれば、次の帰省まで待つべきか、すぐ業者を手配するべきか判断しやすくなります。

空き家管理サービスの費用はいくらくらい?

料金は会社、地域、管理内容によってかなり違います。

一般的には、

外観だけを確認する簡易プランなら月数千円程度から

室内への立入り、換気、通水などを含むプランなら月1万円前後以上

というサービスがあります。

ただし、

  • 草刈り
  • 庭木の剪定
  • 大掃除
  • 修繕
  • 台風後の臨時確認
  • 郵便物の転送
  • 緊急対応

などは別料金になることがあります。

「月額○円」という数字だけで選ばず、その料金で何をしてくれるのかを比較しましょう。

空き家管理サービスを選ぶときのチェックポイント

契約前には少なくとも次を確認しておきたいところです。

どこまで確認してくれるか

外観だけなのか、室内まで入るのか。

換気や通水まで行うのかを確認します。

月に何回訪問するか

月1回なのか、数か月に1回なのかによって料金も変わります。

写真や報告書をもらえるか

せっかく管理してもらっても、「特に問題ありませんでした」だけでは遠方から状態を把握しにくいことがあります。

写真付きで確認できるサービスは便利です。

異常発見時の対応

たとえば窓ガラスが割れていた場合、

「報告だけしてくれる」

のか、

「応急処置まで対応してくれる」

のかでも違います。

修理会社の手配まで可能か確認しておくと安心です。

鍵の管理方法

室内確認を依頼する場合には、家の鍵を預けることになります。

鍵をどのように保管・管理するのかも確認しましょう。

全部を管理会社へ頼む必要はない

空き家管理というと、

「毎月業者へ全部任せる」

か、

「全部自分でやる」

の二択に感じるかもしれません。

実際には、必要な部分だけ外注する方法もあります。

たとえば、

建物確認 → 3か月に1回自分で帰省

郵便物 → 自宅へ転送

庭 → 年数回、造園業者へ依頼

台風後 → 地元の管理業者に確認してもらう

といった方法です。

これなら毎月の管理サービス費用を抑えながら、自分で対応しにくい部分だけ任せられます。

庭だけ業者へ頼むのも現実的

遠方の実家では、室内よりも庭の管理が負担になることがあります。

建物は数か月に一度の確認でも大きな変化がない一方、夏場の雑草や庭木は短期間で伸びることがあるからです。

そこで、

「家の中は自分で確認するけれど、草刈りだけ地元業者へ頼む」

という方法もあります。

造園業者、シルバー人材センターなど、地域によって依頼先はさまざまです。

費用は庭の広さや作業量によって大きく変わるので、実際の状態を見てもらって確認するのがよいでしょう。

遠方の実家管理には年間いくらかかる?

実家を残すか売るか考えるときには、管理費を年間で計算してみると判断しやすくなります。

たとえば一例として、

項目年間費用のイメージ
固定資産税物件による
火災保険契約による
電気・水道の基本料金契約内容による
草刈り・庭管理数回分
帰省交通費距離・回数による
空き家管理サービス利用する場合
小修繕状態による

こうして計算すると、

「実家を持っているだけならそれほどお金はかからない」

と思っていたのに、年間ではそれなりの金額になる場合があります。

逆に、状態の良い家で固定資産税も低く、年に数回家族が帰省できるのであれば、しばらく残しておく負担はそれほど大きくないこともあります。

感覚ではなく年間コストで比較することがポイントです。

帰省費も実家の管理費として考える

意外と見落とすのが交通費です。

たとえば往復8,000円で年6回帰れば、交通費だけで年間4万8,000円です。

さらに高速料金、ガソリン代、場合によっては宿泊費もかかります。

もちろん帰省には親族に会うなど別の目的もあるので、全額を空き家管理費と考える必要はありません。

ただ、

「この家を維持するためだけにどの程度の時間とお金を使っているのか」

を一度計算してみると、売却するか残すかを判断する材料になります。

兄弟姉妹がいるなら管理方法と費用負担を決める

実家が遠方にある場合、

「長男だから管理する」

「一番近い人が全部やる」

という状態になると、後から負担感が大きくなる可能性があります。

実家を家族で残すのであれば、

  • 誰が現地確認するか
  • 草刈りを誰が手配するか
  • 固定資産税を誰が負担するか
  • 修繕費をどう分担するか
  • 緊急時の連絡担当は誰か

などを決めておくとよいでしょう。

たとえば、

「長男が現地管理する代わりに、兄弟3人で管理費を分担する」

といった方法も考えられます。

管理そのものより、担当者が曖昧な状態を避けることが大切です。

電気・ガス・水道を全部止めれば管理は楽になる?

実家が空き家になると、毎月の基本料金を節約するためにライフラインをすべて解約したくなるかもしれません。

ただし、管理方法によっては電気や水道を残した方が便利な場合があります。

たとえば、

  • 室内確認の照明
  • 防犯設備
  • 換気設備
  • 通水
  • 清掃

などです。

一方、ガスは今後使用しないのであれば停止を検討しやすいケースもあります。

どれを残すかは別記事で詳しく整理しています。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

「とりあえず1年残す」なら1年後の見直し日も決める

実家を今すぐ売れない場合、

「しばらくそのままにしておこう」

となることがあります。

この判断自体は悪くありません。

ただし、「しばらく」が5年、10年と続いてしまうと、その間ずっと管理費と手間がかかります。

そこでおすすめなのが、

「とりあえず1年間管理し、来年○月にもう一度家族で相談する」

というように、見直す時期を決めておくことです。

その時点で、

  • 親が自宅へ戻る可能性
  • 建物の状態
  • 年間管理費
  • 家族の利用予定
  • 売却価格

などをもう一度確認します。

「今すぐ売るか、永久に残すか」の二択ではなく、一定期間管理しながら判断するという方法もあります。

遠方の実家を売却した方がいいタイミング

実家を残すか売るかは、気持ちの問題もあるため簡単には決められません。

ただし、管理負担が大きくなってきたら、一度売却も含めて比較した方がよいでしょう。

特に次のような状態なら、売却を検討するタイミングです。

帰省や管理の負担が大きくなった

毎月のように遠方まで往復し、交通費や時間がかかっている場合です。

最初は、

「月1回くらいなら大丈夫」

と思っていても、何年も続くと負担になります。

仕事や子育て、介護などと重なると、さらに難しくなるでしょう。

修繕費が増えてきた

空き家でも建物は老朽化します。

屋根、外壁、雨樋、給排水などの修繕が増えてくると、

「この家を今後も維持する意味があるのか」

を考えるタイミングです。

修繕費をかけても将来誰も住まないのであれば、売却した方が結果的に負担を抑えられる場合があります。

親が自宅へ戻る可能性が低くなった

親の施設入居直後は、

「また実家へ戻るかもしれない」

と考えて家を残すことがあります。

しかし、時間が経って生活の拠点が施設へ移り、自宅復帰の可能性が低くなった場合には、実家の今後を改めて考えてもよいでしょう。

ただし、親名義の実家を売却する場合には、名義や本人の意思能力など別の問題があります。

【関連記事】施設に入った親の家を子どもが勝手に売れる?名義と認知症の注意点

家族の誰も使う予定がない

親も戻らない。

子どもも住まない。

賃貸に出す予定もない。

となれば、管理費を払い続けて保有する意味は小さくなっていきます。

「思い出があるから残したい」という気持ちは大切ですが、管理できない状態で放置することとは分けて考えましょう。

近隣から連絡が来るようになった

庭木の越境や雑草、外壁などについて近隣から連絡が来るようになったら、現在の管理方法では足りていない可能性があります。

管理頻度を増やす、業者へ任せる、売却するなど、今後の方針を見直すタイミングです。

売却する前に「今いくらで売れるか」だけ確認する方法もある

実家を売却するか迷っている段階でも、不動産会社へ査定を依頼することはできます。

査定をしたからといって、そのまま売却しなければならないわけではありません。

たとえば、

年間管理費:15万円

今後5年間の想定管理費:75万円

現在の査定価格:1,000万円

などが分かれば、

「あと5年間残すか」

「今売却するか」

を比較しやすくなります。

特に遠方の実家では、管理にかかるお金と時間を含めて判断することが重要です。

実家を売却した場合の査定価格をまとめて比較【いえかつLIFE】

実家を売る・解体する・活用するを比較

今後誰も住まない場合でも、選択肢は売却だけではありません。

大きく分けると、

  • そのまま管理する
  • 売却する
  • 賃貸する
  • 解体する
  • 土地活用する

などがあります。

そのまま管理する

親が戻る可能性がある、数年以内に家族が使う予定がある場合に向いています。

ただし、管理費や固定資産税、修繕費は続きます。

「残す」なら、誰がどこまで管理するのかを決めておきましょう。

売却する

今後誰も使う予定がなく、管理から離れたい場合には有力な方法です。

売却すれば、その後の固定資産税や空き家管理から離れられます。

ただし、一度売却すると取り戻すことはできません。

親が存命中の場合には、名義や本人の意思も確認が必要です。

【関連記事】親が老人ホームに入ったら実家は売るべき?売らない方がいいケースも解説

賃貸する

建物の状態がよく、賃貸需要がある地域なら、家を貸して家賃収入を得る方法もあります。

ただし、

  • 修繕
  • 入居者募集
  • 管理
  • 退去対応

などが必要です。

遠方の物件なら管理会社へ委託することを前提に考えた方が現実的でしょう。

解体する

建物の老朽化が著しく、今後使う予定もない場合には解体も選択肢になります。

ただし解体費用がかかります。

また、住宅を解体すると住宅用地特例がなくなり、土地の固定資産税負担が増える可能性があります。

「管理が面倒だから壊してしまおう」と税金を確認せず決めるのは避けた方がよいでしょう。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

土地活用する

建物を解体して駐車場などとして活用する方法もあります。

ただし、この記事を読んでいる人はそもそも遠方で管理できないことに困っているため、自主管理が必要な土地活用を始めると別の負担が増えてしまいます。

遠方の土地を活用するなら、

「収益性」だけでなく「管理をどこまで委託できるか」

を重視して選びましょう。

遠方の実家は「管理する期間」を決めると判断しやすい

売るか残すか迷っている場合には、永久に残す前提で考える必要はありません。

たとえば、

「親の施設入居後1年間は残す」

「次の更新時期まで管理する」

「来年の固定資産税通知が届いたらもう一度話し合う」

など、一定期間だけ保留する方法があります。

その間に、

  • 親の生活状況
  • 家族の利用予定
  • 建物の劣化
  • 年間管理費
  • 査定価格

を確認します。

1年後に状況が変わっていなければ、そのとき再び売却を検討すればよいのです。

「今すぐ決めない」と「ずっと決めない」は違います。

遠方の実家ほど、見直す時期を決めておくと放置を防ぎやすくなります。

よくある質問

Q. 遠方の実家は月に何回見に行けばいいですか?

法律上「月○回確認しなければならない」という一律のルールがあるわけではありません。

建物の状態や庭、地域の気候などによって必要な頻度は変わります。

一つの目安として月1回程度状態を確認できれば変化には気付きやすくなりますが、自分で毎月帰省する必要はありません。

家族や管理サービスを組み合わせてもよいでしょう。

Q. 空き家を半年放置するとどうなりますか?

半年という期間だけで必ず大きな問題が起きるわけではありません。

ただし、その間に台風、雨漏り、庭木の成長、不法投棄などがあっても気付けない可能性があります。

半年間まったく誰も確認しないより、途中で一度でも状態を確認できる体制を作っておく方が安心です。

Q. 実家の管理は兄弟の誰がするべきですか?

「長男だから」「一番近いから」と一人に負担を集中させる必要はありません。

誰が現地確認するか、費用をどう分担するかなどを家族で決めましょう。

現地対応する人と費用負担する人を分ける方法もあります。

Q. 空き家管理サービスはいくらくらいですか?

サービス内容や地域によって異なります。

外観確認だけなら月数千円程度から、室内確認・換気・通水などを含めると月1万円前後以上のプランもあります。

草刈りや修繕などは別料金になることがあるため、月額料金だけでなくサービス内容を確認しましょう。

Q. 空き家管理サービスでは家の中にも入ってくれますか?

室内確認に対応するプランもあります。

ただし、外観確認だけのプランもあるため契約内容によります。

鍵を預ける場合には、鍵の管理方法についても確認しておきましょう。

Q. 電気や水道は止めてもいいですか?

今後どのように実家を管理するかによって変わります。

照明、防犯設備、換気、清掃、通水などで使用するなら残した方が便利な場合があります。

詳しくはこちらの記事で解説しています。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

Q. 親が施設に入ったら実家はすぐ売った方がいいですか?

必ずしもすぐ売る必要はありません。

親が戻る可能性、家族が利用する予定、建物の状態などを確認して判断します。

ただし、売却を保留する間も管理は必要です。

【関連記事】親が老人ホームに入ったら実家は売るべき?売らない方がいいケースも解説

Q. 遠方の実家を放置すると固定資産税は6倍になりますか?

遠方に住んでいることや空き家になったことだけで固定資産税が6倍になるわけではありません。

管理不全空家等や特定空家等として勧告を受け、住宅用地特例の対象外になることが税負担に関係します。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

Q. 庭の草刈りだけ業者へ頼めますか?

可能な業者はあります。

造園業者や地域のシルバー人材センターなどに、草刈りや剪定だけを依頼する方法もあります。

建物管理は自分で行い、庭だけ外注するという組み合わせも現実的です。

Q. 相続した実家を誰も管理できない場合はどうすればいいですか?

まず、空き家管理サービスなどを利用して最低限の管理体制を作る方法があります。

今後誰も利用する予定がなく、長期的に管理を続けることも難しいのであれば、売却なども比較した方がよいでしょう。

まとめ|遠方の実家は「自分で全部やらない」管理方法を考える

以上、実家が遠方で管理できない!空き家をどうする?現実的な管理方法を解説...というお話でした。

実家が遠方にあるからといって、毎月自分で帰省してすべて管理する必要はありません。

大切なのは、

  • 誰が建物を確認するか
  • 郵便物をどうするか
  • 庭を誰が管理するか
  • 災害後に誰が確認するか
  • 費用を誰が負担するか

といった管理体制を決めておくことです。

自分で定期的に帰れるなら自主管理でもよいですし、難しい部分だけ庭業者や空き家管理サービスへ任せる方法もあります。

そして、

「まだ売るか決められない」

という段階なら、無理に処分を急ぐ必要はありません。

ただし、売却を保留することと放置することは別です。

「まず1年間管理して、来年もう一度家族で考える」という方法でも構いません。

一方で、交通費や管理費、修繕費が増え、家族の誰も今後使う予定がないのであれば、売却を検討するタイミングです。

その場合も、いきなり売却を決めるのではなく、

「今売ったらいくらになるのか」

だけ査定して、今後の管理費と比較する方法があります。

実家を売却した場合の査定価格をまとめて比較【いえかつLIFE】

遠方の実家は、「自分で管理する」「業者へ任せる」「売却する」のどれか一つに決める必要はありません。

状況に合わせて組み合わせながら、無理なく続けられる方法を選びましょう。

目次