特Pの収入は確定申告が必要?20万円以下・経費・住民税まで解説

駐車場シェア収益の税金取り扱い

自宅の空き駐車場を特Pで貸して副収入を得ると、「少額でも確定申告が必要なの?」と気になる方も多いでしょう。

一定の給与所得者なら、給与・退職所得以外の所得が年間20万円以下で、所得税の確定申告が不要になる場合があります。ただし、20万円は売上ではなく「所得」で判断することや、住民税は別に考えることが重要です。

この記事では、特Pで駐車場を貸したときの確定申告について、自宅の駐車場を副業感覚で貸すケースを中心に分かりやすく解説します。

目次

特Pの収入は確定申告が必要?

最初に結論からいうと、

特Pで収入を得たからといって、すべての人が必ず所得税の確定申告をしなければならないわけではありません。

たとえば会社員など一定の給与所得者では、給与・退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる場合があります。

国税庁も、1か所から給与を受けている一定の給与所得者について、給与所得・退職所得以外の所得金額の合計が20万円を超える場合などを確定申告が必要なケースとして挙げています。

ただし、

「特Pの売上が20万円以下なら何もしなくていい」

という意味ではありません。

この20万円ルールにはいくつか注意点があります。

20万円は「売上」ではなく「所得」で判断する

ここは特に間違えやすいポイントです。

確定申告が必要か判断するときの「20万円」は、基本的に特Pから得た年間売上そのものではなく、収入から必要経費を差し引いた所得金額で考えます。

イメージとしては、

収入-必要経費=所得

です。

たとえば年間の駐車場収入が22万円あり、必要経費が3万円だったとします。

22万円-3万円=19万円

この場合、駐車場から生じた所得は19万円です。

ただし、

「19万円だから税金が0円」ではありません。

一定の給与所得者について、給与・退職所得以外の所得金額の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる場合があるという話です。

この違いはしっかり理解しておきましょう。

特P以外の副業所得も合計する

もう一つ注意したいのが、20万円の判定を特Pだけで考えないことです。

たとえば会社員が、

特Pの所得:8万円
別の副業所得:15万円

を得ていたとします。

特Pだけなら20万円以下ですが、給与・退職所得以外の所得金額を合計すると23万円になります。

そのため、

「特Pでは20万円も稼いでいないから申告不要」

とは判断できません。

akippaなど別の駐車場シェアも利用している場合も同様です。

先ほどの記事で紹介したようにakippaと特Pを併用しているなら、特Pだけを切り離して判断しないよう注意しましょう。

【関連記事】

akippaと特Pは併用できる?二重予約の注意点とどっちから始めるべきか解説

20万円ルールはすべての人に当てはまるわけではない

「副業は20万円までなら確定申告不要」

という話を聞いたことがある方も多いでしょう。

しかし、これは誰にでも当てはまる一律のルールではありません。

会社員など一定の給与所得者について、給与・退職所得以外の所得金額が20万円以下なら所得税の確定申告が不要になる場合がある、という制度です。

そのため、

  • 個人事業主
  • フリーランス
  • 専業主婦・主夫
  • 年金を受け取っている方

などについては、それぞれの所得や控除などを踏まえて確定申告の要否を判断する必要があります。

「20万円以下なら誰でも確定申告不要」と覚えない方がよいでしょう。

医療費控除などで確定申告するなら注意

会社員で特Pから得た所得が20万円以下なら、

「これで確定申告しなくていい」

と思うかもしれません。

ところが、その年に医療費控除などを受けるため確定申告をする場合は注意が必要です。

国税庁は、20万円以下で確定申告が不要とされる所得がある場合でも、還付申告などの確定申告を行う場合には、その所得も併せて申告する必要があると案内しています。

たとえば、

特Pの所得15万円

医療費控除を受けるため確定申告

という場合、

「特Pは20万円以下だから書かなくていい」

とはなりません。

確定申告するのであれば、対象となる所得を適切に申告する必要があります。

特Pの確定申告が必要か早見表で確認

自宅駐車場を特Pで貸す会社員をイメージすると、考え方は次のようになります。

ケース所得税の確定申告の考え方
特Pの所得が年間5万円一定の給与所得者なら不要になる場合あり
特Pの所得が年間15万円一定の給与所得者なら不要になる場合あり
特P15万円+他の副業10万円合計25万円なので申告が必要になる可能性あり
特Pの所得が年間25万円申告が必要になる可能性あり
特P所得15万円+医療費控除で確定申告特Pの所得も併せて申告
給与所得者ではない「20万円以下」だけで判断しない

※実際の確定申告の要否は、給与の受け取り方、その他の所得、各種控除などによって異なります。

この表から分かるように、

「特Pでいくら売れた?」だけでは確定申告が必要か判断できません。

まず、

  1. 年間収入はいくらか
  2. 必要経費はいくらか
  3. 所得はいくらか
  4. 特P以外の所得はあるか
  5. 自分は20万円ルールの対象になる給与所得者か
  6. ほかの理由で確定申告をするか

を確認します。

「月1万円くらいだから大丈夫」とは限らない

自宅駐車場を特Pで貸す場合、

「月に1万円くらいなら確定申告なんて関係ないでしょ」

と思う方もいるかもしれません。

月1万円なら年間収入は、

1万円×12か月=12万円

です。

特Pだけを見れば小さな金額です。

しかし、別の副業所得があれば合計して判断する必要があります。

逆に、特Pで年間25万円の売上があったとしても、20万円の判定では売上だけではなく必要経費を差し引いた所得を確認することが重要です。

ですから、

毎月の振込額だけを見るのではなく、年間の収入と必要経費を記録しておく

ことをおすすめします。

年間20万円以下でも住民税には注意

ここは非常に重要です。

所得税の確定申告について「20万円以下なら不要になる場合がある」と説明しましたが、

住民税まで自動的に申告不要になるとは限りません。

20万円ルールは、主に所得税の確定申告についての話です。

所得税の確定申告が不要でも、住民税について申告が必要になる場合があります。

国税庁も、所得税の確定申告が必要ない場合でも住民税の申告が必要になる場合があると案内しています。

「20万円以下=税金のことは何もしなくていい」ではない

たとえば一定の給与所得者で、

特Pの所得:年間10万円

だったとします。

所得税については20万円ルールによって確定申告が不要になるケースがあります。

しかし、

「所得税の確定申告不要=住民税についても手続き不要」

とは限りません。

住民税の申告方法や必要性については、お住まいの市区町村へ確認するのが確実です。

駐車場シェアを副業として始めるなら、

20万円を超えたかどうかだけ確認するのではなく、住民税は別に考える

と覚えておきましょう。

特Pを始めるなら売上と経費を記録しておく

ここまで読むと、

「駐車場をちょっと貸すだけなのに面倒そう……」

と感じるかもしれません。

しかし、自宅の駐車場1台分を小規模に貸すのであれば、最初から難しいことをする必要はありません。

まずは、

いつ、いくら収入があったか
何に、いくら経費を使ったか

を残しておくことが大切です。

特Pの売上・利用明細なども保存しておきましょう。

年末になってから1年間の数字を思い出そうとすると大変ですが、普段から記録しておけば年間所得も確認しやすくなります。

また、特Pは初期費用・月額費用・掲載料なしで駐車場を登録でき、実際に利用された場合にサービス手数料が発生する仕組みです。

そのため、

「まず自宅の駐車場を登録して、実際にどれくらい収入になるか試してみる」

という始め方もできます。

→特Pで駐車場オーナー登録を確認する

特Pの収入は何所得になる?

特Pで駐車場を貸して収入を得た場合、

「雑所得として申告すればいい?」

「駐車場だから不動産所得?」

と迷う方もいるでしょう。

ここは少し注意が必要です。

特Pを利用しているから一律に雑所得になるわけではありません。

駐車場から得た収入の所得区分は、土地の貸し方や管理状況、事業としての規模などによって判断が変わる可能性があります。

国税庁は駐車場などの所得について、自己の責任で他人の物を保管する場合は事業所得または雑所得、それ以外の場合は不動産所得になるという考え方を示しています。

そのため、

「特P=雑所得」と決めつけず、自分の貸し方に応じて判断する

ことが重要です。

不動産所得になるケース

国税庁は、不動産所得について「土地や建物などの不動産の貸付け」などから生じる所得としています。

駐車場についても、単に土地・スペースを貸し付けていると判断される場合には、不動産所得に該当する可能性があります。

たとえば、

「自宅の駐車スペースを利用者へ貸す」

という行為だけを見ると、土地の一部を利用させて収入を得ているとも考えられます。

ただし、実際の所得区分は契約内容や管理状況などを踏まえて判断する必要があります。

そのため、

「駐車場収入は全部不動産所得」

とも一律にはいえません。

雑所得になるケース

一方、国税庁はシェアリングエコノミーなどの副業に係る所得について、雑所得に該当する例を示しています。

会社員が本業とは別に、小規模な副業として収入を得ている場合などです。

特Pで、

「仕事へ行っている昼間だけ自宅駐車場を貸す」

「旅行で自宅を空ける日だけ貸す」

といった小規模な利用をしている方もいるでしょう。

こうしたケースでも、サービス名だけで雑所得と確定するわけではありません

契約内容や実態によって所得区分を判断する必要があります。

判断に迷う場合は、税務署や税理士へ具体的な貸し方を伝えて確認するのが確実です。

事業所得になる可能性もある

駐車場経営を相応の規模で事業として行っている場合などには、事業所得に該当する可能性もあります。

たとえば、

  • 多数の駐車区画を運営している
  • 継続的に事業として管理している
  • 駐車場経営を独立した事業として行っている

といったケースです。

ただし、

「駐車場が○台以上なら必ず事業所得」

と単純に決まるものではありません。

所得区分は事業の実態などを踏まえて判断されます。

自宅の空きスペース1台を特Pで貸している方が、いきなり大規模な駐車場経営と同じ扱いになると考える必要はありませんが、確定申告する場合は適切な所得区分を確認しましょう。

自宅1台分でも「必ず雑所得」とは限らない

特Pのような駐車場シェアについて解説する記事では、

「会社員の副業だから雑所得」

と説明されていることがあります。

しかし、税務上は、

会社員かどうかだけで所得区分が決まるわけではありません。

そのため本記事では、

「特Pで自宅駐車場を貸したら必ず雑所得」

とは断定しません。

確定申告が必要になった場合は、

  • どのような契約で貸しているか
  • 誰が駐車場を管理しているか
  • 利用者の車両を誰の責任で保管しているか
  • どの程度の規模で行っているか

などを整理したうえで確認しましょう。

特に収入が大きくなってきた場合や、複数の駐車場を運営するようになった場合は、税務署や税理士への相談をおすすめします。

特Pの「売上」「収入」「所得」はどう考える?

確定申告について調べていると、

売上
収入
所得
利益

など似たような言葉が出てきます。

特Pを副業として始めたばかりなら、

「結局、どの金額を見ればいいの?」

と思うかもしれません。

確定申告の要否を考えるうえで、特に重要なのが所得です。

基本的なイメージは、

収入金額-必要経費=所得金額

です。

売上と所得は同じではない

たとえば特Pで年間30万円の駐車料金売上があったとします。

30万円がそのまま所得になるとは限りません。

収入を得るために必要となった費用のうち、税務上必要経費として認められるものがあれば差し引いて所得を計算します。

仮に、

年間収入:30万円
必要経費:10万円

なら、

30万円-10万円=20万円

という計算になります。

この20万円が所得金額です。

ただし、実際に何を必要経費にできるかは、支出内容や駐車場の利用状況によって異なります。

「駐車場に関係ありそうだから全部経費」

という考え方ではありません。

特Pの手数料はどう考える?

特Pでは、オーナー向け公式案内で、駐車料金売上に対して30%のサービス手数料が発生するとしています。

たとえば利用者からの駐車料金売上が1,000円なら、

売上:1,000円
サービス手数料:300円
オーナー取り分:700円

というイメージです。

税務上の記帳では、サービスの精算明細などを確認し、

総額の収入とサービス手数料を分けて記録するのか、実際の精算方式に沿ってどう処理するのか

を確認することが重要です。

単純に銀行口座へ振り込まれた金額だけを見て年間収入を判断するのではなく、特Pの売上・精算明細を保存しておきましょう。

→特Pのオーナー向けサービス内容を確認する

特Pの所得を具体例で計算

もう少し具体的に考えてみましょう。

自宅の空き駐車場を特Pで貸して、年間の駐車料金売上が24万円だったとします。

仮にサービス手数料30%のみを必要経費として考えると、

年間売上:240,000円
サービス手数料:72,000円
差額:168,000円

となります。

さらに、その駐車場収入を得るために税務上必要経費として認められる支出があれば、それらも所得計算に関係する可能性があります。

ここで重要なのは、

「売上24万円だから20万円を超えた。すぐ確定申告が必要だ」

と判断しないことです。

一定の給与所得者に関する20万円ルールでは、売上ではなく所得金額を確認します。

反対に、

「銀行口座には16万8,000円しか入っていないから、それだけ記録すればいい」

と自己判断するのも避けた方がよいでしょう。

サービスの明細を保存し、年間の収入と必要経費を確認できる状態にしておくことが大切です。

特Pで必要経費にできる可能性があるもの

では、特Pで駐車場を貸す場合、どのような費用が必要経費になるのでしょうか。

必要経費の基本的な考え方は、

その収入を得るために直接必要となった費用か

という点です。

自宅で使った費用なら何でも経費になるわけではありません。

特Pのサービス手数料

まず分かりやすいのが、駐車場シェアサービスを利用するための手数料です。

特Pでは駐車場が利用された場合にサービス手数料が発生します。

駐車場収入を得るために必要な費用なので、所得計算をするときに重要な項目になります。

年間の手数料が分かるよう、売上・精算明細などを保存しておきましょう。

駐車場の清掃や草刈り費用

貸し出している駐車場を維持するために、

  • 清掃する
  • 雑草を刈る
  • ゴミを処分する

といった費用が発生することがあります。

これらについても、駐車場収入を得るために必要だった部分は必要経費に該当する可能性があります。

ただし、自宅敷地全体の草刈り費用をすべて駐車場シェアの経費にするなど、私生活部分まで含めるのは適切ではありません。

駐車場として貸している部分と自宅利用部分を区別して考える必要があります。

コーンや案内表示などの購入費

利用者に駐車位置を分かりやすくするため、

  • カラーコーン
  • 駐車番号表示
  • 案内プレート
  • 区画表示用品

などを購入することがあります。

特Pで駐車場を貸すためだけに購入したものであれば、必要経費として検討しやすい支出です。

領収書や購入履歴を保存しておきましょう。

防犯設備や照明

駐車場のために防犯カメラや照明などを設置するケースもあります。

こうした設備も事業との関係によって経費になる可能性がありますが、高額な設備については購入した年に全額を必要経費にできるとは限りません。

減価償却が必要になる場合があります。

特に自宅用の防犯カメラを駐車場シェアでも利用しているなど、私用と共用している場合は注意が必要です。

舗装工事はその年に全額経費になるとは限らない

特Pへ登録するために、

「砂利だった場所をコンクリートにしよう」

「駐車場をアスファルト舗装しよう」

と考える方もいるでしょう。

数十万円、数百万円かかる工事費を、

「今年の駐車場収入から全部引けばいい」

とは限りません。

工事内容によっては資産として扱い、耐用年数に応じて減価償却する必要があります。

大きな工事をした場合は、税理士や税務署などへ確認することをおすすめします。

自宅の費用を全部経費にはできない

自宅駐車場を貸している場合に特に注意したいポイントです。

たとえば、

  • 自宅全体の固定資産税
  • 自宅全体の火災保険料
  • 自宅全体の防犯設備
  • 自宅敷地全体の清掃費

などを、すべて特Pの必要経費にできるとは限りません。

自宅として使っている部分と、収入を得るために使用している部分が混在しているからです。

事業・貸付けに関係する部分を合理的に区分する必要があるケースがあります。

特Pで年間数万円程度の収入を得るために、無理に経費を増やそうとする必要はありません。

収入と実際にかかった費用をきちんと記録する。

まずはこれを基本にしましょう。

特Pの所得が20万円以下でも住民税に注意

特Pの確定申告で特に勘違いしやすいのが、

「年間所得が20万円以下なら税金について何もしなくていい」

という考え方です。

一定の給与所得者について給与・退職所得以外の所得が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる場合があります。

しかし、この20万円ルールは所得税の確定申告についての話です。

住民税まで自動的に申告不要になるわけではありません。

所得税の確定申告不要=住民税の申告不要ではない

たとえば会社員が自宅の駐車場を特Pで貸して、年間10万円の所得があったとします。

一定の条件を満たしていれば、所得税の確定申告は不要になる場合があります。

しかし、住民税については別途申告が必要になる場合があります。

「20万円以下だから何もしなくていい」と考えず、お住まいの市区町村で住民税の申告方法を確認しましょう。

なお、所得税の確定申告を行った場合は、その申告内容が自治体にも連携されるため、通常は同じ所得について住民税申告を別に行う必要はありません。

住民税はいくら増える?

特Pの副収入で住民税がどれくらい増えるのかも気になるところです。

住民税の所得割は一般に課税所得に対して合計10%が標準ですが、実際の住民税額は所得や控除、自治体などによって変わります。

そのため、

「特Pで10万円稼いだから住民税が必ず1万円増える」

と単純には計算できません。

重要なのは、少額の副収入でも住民税と無関係とは限らないということです。

特Pを始めたら、年間の収入と必要経費を記録しておきましょう。

住民税から会社に副業が知られることはある?

会社員の場合、

「特Pを始めたら会社に副業がバレる?」

と心配になる方もいるでしょう。

副業に伴って住民税額が変わることが、勤務先に副業を知られるきっかけとして挙げられることがあります。

ただし、

「住民税を普通徴収にすれば絶対に会社にバレない」

とは言い切れません。

所得の種類や自治体の取り扱いなどによっても異なります。

また、勤務先に副業規定がある場合は、税金とは別に会社の就業規則も確認しておきましょう。

【関連記事】

駐車場シェアの副業は会社にバレる?住民税と確定申告の注意点

特Pで自宅駐車場を貸すと固定資産税は上がる?

自宅の駐車場を特Pへ登録すると、

「駐車場として収入を得たら固定資産税が上がるのでは?」

と心配になるかもしれません。

ここは、

「特Pに登録しただけで必ず固定資産税が上がる」

とも、

「絶対に変わらない」

とも一律にはいえません。

土地の固定資産税では、実際の利用状況なども関係します。

特に注意したいのが、住宅用地に対する特例です。

自宅にすでにある駐車スペースを、使っていない時間だけ特Pで貸したからといって、それだけで固定資産税が必ず上がるとはいえません。
注意したいのは、自宅を解体して土地全体を駐車場にする場合など、土地の利用状況が大きく変わるケースです。
この場合は住宅用地の特例が適用されなくなり、土地の固定資産税負担が増える可能性があります。

自宅敷地の一部を貸すケースと更地活用は分けて考える

たとえば、

自宅の敷地内にある既存の駐車スペースを、自分が使わない時間だけ特Pで貸す

というケースと、

所有している更地を整備して駐車場経営を始める

というケースでは状況が違います。

自宅の敷地内にある駐車スペースを一時的にシェアするケースについては、特Pへ登録したという事実だけを見て固定資産税が必ず変わると判断するものではありません。

一方、住宅を取り壊して敷地全体を駐車場にするなど、土地の利用状況そのものが大きく変わる場合は注意が必要です。

住宅用地の特例とは?

住宅が建っている土地には、一定の要件を満たすと固定資産税の課税標準を軽減する住宅用地の特例があります。

代表的なのが小規模住宅用地で、住宅1戸につき200㎡までの部分について、固定資産税の課税標準が価格の6分の1となります。

そのため、

「古い家を解体して、全部駐車場にした方が儲かりそう」

という場合は、駐車場収入だけで判断しないことが重要です。

建物を取り壊すことで住宅用地の特例が適用されなくなり、土地の固定資産税負担が大きく変わる可能性があります。

自宅の空き駐車場1台を貸す話と、更地を本格的な駐車場へ転用する話は分けて考えましょう。

判断に迷ったら市区町村へ確認する

固定資産税は市町村税です。

自宅敷地の利用状況を変更する場合や、

「この使い方でも住宅用地として扱われる?」

と心配な場合は、土地が所在する市区町村の固定資産税担当部署へ確認するのが確実です。

特に、

  • 住宅を解体する
  • 庭を大規模に駐車場へ変更する
  • 隣接する土地も駐車場として利用する
  • 本格的な月極駐車場へ変更する

といった場合は、事前に確認しておきましょう。

特Pの駐車場収入に消費税はかかる?

もう一つ気になるのが消費税です。

「駐車場料金だから消費税がかかる?」

「個人でも消費税を納めるの?」

と疑問に思う方もいるでしょう。

ここでは、

駐車場料金そのものが消費税の課税対象になるか

という話と、

自分に消費税の納税義務があるか

という話を分けて考える必要があります。

駐車場として整備して貸す場合は課税対象になることがある

土地の貸付けは原則として消費税が非課税ですが、駐車場として施設を利用させる場合は扱いが異なります。

国税庁は、土地を駐車場として利用させる場合でも、駐車場として地面の整備やフェンス、区画、建物などを設けている場合には、消費税の課税対象になると説明しています。

そのため、

「土地を貸しているだけだから駐車場料金は必ず非課税」

とは考えないようにしましょう。

課税対象だから全員が消費税を納めるわけではない

一方で、取引が消費税の課税対象になることと、オーナー本人に消費税の納税義務があることは別の問題です。

消費税の納税義務は、

  • 基準期間の課税売上高
  • 特定期間の売上等
  • 課税事業者の選択
  • インボイス制度との関係

などによって判断します。

そのため、

「年間売上1,000万円以下なら必ず消費税は関係ない」

と一律にはいえません。

とはいえ、自宅の空き駐車場1台を特Pで貸して月数千円程度の副収入を得る方なら、最初から消費税だけを過度に心配する必要はないでしょう。

駐車場の規模が大きくなったり、ほかにも事業を行っていたりする場合には確認が必要です。

税金が心配でも特Pを必要以上に難しく考えなくていい

ここまで、

  • 所得税
  • 住民税
  • 固定資産税
  • 消費税

と説明してきたので、

「自宅の駐車場をちょっと貸すだけなのに、こんなに税金を考えないといけないの?」

と思った方もいるかもしれません。

しかし、自宅の1台分を副業感覚で貸すのであれば、まず押さえておきたいことはそれほど複雑ではありません。

最初は3つだけ意識しておく

初めて特Pを利用するなら、まずは次の3つを意識しておきましょう。

1.年間の収入を記録する

特Pからどれくらい売上が発生したか確認できるようにします。

2.必要経費の領収書や明細を残す

サービス手数料や、駐車場を貸すために実際に使った費用の記録を残します。

3.年末に年間所得を確認する

収入から必要経費を差し引き、所得金額を確認します。

会社員なら、特P以外の副業所得についても一緒に確認しましょう。

この3つを普段から意識しておけば、

「年末になって何も分からない」

という状況を防ぎやすくなります。

税金があるから駐車場シェアをやめる必要はない

特Pのような駐車場シェアは、

空いている自宅駐車場を使って小さな副収入を得る

という土地活用です。

アパート経営のように大きな借入れをして建物を建てる必要はありません。

もちろん、収入が発生すれば税金について確認する必要があります。

しかし、

「確定申告が難しそうだから登録しない」

と最初から諦める必要もありません。

まずは売上と経費を記録し、自分の年間所得を把握することから始めれば十分です。

特Pは初期費用・月額費用・掲載料なしで駐車場オーナーとして始められるため、

「うちの駐車場なら実際にどれくらい予約が入る?」

を試してから今後を考えることもできます。

→特Pで自宅の空き駐車場を登録してみる

特Pを始めたら保存しておきたいもの

特Pで自宅駐車場を貸し始めたら、確定申告が必要かどうかにかかわらず、収入と経費が分かる記録を残しておくことをおすすめします。

「今年は20万円もいかないだろう」と思っていても、ほかの副業所得が増えたり、医療費控除などで確定申告することになったりする可能性があります。

年末になって慌てないためにも、最初から記録する習慣をつけておきましょう。

特Pの売上・精算明細

まず保存しておきたいのが、特Pでどれくらいの売上が発生したのか確認できる記録です。

確認したいのは、

  • 駐車場の利用金額
  • 利用された日
  • サービス手数料
  • オーナーへの支払額

などです。

銀行口座への振込額だけでは、売上と手数料の内訳が分からなくなる可能性があります。

サービス上で確認できる売上・精算情報なども含め、後から年間収入を確認できるようにしておきましょう。

経費の領収書や購入履歴

駐車場を貸すために必要なものを購入した場合は、領収書や購入履歴も保存しておきます。

たとえば、

  • カラーコーン
  • 駐車位置を示すプレート
  • 清掃用品
  • 駐車場部分の草刈り
  • 案内表示

などです。

ネット通販で購入した場合は、注文履歴や領収書を保存しておくと確認しやすくなります。

ただし、領収書があるから必ず必要経費にできるわけではありません。

特Pによる収入を得るために必要だった支出なのか

という点が重要です。

高額な工事や設備の資料

駐車場を貸すために舗装工事や照明、防犯設備などを設置した場合は、見積書・請求書・領収書などを保管しておきましょう。

高額な設備や工事は、支払った年に全額を必要経費として処理できず、減価償却が必要になる場合があります。

「駐車場のために使ったから今年全部経費」

と自己判断しないよう注意してください。

年に一度は年間所得を確認する

毎月細かく税金を計算する必要はありませんが、少なくとも年に一度は、

年間収入-必要経費=所得

を確認しましょう。

会社員でほかにも副業をしている場合は、それらの所得も確認します。

特P単独では10万円でも、

特P:10万円
ほかの副業:15万円

なら、給与・退職所得以外の所得金額の合計は25万円になります。

「特Pだけ20万円以下だから大丈夫」と判断しないことが大切です。

特Pの確定申告についてよくある質問

Q. 特Pで月1万円くらいなら確定申告はいりませんか?

月1万円なら、単純計算で年間収入は12万円です。

ただし、確定申告が必要かどうかは月々の売上だけでは判断できません。

一定の給与所得者では、給与・退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる場合があります。

特P以外の副業所得がある場合は、それらも含めて確認しましょう。

また、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合があります。

Q. 年間20万円というのは売上ですか?利益ですか?

基本的には売上ではなく所得金額で判断します。

所得は、

収入-必要経費=所得

という考え方です。

たとえば年間25万円の収入があり、必要経費が7万円なら、所得は18万円となります。

ただし、20万円ルールが適用されるかどうかは本人の状況によって異なります。

「所得18万円=誰でも確定申告不要」という意味ではありません。

Q. 特Pとakippaを両方使っている場合は合算しますか?

確定申告の要否を判断するときは、特Pだけを見るのではなく、給与・退職所得以外の対象となる所得を確認する必要があります。

たとえば、

特Pの所得:12万円
akippaの所得:10万円

なら、合計22万円です。

特P単独では20万円以下でも、akippaなどほかの所得を含めると20万円を超えることがあります。

【関連記事】

akippaと特Pは併用できる?二重予約の注意点とどっちから始めるべきか解説

Q. メルカリなど別の副業収入も合算しますか?

給与・退職所得以外の所得が複数ある場合、20万円の判定ではそれらの所得金額の合計を確認します。

ただし、メルカリなどで自宅の古着や生活用品といった生活用動産を売却した場合など、そもそも所得税が課税されない取引もあります。

「入金されたお金をすべて副業所得として足す」という意味ではありません。

自分が行っている取引がどの所得に該当するのかを確認しましょう。

Q. 特Pの所得が20万円以下でも住民税の申告は必要ですか?

必要になる場合があります。

一定の給与所得者について所得税の確定申告が不要となる「20万円ルール」が適用されても、住民税まで申告不要になるとは限りません。

所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村で住民税の申告が必要か確認しましょう。

Q. 特Pのサービス手数料は経費になりますか?

特Pのサービス手数料は、駐車場収入を得るために発生する費用です。

所得を計算するうえで重要な支出となるため、売上・精算明細などを保存しておきましょう。

ただし、具体的な記帳方法や税務上の処理について不明な点がある場合は、税務署や税理士へ確認してください。

Q. 自宅駐車場を特Pで貸すと固定資産税は上がりますか?

特Pへ登録したという理由だけで、必ず固定資産税が上がるとは一概にいえません。

ただし、固定資産税は土地の利用状況などによっても扱いが変わります。

特に、

住宅を取り壊して敷地全体を駐車場にする

といった場合は注意が必要です。

住宅用地の特例が適用されなくなることで、土地の固定資産税負担が変わる可能性があります。

自宅敷地の利用方法を大きく変更する場合は、市区町村へ確認しましょう。

Q. 専業主婦・主夫でも20万円以下なら確定申告不要ですか?

「副業所得20万円以下なら確定申告不要」というルールを、そのまま専業主婦・主夫に当てはめることはできません。

20万円ルールは一定の給与所得者などを対象とした確定申告不要制度です。

給与収入がない方については、所得金額や所得控除など別の条件を踏まえて判断する必要があります。

「20万円以下だから大丈夫」と自己判断しないようにしましょう。

Q. 年金生活者でも20万円以下なら確定申告不要ですか?

年金を受け取っている方には、公的年金等に係る確定申告不要制度があります。

一定の条件を満たす場合に確定申告が不要となる制度ですが、会社員の副業に関する20万円ルールとまったく同じ考え方ではありません。

年金額や特P以外の所得などによっても変わるため、個別に確認しましょう。

Q. 特Pでほとんど予約が入らなかった場合も申告が必要ですか?

「特Pへ登録した」という事実だけで確定申告が必要になるわけではありません。

実際にどれくらいの所得が発生したかなどによって判断します。

そのため、

「登録したら税務手続きが一気に大変になるのでは?」

と必要以上に心配する必要はありません。

まずは実際の売上と経費を記録し、年間所得を確認しましょう。

Q. 税金について分からない場合はどこに相談すればいいですか?

所得税や確定申告について判断に迷う場合は、税務署や税理士などへ相談できます。

住民税については、お住まいの市区町村の住民税担当窓口へ確認する方法があります。

特に、

  • 所得区分が分からない
  • 複数の副業をしている
  • 大規模な駐車場経営をしている
  • 高額な舗装工事をした
  • 自宅と駐車場で共用する経費が多い

といった場合は、個別に確認した方が安心です。

駐車場シェアなら大きな初期投資をせず始められる

ここまで税金について説明してきましたが、特Pを検討している方に知っておいてほしいのは、

税金があるから駐車場シェアが難しい土地活用というわけではない

ということです。

アパートやトランクルームを建てる場合には、数百万円から数千万円規模の初期投資が必要になることがあります。

一方、自宅にすでに車を停められる空きスペースがあるなら、駐車場シェアは既存スペースを利用して始められます。

特Pは、オーナーの初期費用・月額費用・掲載料が無料と案内されています。

そのため、

「うちの前でも本当に借りる人がいる?」

という段階なら、まず登録して需要を確認する方法もあります。

大きな収益を狙う土地活用ではありませんが、

これまで0円だった空きスペースから月3,000円。

月5,000円。

立地によってはそれ以上。

という収入につながれば、使っていなかった場所を活かすことができます。

もちろん、実際の収益は立地や料金、利用状況などによって異なります。

まずは自宅周辺に需要があるか確認し、実際に収益が出始めたら売上と経費をきちんと記録する。

このくらいの感覚で始めるのが、駐車場シェアには合っています。

→特Pで空いている駐車場を登録してみる

まとめ|特Pの確定申告は「売上」ではなく所得で判断

以上、「特Pの収入は確定申告が必要?20万円以下・経費・住民税まで解説」というお話でした。

特Pで自宅の駐車場を貸して収入を得ても、すべての人が必ず所得税の確定申告をしなければならないわけではありません。

特に会社員など一定の給与所得者の場合は、給与・退職所得以外の所得金額の合計が年間20万円以下なら、所得税の確定申告が不要になる場合があります。

ただし、覚えておきたいのは次の点です。

  • 20万円は売上ではなく所得で判断する
  • 所得は基本的に「収入-必要経費」で考える
  • 特P以外の副業所得も確認する
  • 20万円ルールは誰にでも適用されるわけではない
  • 医療費控除などで確定申告するなら20万円以下の所得も申告する
  • 所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合がある
  • 特Pだから必ず雑所得になるとは限らない
  • 売上・手数料・経費の記録を残しておく

自宅の駐車場を少し貸すだけなら、税金を必要以上に難しく考える必要はありません。

まずは売上と経費を記録しておき、年間でどれくらいの所得になったか確認できる状態にしておくことが大切です。

特Pは初期費用・月額費用・掲載料なしで始められるため、

「税金が心配だからやめておこう」ではなく、まず空いている駐車場にどれくらい需要があるか試してみる

という選択肢もあります。

収益が増えて確定申告が必要になったら、その段階で適切に申告すればよいでしょう。

※本記事は一般的な税務情報をもとにした解説です。実際の所得区分や申告の要否は個別の状況によって異なるため、不明な場合は税務署や税理士、住民税についてはお住まいの自治体へご確認ください。

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