特Pの収入で経費にできるものは?固定資産税・通信費・設備費を解説

特Pの収入で経費にできるものは?

特Pで自宅駐車場を貸して収入が出ると、「固定資産税は経費にできる?」「スマホ代や防犯カメラ代も対象?」と気になる人もいるでしょう。

結論からいうと、特Pの収入を得るために必要だった支出は経費にできる可能性があります。ただし、自宅と共用している固定資産税や通信費などをそのまま全額経費にできるとは限りません。

この記事では、特Pオーナーが経費にできる可能性があるものと、家事按分や減価償却の考え方を分かりやすく解説します。

特Pの仕組みや始め方を全体から確認したい方は、完全ガイドも参考にしてください。

【関連記事】特Pで自宅駐車場を貸す完全ガイド|登録・収入・トラブルまで解説

目次

結論|特Pのために必要な支出は経費にできる可能性がある

特Pで駐車場収入を得るために必要だった費用は、必要経費として扱える可能性があります。

ただし、判断の基本は、

特Pで収入を得るために必要だった支出か

です。

自宅生活にも使っているものは、私用部分まで含めて全額経費にできるとは限りません。

代表的な支出を整理すると、次のようになります。

支出経費の考え方
特P関連の手数料経費になる可能性あり
駐車場用の看板・案内用品経費になる可能性あり
車止め・区画表示・簡易設備経費になる可能性あり
駐車場部分の修繕費経費になる可能性あり
固定資産税貸付部分を按分する場合あり
スマホ・通信費特P利用分を按分
電気代駐車場利用分を按分
防犯カメラ用途や金額による
自宅全体のリフォーム代原則として全額経費は難しい
私用スマホ・私用車の費用特Pと関係ない部分は対象外

「これは経費になる」「これはならない」と品目名だけで決まるのではなく、実際に特P運営のために使ったかどうかで考えることが大切です。

そもそも必要経費とは?

必要経費とは、収入を得るために直接必要だった費用や、その業務を行うために必要だった費用のことです。

たとえば、駐車場を貸すために区画表示を設置した、駐車場部分を補修した、予約管理のために通信費が発生したといった支出です。

一方で、自宅で普通に生活するために必要な費用まで経費になるわけではありません。

特Pのための支出と、家庭生活のための支出が混ざっている場合は、業務に使った部分だけを分けて考えます。

この考え方が「家事按分」です。

特Pで経費になりやすいもの

まずは、特P運営との関係を説明しやすい支出から見ていきましょう。

特Pの手数料

特Pでは、利用料金から所定の手数料が差し引かれます。

この手数料は、駐車場収入を得るために直接関係する費用です。

ただし、記帳するときは、

利用者が支払った利用料金を売上として計上して、手数料を経費にする

のか、

実際に受け取った金額をどう扱うか

について、取引明細と申告方法に合わせて整理する必要があります。

売上と手取りを混同しないようにしましょう。

【関連記事】特Pオーナーの手数料はいくら?売上・手取りを計算

看板・案内用品

特P利用者が駐車位置を間違えないように、オーナー自身で案内用品を購入することがあります。

たとえば、

  • 駐車位置を示すプレート
  • 区画番号
  • コーン
  • チェーン
  • 簡易看板
  • 駐車位置を示すシール

などです。

こうしたものを特P運営のために購入したのであれば、必要経費として説明しやすい支出です。

ただし、自宅の私用駐車場でも使っているものなら、利用状況によっては全額を経費にするのではなく、業務分を考える必要があります。

車止め・区画表示などの設備費

利用者が安全に駐車できるように、

  • 車止め
  • 区画ライン
  • 簡易ポール
  • チェーンポール
  • 案内表示

などを設置する場合があります。

特Pの貸出区画のためだけに設置したのであれば、経費になる可能性があります。

一方で、金額が大きい設備や長期間使うものは、購入した年に全額を経費にするのではなく、減価償却が必要になる場合があります。

「設備を買った=その年に全額経費」とは限らない点には注意しましょう。

駐車場の修繕費は経費にできる?

特Pで貸している駐車場部分の補修費も、必要経費になる可能性があります。

たとえば、

  • 駐車場床のひび割れ補修
  • 区画ラインの引き直し
  • 車止めの補修
  • 貸出部分の簡単な修理

などです。

ただし、単なる修理ではなく、資産価値を高めたり大規模に作り替えたりする工事は、修繕費ではなく資本的支出として扱われる場合があります。

たとえば、

傷んだ一部分を元の状態へ戻す補修

と、

全面舗装して駐車場全体の性能を大きく向上させる工事

では税務上の扱いが同じとは限りません。

高額な工事を行う場合は、税務署や税理士へ確認した方が安心です。

固定資産税は経費にできる?

特Pオーナーが特に気になるのが固定資産税でしょう。

自宅駐車場を貸している場合、固定資産税のうち貸付に対応する部分は、必要経費として扱える可能性があります。

ただし、

自宅全体の固定資産税をそのまま全額経費にする

のは通常考えにくいです。

自宅には、

住宅として使っている部分

と

駐車場貸付に使っている部分

があるためです。

そのため、実際には貸付に使っている部分を合理的に分けて考える必要があります。

【関連記事】自宅駐車場を貸すと固定資産税は上がる?住宅用地の特例と注意点を解説

自宅駐車場1台分ならどう按分する?

たとえば、自宅敷地が100㎡あり、そのうち15㎡程度を特Pの駐車スペースとして使っているとします。

この場合、

15㎡ ÷ 100㎡

という面積割合は、按分を考える一つの材料になります。

ただし、

15%なら固定資産税の15%を必ず経費にできる

と単純に決まるわけではありません。

特Pの場合、

平日昼間だけ貸す
土日だけ貸す
予約がない日は自宅で使う

といった使い方もあります。

そのため、面積だけでなく、貸付日数や自家利用との兼用状況なども含めて、実態に合った方法で考える必要があります。

重要なのは、

なぜその割合にしたのか説明できること

です。

スマホ代・通信費は経費にできる?

特Pでは、スマホを使って予約状況を確認したり、管理画面を操作したり、メールを確認したりします。

そのため、スマホ代や通信費の一部が必要経費になる可能性があります。

ただし、普段から私用でも使っているスマホなら、利用料金を全額経費にするのは難しいでしょう。

たとえば、

月額5,000円のスマホ代
のうち、
特P運営に使っている割合がごく一部

であれば、その実態に応じた割合だけを按分する考え方になります。

「特Pでスマホを使ったから50%」など、根拠なく大きな割合を設定するのではなく、実際の利用状況を説明できる範囲で考えることが大切です。

自宅Wi-Fi代も経費になる?

自宅のWi-Fiを使って特Pの管理画面や予約メールを確認している場合も、業務利用部分は経費になる可能性があります。

ただし、家族が動画視聴やネット利用などで日常的に使っている回線なら、全額を特Pの経費とするのは難しいでしょう。

スマホ代と同様に、

特P運営でどの程度利用しているか

をもとに合理的に按分します。

特Pだけのために専用回線を契約するケースは少ないため、自宅Wi-Fiについては少額の按分になることが多いでしょう。

電気代は経費にできる?

自宅駐車場で、

  • センサーライト
  • 駐車場照明
  • 防犯灯
  • 防犯カメラ

などを使用している場合、電気代の一部が特P運営に関係することがあります。

ただし、自宅全体の電気料金をそのまま経費にすることはできません。

専用メーターがない場合は、

設備の消費電力
使用時間
貸出日数

などを参考に、駐車場貸付に対応する部分を考えます。

金額が小さいからといって適当な割合を設定するのではなく、説明できる根拠を残しておくことが大切です。

防犯カメラは経費にできる?

特P利用者の車両確認や駐車場管理を目的として防犯カメラを設置した場合、必要経費になる可能性があります。

ただし、

特P専用で設置したカメラ

と、

自宅全体の防犯を目的にしたカメラ

では扱いが変わります。

もともと自宅防犯のために設置していたカメラを、特Pでも役立つからという理由だけで全額経費にするのは難しいでしょう。

一方、貸出区画を主に監視するため新たに設置したのであれば、特P運営との関連性は説明しやすくなります。

また、購入価格や設備の内容によっては、一括で経費にせず減価償却が必要になる場合があります。

【関連記事】自宅駐車場を貸すのは危ない?知らない車を停めるリスクと対策

設備費はすべて買った年に経費になるとは限らない

特Pのために設備を購入しても、その年に支払った金額をすべて必要経費にできるとは限りません。

長期間使用する高額な設備は、資産として計上し、使用できる期間に分けて経費化する「減価償却」の対象になる場合があります。

たとえば、

  • 防犯カメラ設備
  • 大型看板
  • 照明設備
  • 駐車場舗装
  • カーポート関連設備

などです。

一方で、少額な備品については購入した年に経費として処理できる場合もあります。

税務上は金額や設備の種類、申告方法などによって扱いが変わるため、高額な設備を設置した場合は個別に確認しましょう。

特Pで駐車場を貸し出そう

経費にしにくいもの

特Pで収入を得ているからといって、自宅に関する支出を何でも経費にできるわけではありません。

国税庁も、家事上の費用は必要経費にならず、家事関連費については業務上必要な部分を明確に区分できる場合に、その部分を必要経費にできるとしています。

自宅全体の固定資産税

自宅駐車場を特Pで貸していても、自宅全体の固定資産税をそのまま全額経費にするのは適切ではありません。

住宅として使っている部分は家事分なので、貸付に対応する部分を合理的に分けて考えます。

国税庁の申告手引きでも、貸付資産に関する固定資産税などについて、自用部分に対応する費用は必要経費にならず、貸付面積など適切な基準で按分するとしています。

自宅全体のリフォーム代

外壁塗装、浴室交換、キッチン改修など、特Pの駐車場貸付と直接関係しない自宅リフォーム費用は、通常は特Pの経費とは考えにくいでしょう。

「特Pをやっている家だから」という理由だけでは、駐車場収入との関係を説明できません。

一方、貸出駐車場の床補修など、特P運営との関係が明確な費用は別に考えます。

私用スマホや家族の通信費

特P管理に自分のスマホを使用している場合でも、私用部分まで経費にすることはできません。

また、特Pの管理に使っていない家族のスマホ料金まで経費にすることもできません。

通信費は「誰の契約か」だけではなく、実際に特P運営へどの程度使用しているかで考えましょう。

私用車のガソリン代や自動車費用

自宅駐車場を貸しているだけなら、普段使っている自家用車のガソリン代や車検代、自動車保険料などが自動的に特Pの経費になるわけではありません。

特P運営との直接的な関係がなければ、私生活のための費用です。

もともと自宅で使っていた設備

特Pを始める前から設置していたカーポート、照明、防犯カメラなどについても、「特Pで役立っているから」というだけで購入費をそのまま経費にできるとは限りません。

もともとの取得時期や用途、現在の業務利用割合などによって考える必要があります。

家事按分とは?

自宅駐車場を特Pで貸す場合に重要になるのが「家事按分」です。

自宅関連の費用には、

生活のための部分
と
駐車場貸付のための部分

が混在しやすいからです。

国税庁は、家事関連費について、業務分と家事分を貸付面積などの適切な基準で按分するとしています。

特Pで考えられる按分基準には、たとえば次のようなものがあります。

支出按分を考える基準の例
固定資産税貸付面積など
通信費業務利用割合
電気代使用時間・設備の消費電力など
防犯設備駐車場部分と自宅防犯部分の利用割合
共用設備面積・使用状況など

大切なのは、「何%までなら税務署に認められる」という一律の割合があるわけではないことです。

実際の利用状況に合った、合理的で説明できる割合を使いましょう。

固定資産税を面積だけで按分してもいい?

面積は分かりやすい按分基準の一つです。

たとえば、100㎡の自宅敷地のうち15㎡を駐車場として貸しているなら、15%という面積割合を参考にできます。

ただし、特Pではその15㎡を365日ずっと第三者へ貸しているとは限りません。

平日昼だけ貸して、夜間や休日は自宅で使っているなら、使用期間も考慮した方が実態に合う場合があります。

そのため、

面積だけで機械的に計算
ではなく、
実際の貸付状況に合った按分

を意識しましょう。

スマホ代は何%までなら経費にできる?

「スマホ代は30%なら大丈夫」「50%までは問題ない」といった一律のルールはありません。

特Pの予約確認を1日に数分行う程度なのか、他の副業にも頻繁に使っているのかによって利用実態は変わります。

たとえば、

毎月の通信費5,000円
そのうち特P管理に使う割合を10%と判断

したなら、

5,000円×10%=500円

を按分する、といった考え方です。

ただし、10%という割合にも「なぜ10%なのか」をある程度説明できるようにしておきましょう。

減価償却が必要な設備もある

防犯カメラ、照明設備、舗装など、長期間使用する設備については、購入した年に全額を必要経費にできない場合があります。

この場合は、資産として計上し、耐用年数に応じて少しずつ必要経費にする「減価償却」を行います。

なお、少額資産には別の取扱いがありますが、青色申告者向けの30万円未満の特例などは誰でも無条件に利用できる制度ではありません。国税庁も一定の青色申告者などについて要件を定めています。

特Pで数千円程度の備品を購入するケースと、数十万円かけて舗装や設備工事をするケースは分けて考えましょう。

経費を引くと特Pの「所得」はどう変わる?

特Pで税金を考えるときは、「売上」と「所得」を分けることが重要です。

基本的な考え方は、

収入-必要経費=所得

です。国税庁も事業所得について、総収入金額から必要経費を差し引いて所得を計算すると説明しています。

たとえば、年間の特P収入が60,000円だったとします。

内容金額
年間収入60,000円
必要経費20,000円
所得40,000円

この場合、60,000円すべてが所得というわけではなく、必要経費を差し引いた40,000円が所得を考える際の金額になります。

ただし、実際の所得区分や税額は他の収入状況などによって異なります。

【関連記事】自宅駐車場を貸した収入に税金はかかる?特Pオーナーの確定申告を解説

経費を引いて20万円以下なら確定申告は不要?

会社員の場合、「副業が20万円以下なら申告不要」と聞いたことがある人もいるでしょう。

一定の給与所得者については、給与所得・退職所得以外の所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要となる場合があります。20万円は売上ではなく、必要経費を差し引いた後の所得で考えるのがポイントです。

ただし、この20万円ルールには適用条件があります。また、所得税の確定申告が不要でも、住民税について別途申告が必要になる場合があります。

そのため、

年間売上20万円以下=何もしなくていい

とは考えないようにしましょう。

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領収書・明細は残しておく

経費にする支出は、あとから内容を確認できるよう記録を残しておきましょう。

たとえば、

  • レシート・領収書
  • ネット通販の購入履歴
  • クレジットカード利用明細
  • 固定資産税の納税通知書
  • 通信費の明細
  • 設備工事の見積書・請求書
  • 修繕費の請求書

などです。

家事按分した費用については、

固定資産税は貸付面積と利用期間から計算
通信費は特Pで使用する割合を10%とした

など、なぜその割合にしたのか簡単なメモも残しておくと分かりやすくなります。

特Pの収入が少額でも記録しておく

月に数千円程度の収入だからといって、年末まで何も記録しないのはおすすめできません。

売上や経費をまとめて思い出そうとすると、購入した備品や通信費などを忘れやすくなるからです。

難しい会計ソフトを必ず使う必要はありません。

少額の自宅駐車場シェアなら、まずは表計算などで、

日付
売上
支出
支出内容
按分した場合の金額

を記録しておくだけでも整理しやすくなります。

よくある質問

Q. 特Pで貸している自宅の固定資産税は全額経費にできますか?

自宅全体を特Pのためだけに使っているわけではないため、通常は全額をそのまま経費にするのではなく、貸付部分に対応する金額を合理的に按分して考えます。

Q. 自宅駐車場の面積割合だけで按分すればいいですか?

面積は按分基準の一つですが、平日だけ貸すなど自宅利用と兼用している場合は、利用日数や時間なども考慮した方が実態に合う場合があります。

Q. スマホ代は何%まで経費にできますか?

一律に何%までというルールはありません。特P管理に実際に使用している割合を合理的に算出します。

Q. 自宅Wi-Fi代も経費になりますか?

特Pの管理画面や予約確認などに使用している部分は経費になる可能性があります。ただし、家族の私用分を含めて全額経費にすることはできません。

Q. 防犯カメラは全額経費にできますか?

特P貸出区画専用であれば業務との関連性を説明しやすいですが、自宅全体の防犯も兼ねている場合は按分を検討します。購入金額などによっては減価償却が必要になることもあります。

Q. 駐車場の舗装費は一括で経費にできますか?

工事内容や金額によっては、その年の修繕費ではなく資産として計上し、減価償却する場合があります。高額な舗装工事は個別に確認した方が安心です。

Q. カーポート修理代は経費になりますか?

特Pで貸している部分に対応する修理であれば経費になる可能性があります。ただし、自宅利用と共用している場合は全額ではなく按分が必要になることがあります。

Q. 特Pの収入が少額でも領収書を残す必要がありますか?

経費として扱うのであれば、支出内容を確認できる領収書や明細などを残しておくことが大切です。

Q. 経費を引いたあと20万円以下なら確定申告は不要ですか?

一定の給与所得者では、給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要となる場合がありますが、適用条件があります。また、住民税の申告は別に確認する必要があります。

まとめ|「特Pのために必要だったか」を基準に経費を考えよう

以上、特Pの収入で経費にできるものは?固定資産税・通信費・設備費を解説...というお話でした。

特Pで収入を得るために必要だった手数料、案内用品、駐車場部分の修繕費、設備費などは必要経費になる可能性があります。

一方、固定資産税、スマホ代、Wi-Fi代、電気代、防犯設備など、自宅生活と共用している費用は、そのまま全額を経費にするのではなく、特P運営に使った部分を合理的に按分することが重要です。

判断するときは、

特Pの収入を得るために必要だったか
私生活にも使っていないか
按分した割合を説明できるか
長期間使う高額設備ではないか

を確認しましょう。

また、経費を差し引くことで所得は変わります。少額の収入でも、売上と経費を分け、領収書や明細、按分根拠を残しておくと確定申告時に整理しやすくなります。

税金の申告そのものについては、別記事で詳しく解説しています。

【関連記事】自宅駐車場を貸した収入に税金はかかる?特Pオーナーの確定申告を解説

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特Pで駐車場を貸し出そう

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