特定空家・管理不全空家になる具体例7選|どんな状態なら指定される?

特定空家に認定されたケース

「実家が空き家になっているけれど、このままだと特定空家になる?」

親の施設入居や相続をきっかけに、そんな心配をしている方もいるでしょう。

特定空家等や管理不全空家等は、単に「誰も住んでいない」という理由だけで判断されるものではありません。この記事では、屋根・外壁・雑草・ゴミなど、問題になりやすい空き家の状態を具体例で紹介します。

目次

結論|普通に管理している空き家まで特定空家になるわけではない

まず知っておきたいのは、

空き家=特定空家 ではないということです。

たとえば親が老人ホームへ入り、実家に誰も住んでいなくても、定期的に家族が訪れて建物や庭を管理しているのであれば、「空き家だから」という理由だけで直ちに特定空家等になるわけではありません。

問題になりやすいのは、管理されない状態が続き、

  • 屋根や外壁が壊れている
  • 建物が傾いている
  • 庭木が道路や隣地へ伸びている
  • ゴミや害虫などで衛生状態が悪い
  • 周辺の生活環境へ悪影響を及ぼしている

といった状態になっているケースです。

また、現在は「特定空家等」になる前の段階として、管理不全空家等という仕組みも設けられています。

「倒壊しそうなほどボロボロではないから大丈夫」と考えるのではなく、適切な管理を続けることが大切です。

特定空家と管理不全空家の違い

まず2つの違いを簡単に整理しておきましょう。

区分状態のイメージ
通常の空き家誰も住んでいなくても適切に管理されている
管理不全空家等適切な管理がされず、このままでは特定空家等になるおそれがある
特定空家等倒壊・衛生・景観・周辺環境などで著しい問題がある

2023年の空家法改正によって管理不全空家等という区分が設けられました。

つまり現在は、危険性がかなり高くなってから対応するだけではなく、その一歩手前から管理改善を促す仕組みになっています。

なお、この記事では「どのような状態の空き家が問題になるのか」という具体例を中心に解説します。

固定資産税が上がる条件や「6倍」といわれる理由についてはこちらで詳しく解説しています。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

特定空家・管理不全空家になりやすい具体例7選

では、どのような空き家に注意すればよいのでしょうか。

ここから7つの具体例を見ていきます。

ただし、「この状態なら必ず特定空家等になる」という全国一律のチェックリストではありません。

建物の状態や周辺への影響などを踏まえて自治体が判断するため、自分の実家に似た状態がないか確認するための目安として見てください。

事例1|屋根瓦や屋根材が落ちそうになっている

最初に注意したいのが屋根です。

たとえば、

  • 瓦が大きくずれている
  • 屋根材が剥がれている
  • 軒先が垂れ下がっている
  • 屋根の一部が崩れている
  • 台風で破損した状態を放置している

といったケースです。

屋根の問題で特に重要なのは、周囲へ危険を及ぼす可能性があるかという点です。

屋根材が道路へ飛べば通行人に当たる可能性がありますし、隣家へ落下すれば建物や車などを傷つけるおそれもあります。

瓦が1枚ずれているだけで特定空家になる?

「瓦が少しずれていたら特定空家になるの?」

と心配する必要はありません。

瓦1枚のずれだけを理由に、一律に特定空家等になるというものではありません。

ただし、小さな破損を長期間放置すると雨水が入り、屋根下地や柱などの劣化につながることがあります。

空き家の場合、室内に人がいないため雨漏りにも気付きにくいのが問題です。

小さな破損を見つけた段階で補修しておく方が、結果的に修繕費も抑えやすくなります。

台風や大雨の後は確認したい

普段は問題がなくても、台風や大雨、強風によって急に屋根が破損することがあります。

空き家を管理しているなら、悪天候の後には外から屋根や雨樋などに大きな異常がないか確認しておくと安心です。

屋根へ自分で上るのは危険なので、異常が疑われる場合は専門業者へ確認を依頼しましょう。

事例2|外壁が剥がれている・建物が傾いている

次に注意したいのが建物本体の劣化です。

たとえば、

  • 外壁材が剥がれかけている
  • モルタルなどが落下している
  • 柱や梁が著しく傷んでいる
  • 建物が目に見えて傾いている
  • 基礎などに大きな損傷がある
  • 軒や庇が落ちそうになっている

といった状態です。

特に道路や隣地に近い建物では、外壁材などが落下したときに第三者へ被害を及ぼす可能性があります。

「自分の土地の中だから大丈夫」ではなく、敷地の外へ危険が及ぶ可能性があるかという視点で確認しましょう。

古い家だから特定空家になるわけではない

築40年、50年というだけで特定空家等になるわけではありません。

古い家でも適切に修繕・管理されている建物はたくさんあります。

反対に築年数がそれほど古くなくても、雨漏りや破損を長期間放置すれば劣化が進むことがあります。

見るべきなのは築年数そのものではなく、現在の建物の状態です。

事例3|庭木や雑草が伸びて道路・隣地へ影響している

実家の空き家で起こりやすいのが、庭の管理問題です。

人が住んでいた頃は定期的に草刈りや剪定をしていても、空き家になると急に管理されなくなることがあります。

たとえば、

  • 雑草が敷地全体を覆っている
  • 枝が隣地へ大きく越境している
  • 道路へ枝が張り出している
  • 枯れ木が倒れそうになっている
  • 草木によって害虫などが発生している

といった状態です。

雑草が伸びただけで特定空家になるわけではない

ここも誤解しやすいところです。

庭に雑草が生えているというだけで、直ちに特定空家等になるわけではありません。

問題は、その状態を放置した結果、周辺の生活環境へ悪影響を及ぼすようになっているかです。

たとえば夏場に少し草が伸びた程度と、何年も放置されて道路まで草木が覆っている状態では意味が違います。

「草が何cmならアウト」という単純な基準ではなく、周囲への影響まで考えましょう。

庭は建物より早く「放置」が分かりやすい

屋根の小さな雨漏りなどは外から分かりにくいですが、雑草や庭木は道路からでも確認できます。

そのため、

「長期間誰も管理していない家なのでは?」

と周囲から見ても分かりやすい部分です。

近隣トラブルを避ける意味でも、定期的な草刈りや剪定をしておきたいところです。

事例4|ゴミ・悪臭・害虫などで衛生状態が悪化している

建物そのものが倒壊しそうでなくても、衛生面で周辺へ悪影響が出ているケースがあります。

たとえば、

  • 敷地内に大量のゴミがある
  • 不法投棄されたゴミが放置されている
  • 悪臭が発生している
  • 害虫や害獣の問題が出ている
  • 排水などが適切に処理されていない

といった状態です。

空き家は人の出入りが少ないため、不法投棄されても気付くまで時間がかかることがあります。

最初は小さなゴミでも、

「ここなら捨てても分からない」

と思われると、さらに不法投棄が増える可能性があります。

自分が捨てたゴミでなくても放置しない

「自分が捨てたゴミではないから関係ない」

と思いたくなりますが、所有している空き家の管理という点では放置しない方がよいでしょう。

定期的に現地を確認し、不法投棄や異常がないか確認することが大切です。

ゴミが大量にある場合や処理方法が分からない場合には、自治体などへ相談しましょう。

ここまでの4事例で共通するのは「周囲への影響」

屋根、外壁、雑草、ゴミと状態は違いますが、共通しているのは、

空き家の敷地内だけで問題が完結しなくなっている

という点です。

屋根材が道路へ飛ぶ。

外壁が隣地へ落下する。

庭木が道路へ張り出す。

ゴミや害虫で近隣へ影響する。

このように周囲への危険や悪影響が大きくなるほど、単なる「古い空き家」では済まなくなります。

実家を売るか残すか決められない場合でも、周囲へ迷惑や危険が及ぶ状態だけは放置しないようにしましょう。

事例5|窓や玄関が壊れて誰でも侵入できる状態になっている

空き家で見落としたくないのが防犯面です。

たとえば、

  • 窓ガラスが割れたまま
  • 玄関ドアが壊れている
  • 鍵がかからない
  • 勝手口が開いたまま
  • 塀やフェンスが倒れている
  • 外から簡単に敷地や建物へ入れる

といった状態です。

建物そのものに大きな損傷がなくても、誰でも侵入できる状態を放置すると、不法侵入や不法投棄など別の問題につながる可能性があります。

人の出入りがなく、庭も荒れている空き家は「長期間管理されていない」と分かりやすいため注意が必要です。

防犯は「侵入された後」より「侵入されにくい状態」にする

空き家だからといって、高額な防犯設備を必ず設置しなければならないわけではありません。

まずは、

  • 玄関や窓の施錠確認
  • 割れた窓の補修
  • 郵便物の回収
  • 庭木や雑草の管理
  • 定期的な現地確認

などから始めます。

「誰も来ていない家」に見えないようにすることも大切です。

事例6|郵便物やチラシが大量にたまっている

実家が空き家になると意外に困るのが郵便物です。

郵便受けに、

  • 郵便物が大量にたまっている
  • チラシがあふれている
  • 玄関前まで広告が散乱している
  • 何か月も回収された形跡がない

といった状態になっていることがあります。

ただし、郵便物がたまっているだけで特定空家等になるわけではありません。

ここは誤解しないようにしましょう。

問題なのは、郵便物だけでなく庭や建物なども荒れ、長期間管理されていない状態が続くことです。

郵便物の放置は空き家だと知らせてしまう

郵便物やチラシがたまっていると、外から見ても人が住んでいないことが分かりやすくなります。

防犯上も好ましくありません。

親が老人ホームへ入った場合などは、早い段階で郵便物の転送や定期回収について決めておきましょう。

電気・ガス・水道などと一緒に、施設入居直後に整理しておきたい項目です。

【関連記事】施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説

事例7|相続した実家を誰も管理せず放置している

最後は、空き家の状態そのものではなく、管理する人が決まっていないケースです。

相続した実家では、このパターンに特に注意したいところです。

たとえば、親が亡くなって3人の子どもが実家を相続したとします。

長男は東京、次男は大阪、長女は福岡。

全員が遠方に住んでいて、

「誰かがたまに見に行っているだろう」

と思っているうちに、誰も実家へ行かなくなってしまいました。

半年、1年、2年と経過する間に、

庭木が伸びる

雨樋が壊れる

雨漏りが始まる

屋根や外壁の劣化が進む

近隣から自治体へ相談される

ということも考えられます。

最初から危険な空き家だったわけではありません。

「誰が管理するか決まっていなかった」ことが、結果として建物の状態悪化につながったケースです。

共有名義なら「誰かがやるだろう」に注意

兄弟姉妹で実家を相続すると、売却するか残すかについて意見がまとまらないことがあります。

結論が出るまで売らないという選択自体は問題ありません。

しかし、

売るか決まっていない=管理もしなくていい

ではありません。

処分方法を決めるまでの間も、

「月に一度は長男が確認する」

「庭は業者へ依頼する」

「台風後は近くに住む親戚に確認してもらう」

など、管理方法だけは決めておくことをおすすめします。

遠方で管理が難しい場合はこちらの記事も参考になります。

【関連記事】実家が遠方で管理できない!放置のリスクと現実的な対処法を解説

7つの事例を一覧で確認

ここまでの具体例をまとめます。

事例注意したい状態
屋根瓦・屋根材などが落下、飛散するおそれ
外壁・建物外壁の落下、著しい劣化や傾き
庭木・雑草道路や隣地への越境、周辺への悪影響
ゴミ・衛生悪臭、不法投棄、害虫・害獣など
窓・玄関破損して容易に侵入できる
郵便物大量にたまり長期間管理されていないことが分かる
相続後の放置管理担当者がおらず建物の劣化が進む

大切なのは、一つ該当したら即座に特定空家等になるということではありません。

たとえば郵便物が数日たまったことと、屋根や外壁が崩れそうな状態を何年も放置していることでは、当然意味が違います。

建物や敷地の状態と、それによって周辺へどの程度の影響が出ているかを考える必要があります。

「まだ大丈夫」と「そろそろ危ない」の違い

自分の実家を見て、

「これくらいなら大丈夫?」

と迷う方もいるでしょう。

大まかな考え方を整理すると次のようになります。

空き家の状態対応の目安
誰も住んでいないが定期的に管理今の管理を継続
雑草が少し伸びている草刈りなどを行う
郵便物がたまり始めている回収・転送方法を決める
庭木が隣地へ越境している早めに剪定
屋根・外壁に破損がある点検・補修を検討
窓が割れ侵入できる早めに補修・防犯対策
部材が道路へ落下するおそれ早急に専門業者へ相談
建物に著しい傾きや倒壊のおそれ自治体・専門家へ早急に相談

これはあくまで管理を考えるための目安で、特定空家等に該当するかを判定する表ではありません。

ただ、

「今すぐ売らないといけないか」ではなく、「今すぐ直す必要がある場所はないか」

という視点で実家を見ると判断しやすくなります。

自治体は空き家のどこを見て判断する?

「具体的に何個当てはまったら特定空家になるの?」

と思うかもしれません。

しかし、

「雑草が○cm以上なら特定空家」

「瓦が○枚落ちたら特定空家」

というような単純な全国共通ルールで決まるわけではありません。

空家法では、特定空家等について大きく、

  • 倒壊等、著しく保安上危険となるおそれがある
  • 著しく衛生上有害となるおそれがある
  • 適切な管理が行われず著しく景観を損なっている
  • その他、周辺の生活環境を守るため放置することが不適切

といった観点があります。

さらに現在は、放置すれば特定空家等になるおそれのある管理不全空家等についても対応する仕組みがあります。

そのため、家の古さや一部分だけではなく、建物・敷地の状態や周辺への影響などを踏まえて判断されると考えておきましょう。

近所から苦情が来たら特定空家になる?

近隣住民から、

「庭木がうちの敷地まで伸びています」

「屋根材が落ちてきそうで怖いです」

などと言われたからといって、それだけで自動的に特定空家等になるわけではありません。

ただし、近隣住民から自治体へ相談や情報提供が行われ、それをきっかけに空き家の状態が確認されることは考えられます。

そのため、苦情が来たときに大切なのは、

「特定空家にされるかもしれない」

と心配することより、指摘された問題が実際にあるか確認することです。

枝が越境しているなら剪定する。

外壁が落下しそうなら点検する。

ゴミがあるなら片付ける。

早い段階で対応すれば、近隣トラブルの拡大も防ぎやすくなります。

自治体から通知が来たらまず現状を確認する

自治体から空き家について通知や連絡が来た場合も、慌てる必要はありませんが放置は避けましょう。

まず、

「どの部分について改善を求められているのか」

を確認します。

可能であれば現地へ行き、指摘箇所を写真に残しておくと、その後業者へ相談するときにも役立ちます。

自分で判断できない建物の破損については、無理に補修せず専門業者へ相談しましょう。

また、改善した後にどのような対応が必要なのかも自治体へ確認しておくと安心です。

なお、自治体から勧告を受けた場合の固定資産税への影響については、別記事で詳しく解説しています。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

実家を特定空家・管理不全空家にしないため最低限やること

実家が空き家になったからといって、毎週のように掃除へ行ったり、大規模なリフォームをしたりする必要があるわけではありません。

大切なのは、「誰も管理していない状態」を作らないことです。

今後売却するのか、家族が使うのか決まっていない場合でも、最低限次のような管理は続けておきましょう。

  • 建物の外観を定期的に確認する
  • 郵便物やチラシを回収する
  • 雑草や庭木を管理する
  • 玄関・窓の施錠を確認する
  • 屋根や外壁に大きな破損がないか見る
  • 台風や大雨の後は異常がないか確認する
  • 不法投棄や不法侵入の形跡がないか見る
  • 必要に応じて換気や通水をする

すべてを自分で行う必要はありません。

実家が遠方にあるなら、親族や近隣に住む家族と分担したり、空き家管理サービスを利用したりする方法もあります。

特に重要なのは、異常が発生したときに誰が対応するのかを決めておくことです。

親が施設へ入ったばかりなら、まず管理担当を決める

親が老人ホームなどへ入居すると、それまで普通に生活していた実家が突然空き家になることがあります。

この場合、

「空き家になったから特定空家になるのでは?」

と過度に心配する必要はありません。

昨日まで親が生活していた家が、施設へ入っただけで急に危険な空き家になるわけではないからです。

むしろ最初に考えたいのは、

「これから誰が実家を見るのか」

ということです。

たとえば兄弟姉妹がいるなら、

「月1回は誰かが見に行く」

「庭の手入れは業者へ頼む」

「郵便物は長男宅へ転送する」

「台風の後は近くに住む家族が確認する」

など、簡単なルールを決めておくだけでも違います。

そして、実家を今後どうするかはその後に考えても構いません。

【関連記事】親が老人ホームに入ったら実家は売るべき?売らない方がいいケースも解説

売るか残すか決められなくても管理は必要

親の施設入居直後は、

「また自宅へ戻るかもしれない」

「親が生きているうちは売りたくない」

「兄弟で意見がまとまっていない」

など、すぐに実家の処分を決められないこともあります。

その場合、無理に結論を出す必要はありません。

ただし、

実家を残すことと、放置することは別です。

売却を1年間保留するなら、その1年間は管理する。

親が戻る可能性を考えて残すなら、戻れる状態を維持する。

将来相続してから考えるなら、それまで建物を安全に維持する。

このように考えると分かりやすいでしょう。

【関連記事】仏壇・庭・駐車場。親の家を今すぐ売らないならどうする?

遠方で実家を管理できない場合はどうする?

実家が車で10分の場所にある人と、新幹線や飛行機を使わなければ帰れない人では管理の負担がまったく違います。

遠方の実家を管理するためだけに毎月帰省するのは、交通費も時間もかかります。

その場合には、

  • 親族に確認をお願いする
  • 庭だけ造園業者へ依頼する
  • 空き家管理サービスを利用する
  • 定期的な管理を前提に売却時期を検討する

など、無理なく続けられる方法を考えましょう。

空き家管理サービスでは、外観確認、郵便物確認、換気、通水、写真による報告などを行っているところもあります。

重要なのはサービスを利用することそのものではなく、定期的に空き家の状態を把握できる仕組みを作ることです。

【関連記事】実家が遠方で管理できない!放置のリスクと現実的な対処法を解説

特定空家になるのが心配だからと急いで解体する必要はない

「管理するのが大変なら、家を壊してしまった方がいいのでは?」

と考える方もいるでしょう。

建物が著しく老朽化して危険な場合には、解体が現実的な選択肢になることもあります。

しかし、単に空き家になったという理由だけで急いで解体する必要はありません。

解体にはまとまった費用がかかりますし、住宅を解体すると土地に適用されていた住宅用地特例を受けられなくなる可能性もあります。

また、

「数年後に家族が住む」

「古家付き土地として売却する」

「リフォームして貸す」

といった選択肢を失うことにもなります。

まず建物の状態を確認し、

修繕して残す・売却する・賃貸する・解体する

などの選択肢を比較してから決めましょう。

固定資産税との関係はこちらで詳しく説明しています。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

よくある質問

Q. 誰も住んでいないだけで特定空家になりますか?

いいえ。

誰も住んでいないことだけを理由に特定空家等になるわけではありません。

誰も住んでいなくても、建物や庭が適切に管理され、周囲へ悪影響を与えていなければ、過度に心配する必要はありません。

Q. 庭の雑草が伸びたら特定空家になりますか?

雑草が生えているという一つの事情だけで一律に判断されるものではありません。

ただし、長期間放置して道路や隣地へ大きく広がったり、周辺の生活環境へ悪影響を及ぼしたりする状態になれば注意が必要です。

草刈りだけで済む段階で対応しておく方がよいでしょう。

Q. 屋根瓦が1枚ずれているだけでも対象になりますか?

瓦が1枚ずれているだけで必ず特定空家等になるというものではありません。

ただし、そのまま放置して屋根の劣化が進んだり、瓦が道路へ落下する危険が生じたりすれば問題は大きくなります。

小さな破損の段階で点検・補修することをおすすめします。

Q. 郵便物がたまっていると特定空家になりますか?

郵便物がたまっていることだけで特定空家等になるわけではありません。

ただ、郵便物やチラシが大量にたまっていると、長期間人が来ていないことが外から分かりやすくなります。

防犯上も好ましくないため、転送や定期回収を検討しましょう。

Q. 近所から苦情が出ると特定空家になりますか?

近隣から苦情があったという理由だけで、自動的に特定空家等になるわけではありません。

ただし、近隣からの相談をきっかけに自治体が空き家の状態を確認することは考えられます。

苦情があった場合には内容を確認し、越境した庭木や危険な外壁など実際に問題があれば早めに対応しましょう。

Q. 管理不全空家と特定空家は何が違いますか?

簡単にいうと、管理不全空家等は**「このまま放置すると特定空家等になるおそれがある状態」**です。

特定空家等は、倒壊などの保安上の危険、衛生、景観、周辺の生活環境などに著しい問題がある状態です。

現在は、特定空家等になる前の段階から適切な管理が求められる仕組みになっています。

Q. 親が老人ホームに入った実家も対象になりますか?

親が老人ホームへ入居し、実家に誰も住まなくなっただけで特定空家等になるわけではありません。

重要なのはその後の管理です。

定期的に建物や庭を確認し、異常があれば対応できる状態にしておきましょう。

Q. 相続した実家を放置するとどうなりますか?

最初は問題のない建物でも、長期間管理しなければ庭木、屋根、外壁、雨漏りなどの問題が徐々に発生する可能性があります。

兄弟姉妹で相続した場合には、「誰かが管理するだろう」と曖昧にせず、管理担当を決めておくことが大切です。

Q. 自治体から通知が来たら何をすればいいですか?

まず通知の内容を確認し、どこに問題があると指摘されているのか確認しましょう。

現地確認ができる場合には写真を撮り、建物の破損など自分で判断できない部分については専門業者へ相談します。

通知をそのまま放置しないことが重要です。

Q. 特定空家になると固定資産税は6倍になりますか?

「特定空家=必ず固定資産税が6倍」と単純に考えるのは正確ではありません。

管理不全空家等や特定空家等について自治体から勧告を受けると、住宅用地特例から外れる可能性があります。

また、実際の税額が必ず6倍になるわけでもありません。

詳しい仕組みはこちらの記事で解説しています。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

まとめ|空き家であることより「管理されているか」が重要

以上、特定空家・管理不全空家になる具体例7選|どんな状態なら指定される?...というお話でした。

特定空家等や管理不全空家等を考えるときに重要なのは、誰も住んでいないことそのものではなく、空き家がどのような状態で管理されているかです。

特に注意したいのは、

  • 屋根材などが落下するおそれがある
  • 外壁が剥がれたり建物が著しく傷んだりしている
  • 庭木が道路や隣地へ大きく越境している
  • ゴミ・悪臭・害虫などの問題がある
  • 窓や玄関が壊れて侵入しやすい
  • 郵便物などが放置され管理されていないことが分かる
  • 相続後に管理する人が決まっていない

といったケースです。

ただし、このうち一つに該当したからといって、必ず特定空家等になるわけではありません。

大切なのは、小さな異常をそのまま何年も放置しないことです。

親が施設へ入ったばかりなら、慌てて実家を売却したり解体したりする必要はありません。

まず「誰が実家を管理するか」を決め、今後売るのか、残すのか、貸すのかを家族で考えていきましょう。

そして、固定資産税への影響が気になる方は、次の記事で「いつから税負担が増える可能性があるのか」を確認してください。

【関連記事】空き家の固定資産税が6倍になるのはいつから?勧告される条件と回避策

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