月極駐車場をカーシェア会社に貸す方法|借り上げてもらう条件・メリットを解説

月極駐車場をカーシェア会社に貸す方法

月極駐車場に空き区画が続いているなら、カーシェア会社へ駐車スペースを貸す方法もあります。
ただし、空いている区画ならどこでも借り上げてもらえるわけではなく、立地や周辺需要、車の出入りのしやすさなどが重要です。
この記事では、月極駐車場をカーシェア会社に貸す方法と、借り上げてもらいやすい条件、メリット・注意点を解説します。

目次

結論|カーシェア会社へ貸すなら「立地・需要・契約条件」の確認が先

月極駐車場をカーシェア会社へ貸す場合は、次の流れで進めると分かりやすいです。

  1. 周辺にカーシェア需要がありそうか確認する
  2. カーシェア会社へ土地・区画情報を伝える
  3. 現地調査・審査を受ける
  4. 借り上げ条件や賃料を確認する
  5. 契約内容を確認する
  6. 車両設置・運用開始

ここで重要なのは、月極駐車場が埋まらないからといって、カーシェア会社なら必ず借りてくれるわけではないことです。

カーシェア会社にとって重要なのは、

「この場所に車を置けば、実際に会員が使ってくれるか」

という点です。

そのため、まずは自分の駐車場がカーシェア向きの立地かどうかを確認する必要があります。

【関連記事】月極駐車場が埋まらない7つの原因|空車が続く理由と改善方法

月極駐車場をカーシェア会社に貸すとは?

月極駐車場をカーシェア会社へ貸す場合、一般的にはカーシェア会社が駐車区画を借り、その区画にカーシェア車両を設置します。

利用者はカーシェア会社の会員として車を予約し、必要な時間だけ利用します。

つまりオーナーから見ると、

個人へ月極で1台分を貸す
のではなく、
カーシェア会社へ駐車区画を貸す

という形になります。

オーナー自身がカーシェア事業をするわけではない

カーシェア会社へ区画を貸す場合、通常はオーナー自身が車両を購入して貸し出すわけではありません。

  • 車両
  • 会員管理
  • 予約
  • 決済
  • 車両メンテナンス

などは、基本的にカーシェア事業者側が行います。

オーナー側は、駐車スペースを提供して契約条件に応じた賃料を受け取るという考え方です。

月極駐車場とカーシェア用地は収益の仕組みが違う

月極駐車場とカーシェア会社への貸し出しでは、借り手が違います。

比較項目月極駐車場カーシェア用地
主な借り手個人・法人カーシェア事業者
契約単位1台ごと1台〜複数台
利用者募集オーナー・管理会社カーシェア会社
収入月極契約による事業者との契約による
空きリスク契約者がいなければ空く事業者に採用される必要あり
日常管理月極契約管理契約内容による

月極駐車場の場合は、1台分空けば新しい契約者を探します。

一方、カーシェア会社へ貸す場合は、事業者に採用されれば一般の月極利用者を1人ずつ探す必要はありません。

そのため、複数台空いている駐車場では、空き対策の一つとして検討できます。

手順1|周辺にカーシェア需要がありそうか確認する

まず確認したいのは、周辺でカーシェアを使う人がいそうかどうかです。

カーシェアは、

「車を所有するほどではないが、必要なときだけ使いたい」

という需要と相性があります。

たとえば、

  • 駅周辺
  • マンションが多い地域
  • 賃貸住宅が多い地域
  • オフィス街
  • 住宅密集地
  • 車を所有しにくい地域

などは、検討対象になりやすいでしょう。

ただし、これらの条件があれば必ずカーシェア会社が採用するというわけではありません。

近くにカーシェアステーションがあるか確認する

オーナー自身でできる簡単な調査として、近隣のカーシェアステーションを確認する方法があります。

カーシェア各社の公式サイトやアプリなどで、周辺にどの程度ステーションがあるか見てみましょう。

既存ステーションが多い地域は需要がある可能性

近くに複数のカーシェアステーションがあるなら、事業者がその地域に一定の需要があると判断している可能性があります。

特に、

  • マンション周辺
  • 駅周辺
  • オフィス周辺

などに複数の車両が配置されているなら参考になります。

ステーションがない=チャンスとは限らない

一方、

「近くにカーシェアがないから競合がいない」

と考えるのは注意が必要です。

ステーションがない理由が、

まだ出店していない
のではなく、
需要が少ない

可能性もあるからです。

そのため、既存ステーションの有無だけでなく、周辺人口や住宅状況、駅との距離なども合わせて考えましょう。

手順2|カーシェア会社へ相談する

カーシェア需要がありそうなら、次に事業者へ駐車区画を提供できないか相談します。

相談時には、少なくとも次の情報を整理しておくとスムーズです。

  • 駐車場の所在地
  • 全体の台数
  • 空いている台数
  • 区画サイズ
  • 前面道路の状況
  • 出入口の幅
  • 現在の月極契約状況
  • 希望する貸し出し開始時期

写真や簡単な配置図があると、状況を伝えやすくなります。

現地調査では何を見られる?

カーシェア会社によって基準は異なりますが、一般的には、

  • 周辺の利用需要
  • 駅や住宅からの距離
  • 既存ステーションとの位置関係
  • 車両の出入りのしやすさ
  • 区画サイズ
  • 車両管理のしやすさ

などが判断材料になります。

たとえば駅に近くても、出入口が極端に狭かったり、駐車区画まで複雑な切り返しが必要だったりすると、使いにくい場所と判断される可能性があります。

カーシェア会社に借り上げてもらいやすい土地の条件

カーシェア会社への貸し出しでは、単に「駐車区画が空いている」だけでは十分ではありません。

利用者が使いやすい場所かどうかが重要です。

駅や住宅地に近い

カーシェアは、自宅から歩いて車を取りに行く使い方が中心です。

そのため、

  • 駅
  • マンション
  • アパート
  • 住宅街

などから歩きやすい場所は検討しやすくなります。

特に、集合住宅が多いのに各戸の駐車場が十分ではない地域は、カーシェア需要がある可能性があります。

出入りしやすい

カーシェアは毎回違う利用者が運転するため、出入りしやすさも重要です。

たとえば、

  • 前面道路が狭すぎない
  • 出入口が分かりやすい
  • 大きな段差がない
  • 電柱などが邪魔にならない
  • 切り返しが複雑ではない

といった条件です。

月極利用者なら一度慣れれば停められる場所でも、初めてカーシェアを使う人には扱いにくい場合があります。

24時間使いやすい

カーシェアは早朝や夜間に利用されることもあります。

そのため、

利用時間が大きく制限されない
夜でも場所が分かりやすい
周辺住宅への影響が過度に大きくない

といった点も重要です。

特に住宅地の中では、深夜早朝の車の出入りが近隣トラブルにつながらないかも確認しておきたいところです。

車両管理をしやすい

カーシェア車両は、配置したらそのままというわけではありません。

事業者側では、

  • 清掃
  • 点検
  • メンテナンス
  • 車両入れ替え

などを行います。

そのため、スタッフがアクセスしやすい場所であることも一つの条件になります。

何台からカーシェア会社へ貸せる?

「1台だけ空いているけれど貸せるのか?」と気になる方もいるでしょう。

結論からいうと、何台から採用されるかはカーシェア会社と立地条件によります。

1台でも検討対象になることは考えられますが、

1台なら必ず採用
複数台なら必ず採用

というものではありません。

カーシェア会社は、設置する車両がどの程度利用されるかを見て判断します。

月極駐車場の一部だけカーシェアにできる?

月極駐車場全体をカーシェア用地へ変更する必要はありません。

たとえば、

10台中8台が月極契約中
2台が空き

なら、空いている2台についてカーシェア会社へ貸せないか相談する方法があります。

この形なら、

8台分の月極収入は残す
+
空き2台だけ別用途にする

ことができます。

月極駐車場の空き対策では、全面的に用途を変えるより、空いている区画だけ別の需要へ対応する方が現実的なケースもあります。

カーシェア会社へ貸すメリット

カーシェア用地として採用されれば、月極とは違ったメリットがあります。

月極利用者を1人ずつ募集しなくてよい

大きなメリットは、一般の月極利用者を1台ごとに探す必要がなくなることです。

月極では、

解約
↓
募集
↓
問い合わせ
↓
契約

という流れを繰り返します。

カーシェア会社との契約であれば、採用された区画については一般利用者を募集する必要がありません。

複数区画が一度に埋まる可能性がある

カーシェア会社が複数台を設置する判断をすれば、複数の空き区画がまとめて埋まる可能性があります。

たとえば5台空いている駐車場で、2台分をカーシェア用地として貸せれば、残り3台だけを月極募集すればよくなります。

収入を把握しやすい契約もある

カーシェア会社との契約が固定賃料型であれば、毎月の収入を把握しやすくなります。

ただし、賃料や支払条件は事業者・土地条件・契約内容によって異なります。

「カーシェア会社なら月極より高く貸せる」

と決めつけず、現在の月極賃料と比較して判断しましょう。

カーシェア会社へ貸すデメリット・注意点

カーシェア会社へ月極駐車場の空き区画を貸す方法は、空車対策として有効な場合があります。

ただし、月極契約とは違う点もあるため、メリットだけでなく注意点も確認しておきましょう。

必ず借り上げてもらえるわけではない

最も重要なのは、空いている駐車場ならどこでも採用されるわけではないことです。

カーシェア会社は、

  • 周辺人口
  • 既存会員の利用状況
  • 駅や住宅との距離
  • 既存ステーションとの位置関係
  • 車両の出入り
  • 想定利用回数

などを見て採算性を判断します。

オーナー側から見ると条件が良さそうでも、事業者の基準に合わなければ採用されない場合があります。

月極より高く貸せるとは限らない

カーシェア会社への貸し出しは、

「法人に貸すから高い」
「一般の月極より必ず有利」

というものではありません。

賃料は立地や需要、台数、契約期間などによって変わります。

現在の月極賃料が高い地域では、カーシェア会社へ貸すことで収入が下がる可能性もあります。

逆に、長期間空いている区画であれば、多少賃料が低くても固定契約が入ることにメリットを感じるケースもあります。

比較するときは、

月極で満車になった場合の賃料
ではなく、
実際の空車期間を含めた収入

で考えると分かりやすいです。

契約期間と解約条件を確認する

カーシェア会社へ貸す場合は、契約期間も確認しておきましょう。

特に、

  • 契約期間
  • 更新方法
  • 解約予告期間
  • 中途解約
  • 原状回復
  • 車両・設備撤去

は重要です。

数年後に、

土地を売却したい
建物を建てたい
別の土地活用へ変更したい

という予定があるなら、長期契約が足かせになる可能性があります。

月極契約者なら比較的短期間で入れ替わることもありますが、事業者との契約は条件が異なる場合があります。

契約前に、

将来この土地を別用途に使う可能性はないか

まで考えておきましょう。

設備工事が必要になる場合もある

カーシェア会社へ貸す場合、駐車区画だけあればよいとは限りません。

事業者や運用方法によっては、

  • ステーション看板
  • 区画表示
  • 車止め
  • 通信設備
  • EV充電設備
  • 電源

などが必要になる場合があります。

設備費を誰が負担するのか、契約終了時に誰が撤去するのかも確認しておきましょう。

特にEV車両を配置する場合は、充電設備や電気工事が関係する可能性があります。

車の出入りが増えることにも注意する

カーシェア用地になると、同じ車を複数の利用者が入れ替わりで使います。

そのため、一般的な月極契約より、

出庫
返却
再出庫

の回数が増える可能性があります。

住宅のすぐ横にある駐車場では、

  • 深夜早朝の出入り
  • ドア開閉音
  • ライト
  • 利用者の話し声

などにも配慮が必要です。

必ずトラブルになるわけではありませんが、住宅密集地では周辺環境も確認しておきましょう。

カーシェア会社に断られたらどうする?

カーシェア会社へ相談して断られても、

「この駐車場には需要がない」

と決まったわけではありません。

カーシェア会社は、その会社の会員数や既存ステーション、車両運用など独自の基準で判断しています。

そのため、採用されなかった場合は、

  • 月極募集を改善する
  • 法人へまとめて貸す
  • コインパーキング化する
  • 駐車場シェアを使う

など、別の方法を比較してみましょう。

【関連記事】月極駐車場をコインパーキングに変える方法|手順・費用・運営方式を解説

カーシェアとコインパーキングはどう違う?

カーシェア会社へ貸す方法とコインパーキングでは、同じ時間貸し系でも仕組みが違います。

カーシェアでは、カーシェア会社の車両がその区画に常設されます。

コインパーキングでは、一般利用者が自分の車を停めます。

比較項目カーシェア用地コインパーキング
駐車する車事業者の車両利用者の車
オーナーの相手カーシェア会社運営会社または利用者
収入契約条件による借上げ・売上連動など
設備事業者・方式による精算機等が必要な場合あり
向く立地住宅・駅周辺など時間貸し需要の強い場所
空き区画の使い方車両を常設一般車両が入れ替わる

どちらが良いかは、

カーシェア車両を使いたい人がいるか
と
一般車両を一時駐車したい人がいるか

で変わります。

特Pとはどう違う?

特Pなどの駐車場シェアも、空き区画を活用する方法の一つです。

ただし、カーシェア会社へ貸す場合とは仕組みが大きく違います。

比較項目カーシェア会社特Pなどの駐車場シェア
相手事業者一般の駐車利用者
区画利用カーシェア車両を常設予約時間だけ利用
収入契約賃料など予約件数による
採用事業者判断サービス条件による
月極との併用空き区画を固定して使う空き区画を柔軟に使いやすい
元に戻しやすさ契約条件次第比較的調整しやすい

大きな違いは、区画を常時カーシェア会社へ貸すか、予約が入ったときだけ一般利用者へ貸すかです。

1〜2台だけ空いているなら特Pの方が試しやすい場合もある

たとえば10台ある月極駐車場で、

9台契約中
1台だけ空き

というケースを考えてみましょう。

この1台についてカーシェア会社へ相談する方法もありますが、事業者側が採用しなければ始められません。

一方、特Pなどの駐車場シェアなら、既存の空き区画を活用して時間貸しを検討できます。

特Pでは、自宅駐車場だけでなく月極駐車場の空き区画も登録を検討できます。既存の特Pガイドでも月極駐車場の空き区画を扱っています。

月極契約が決まったら戻しやすい

たとえば、

月極募集を継続
↓
空いている期間だけ特P
↓
月極契約者が決まる
↓
時間貸しを終了

という使い方ができます。

カーシェア会社へ区画を貸すと一定期間その区画を事業者用として確保する必要がありますが、駐車場シェアは空車期間の一時活用と相性があります。

【関連記事】月極駐車場の空き区画を特Pで貸せる?空車対策として使う方法と注意点

月極・カーシェア・コインパーキング・特Pを比較

空き区画の活用方法を整理すると、次のようになります。

方法向いているケース初期負担管理負担収入の特徴
月極長期の駐車需要がある小さい小さい契約中は固定的
カーシェア用地事業者が採用する立地比較的小さい場合あり小さめ契約条件による
コインパーキング時間貸し需要が強い契約方式による方式による利用量または借上げ
特P1〜数台の空き区画小さく始めやすい比較的小さい予約件数による

「どれが一番儲かるか」ではなく、

何台空いているか
どの程度空車が続いているか
周辺にどんな駐車需要があるか

で選ぶことが重要です。

カーシェア会社へ貸すのが向いているケース

カーシェア用地を検討しやすいのは、

  • 複数区画が長期間空いている
  • 駅や集合住宅が近い
  • カーシェア会社が出店候補として評価している
  • 一般の月極募集に手間をかけたくない
  • ある程度継続して区画を貸せる

といった場合です。

一方、

1台だけ一時的に空いている
近いうちに月極契約者が入りそう
土地を近いうちに別用途へ使いたい

なら、長期的に事業者へ貸す方法が合わないこともあります。

月極駐車場をカーシェア会社へ貸すときによくある質問

Q. カーシェア会社は1台だけでも借りてくれますか?

1台でも検討される可能性はありますが、採用するかどうかは事業者の判断です。

台数だけでなく、周辺需要や立地、既存ステーションとの関係などで決まります。

Q. 月極駐車場の空き区画だけ貸せますか?

空いている区画だけカーシェア用として提供する方法は考えられます。

10台すべてをカーシェア用地へ変更する必要はなく、空き区画について事業者へ相談できます。

Q. カーシェア会社への賃料はいくらですか?

一律の金額はありません。

地域の月極相場、立地、台数、需要、契約条件などによって変わります。

現在の月極賃料だけでなく、実際の空車期間も含めて比較しましょう。

Q. 契約期間はどのくらいですか?

契約期間は事業者や契約内容によって異なります。

将来の売却や建築予定がある場合は、契約期間だけでなく中途解約や解約予告期間も確認してください。

Q. 電気工事や設備工事は必要ですか?

通常の車両配置だけなら大掛かりな設備が不要な場合もありますが、看板や区画表示、EV充電設備などが必要になるケースもあります。

設備費や撤去費を誰が負担するのかも契約前に確認しましょう。

Q. カーシェア会社に断られたらどうすればいいですか?

月極募集の改善、コインパーキング、法人貸し、特Pなどの駐車場シェアを比較してみましょう。

カーシェア会社に採用されなかったことだけで、その土地の駐車需要がゼロとは判断できません。

Q. カーシェアと特Pはどちらが向いていますか?

ある程度長期間、特定区画を事業者へ貸したいならカーシェア会社への貸し出しが候補です。

一方、1〜2台の空き区画を月極契約が決まるまで活用したい場合は、特Pなどの駐車場シェアの方が柔軟に使いやすい場合があります。

まとめ|カーシェア会社へ貸すなら採用条件を先に確認する

以上、月極駐車場をカーシェア会社に貸す方法|借り上げてもらう条件・メリットを解説...というお話でした。

月極駐車場の空き区画をカーシェア会社へ貸すことができれば、一般の月極利用者を1人ずつ募集する手間を減らせる可能性があります。

特に、

  • 駅や住宅地に近い
  • 出入りしやすい
  • カーシェア需要が見込める
  • 複数区画が空いている

といった土地なら、事業者へ相談する価値があります。

ただし、カーシェア会社が必ず借り上げてくれるわけではなく、賃料も月極より高いとは限りません。

まずは事業者へ土地情報を伝えて条件を確認し、採用されなかった場合や1〜2台だけ空いている場合は、コインパーキングや特Pなど別の方法も比較してみましょう。

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