
「自宅の空き駐車場を特Pで貸してみたいけれど、インボイス登録も必要なの?」
会社員や主婦など、個人で初めて駐車場を貸す場合は「事業者として何か登録しないといけないのでは?」と不安になるかもしれません。
結論からいうと、特Pで駐車場を貸し始めるために、インボイス登録は必須ではありません。
結論|インボイス登録していない個人でも特Pで駐車場を貸せる
まず一番気になるところから確認しておきましょう。
インボイス登録をしていない個人でも、特Pで自宅駐車場を貸すことはできます。
特Pにはインボイスに対応している駐車場と、対応していない駐車場があります。
オーナーが適格請求書発行事業者である場合には、その情報を特Pへ登録する仕組みが用意されています。
つまり、
特Pオーナーになる=インボイス登録が必要
ということではありません。
たとえば、
「自宅に2台分の駐車スペースがあるけれど、1台分がずっと空いている」
「平日の仕事中だけ駐車場が空いている」
「子どもが独立して車が1台減った」
といった理由で自宅駐車場を貸してみたい個人が、特Pを始めるためだけにインボイス登録を済ませておく必要はありません。
「インボイスという言葉が難しそうだから特Pはやめておこう」と考える必要はないでしょう。
→ 特Pで自宅駐車場を貸す方法|登録から収益を受け取るまで解説
そもそもインボイスとは?
インボイスとは、消費税の仕入税額控除を受けるために必要となる「適格請求書」のことです。
2023年10月からインボイス制度が始まり、一定の事項が記載された適格請求書を発行できるのは、税務署長の登録を受けた適格請求書発行事業者に限られます。
ただ、自宅駐車場を初めて貸そうとしている人からすると、
「なんだか難しそう」
と感じるかもしれません。
ここで押さえておきたいのは、インボイスは特Pへ駐車場を登録するための資格ではないということです。
特Pで自宅駐車場を貸したいからといって、全員が適格請求書発行事業者になる必要はありません。
特Pには「インボイス対応」と「インボイス非対応」の駐車場がある
特Pでは、駐車場ごとにインボイスへの対応状況を確認できる仕組みがあります。
適格請求書発行事業者であるオーナーは、特Pの管理画面から登録番号など必要な情報を登録できます。
登録した情報が確認されると、その駐車場は利用者側からもインボイス対応状況を確認できるようになります。
反対に、インボイス登録をしていないオーナーの駐車場が、特Pで貸し出せなくなるわけではありません。
整理すると、
| オーナーの状況 | 特Pで駐車場を貸せる? |
|---|---|
| インボイス登録済み | 貸せる |
| インボイス未登録 | 貸せる |
| 個人の自宅駐車場 | 貸せる |
| 会社員が空き時間だけ貸す | 貸せる |
もちろん、実際には特Pの駐車場登録条件を満たす必要があります。
しかし、「インボイス登録していないから特Pオーナーになれない」ということではありません。
なぜ特Pにインボイス対応・非対応の表示があるの?
ここで、
「インボイスが必要ないなら、なぜ特Pにインボイス対応の表示があるの?」
と思うかもしれません。
これは駐車場を利用する側に、インボイスを必要とする人がいるためです。
たとえば会社員が仕事で車を使い、特Pの駐車料金を会社の経費として精算するケースなどが考えられます。
事業者側が仕入税額控除を受ける場合には、原則としてインボイスの保存が必要になるため、利用する駐車場がインボイス対応かどうかが重要になることがあります。
一方、
「観光地へ遊びに行く」
「病院へ行く」
「実家へ帰省する」
「イベントへ行く」
といった個人的な目的で駐車場を利用する人にとっては、通常、経費処理のためのインボイスを必要とする場面ではありません。
そのため、インボイス非対応だから一般の利用者が特Pを利用できないという意味でもありません。
インボイス登録していないと特Pの手数料は高くなる?
ここも登録前に気になるところです。
「インボイス登録していないオーナーは、特Pの手数料が高くなるのでは?」
と心配する必要はありません。
特P公式FAQでは、適格請求書発行事業者であるかどうかによって、特Pが受け取る手数料やオーナーへの振込額に変更はないと案内されています。
つまり、
インボイス登録済み
→ 手数料が安くなる
インボイス未登録
→ 手数料が高くなる
という仕組みではありません。
2026年8月時点の特Pでは、駐車場が実際に利用された場合のオーナー手数料は利用料金の30%です。
インボイス登録の有無とは分けて考えましょう。
インボイス未登録だと特Pから振り込まれる金額が減る?
これについても、特P公式ではインボイス登録の有無によって振込額は変わらないと案内されています。
たとえば、利用料金1,000円の予約が入ったとします。
現在の手数料30%で単純計算すると、
利用料金1,000円
- 特P手数料300円
= 700円
となります。
インボイス登録をしていないことを理由に、ここからさらに一定割合が差し引かれるという仕組みではありません。
自宅の空き駐車場を貸してみたい個人にとっては、かなり分かりやすい仕組みです。
会社員でもインボイス登録なしで特Pを始められる?
会社員が副業感覚で自宅駐車場を貸す場合も、
「会社員だからインボイス登録しないと特Pを利用できない」
ということはありません。
たとえば、
平日は会社へ車で通勤
↓
朝8時から夕方17時まで自宅駐車場が空く
↓
その時間だけ特Pで貸す
といった使い方も考えられます。
このような個人が自宅駐車場を特Pへ登録するために、インボイス登録を必須とする仕組みにはなっていません。
→ 自宅駐車場を平日だけ貸せる?仕事中の空きスペースを収益化する方法
ただし、「インボイス登録が不要」と「税金について何も考えなくてよい」は別の話です。
駐車場を貸して収入を得れば、その収入について所得税や住民税の扱いを確認する必要があります。
特Pを始められるかどうかと、確定申告が必要になるかどうかは分けて考えましょう。
売上が少なければインボイス登録しなくていい?
ここは少し注意が必要です。
インボイス登録が必要かどうかを、
「特Pの売上が○万円以下なら不要」
と単純に判断するものではありません。
消費税には免税事業者の制度があり、基準期間の課税売上高が1,000万円以下の事業者は、原則として消費税の納税義務が免除されます。
ただし、課税事業者を選択している場合や、適格請求書発行事業者として登録している場合など、状況によって扱いは変わります。
また、すでに別の事業をしている人なら、特Pの駐車場収入だけを切り離して判断できない場合があります。
そのため、
「特Pで月5,000円しか稼いでいないからインボイスは関係ない」
というように金額だけで判断するのではなく、自分がすでに適格請求書発行事業者なのか、ほかに事業をしているのかも含めて考えます。
一方、これまで事業をしておらず、
「自宅の空き駐車場1台分を特Pでちょっと貸してみたい」
という人なら、特Pを始めるためだけに慌ててインボイス登録する必要はありません。
「念のためインボイス登録しておこう」はおすすめしない
インボイスについて調べていると、
「よく分からないから、とりあえず登録しておけば安心なのでは?」
と思うかもしれません。
しかし、これは注意が必要です。
適格請求書発行事業者として登録すると、これまで消費税の免税事業者だった人でも、原則として消費税の申告・納税が必要になります。
つまり、
インボイス登録=無料で付けられる便利なオプション
というわけではありません。
特Pで自宅駐車場を少し貸すためだけに、
「必要か分からないけれど、とりあえず登録」
とするのはおすすめできません。
特に、これまで消費税の申告をしていなかった個人の場合は、登録することで税務上の扱いが変わる可能性があります。
すでにほかの事業をしている場合など、判断に迷うときは税務署や税理士へ確認すると安心です。
特Pの駐車料金に消費税はかからないの?
「自宅の土地を貸すだけなら、そもそも消費税はかからないのでは?」
という疑問もあるでしょう。
確かに、土地の貸付けは原則として消費税が非課税です。
しかし、国税庁では、駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合や、土地の貸付期間が1か月未満の場合などは非課税となる土地の貸付けから除かれるとしています。
そのため、
「自宅の土地だから、特Pの駐車料金はすべて消費税と無関係」
とは考えない方がよいでしょう。
ただし、これは「特Pを始める人は全員消費税を納税しなければならない」という意味でもありません。
取引が消費税の課税対象になるかという話と、オーナー本人に消費税の納税義務があるかという話は別です。
ここを混同しないことが大切です。
どんな人ならインボイス登録を検討する?
ここまで説明したとおり、自宅の空き駐車場を特Pで貸すためだけにインボイス登録をする必要はありません。
一方で、すでに事業を行っている人などは状況が違います。
たとえば、次のような人です。
- すでに別の事業で適格請求書発行事業者になっている
- 法人として駐車場を運営している
- 複数の駐車場を事業として運営している
- 駐車場以外にも課税売上がある
特に、すでに適格請求書発行事業者になっている場合は、特P側でも必要な登録を行っておくことを検討しましょう。
反対に、
「会社員で、これまで事業はしていない」
「自宅に余っている1台分を試しに貸したい」
「月に数回でも利用されたらうれしい」
という人が、特Pを始めるためだけにインボイス登録をする必要はありません。
インボイス登録は、特Pだけではなく自分の事業全体や消費税の申告にも関係するため、「駐車場を貸すから」という理由だけで決めないことが大切です。
インボイス非対応だと特Pで予約されにくい?
オーナーとしては、
「インボイス非対応と表示されたら、利用者から避けられるのでは?」
という点も気になるでしょう。
一般の個人利用であれば、インボイスが必要になるケースはそれほど多くないと考えられます。
たとえば、
- 観光
- 買い物
- 通院
- 帰省
- イベント
- スポーツ観戦
など、個人的な目的で利用する人です。
こうした利用者が駐車場を選ぶ際には、インボイス対応の有無よりも、
目的地までの距離
料金
駐車しやすさ
利用できる時間
対応車種
などが重要になるでしょう。
一方、仕事で車を利用し、駐車料金を会社の経費として処理する人などにとっては、インボイス対応状況が駐車場選びの条件になる可能性があります。
特にオフィス街など、ビジネス利用が多い場所では一つの判断材料になるかもしれません。
ただし、「インボイス非対応にすると予約数が○%減る」といった特P公式のデータが公表されているわけではありません。
そのため、
「インボイス登録しないと予約が入らない」
と心配して、必要性を確認せず登録する必要はないでしょう。
まずは自宅周辺にどのような駐車需要があるのかを考える方が重要です。
→ 住宅街でも駐車場シェアは需要ある?貸しやすい自宅の条件を解説
インボイス登録と確定申告は別の話
ここは特に混同しやすいところです。
インボイス登録していない=確定申告しなくていい
という意味ではありません。
インボイス制度は主に消費税に関係する制度です。
一方、特Pで得た収入について確定申告が必要になるかどうかは、所得税などのルールから判断します。
つまり、
インボイス登録
→ 消費税に関係する話
確定申告
→ 特Pを含めた所得などから判断する話
として分けて考えると分かりやすいでしょう。
たとえば会社員の場合、給与以外の所得が年間20万円を超えると、原則として所得税の確定申告が必要になります。
ここでいう20万円は、特Pから振り込まれた売上そのものではなく、必要経費を差し引いた「所得」で考える点にも注意してください。
また、所得税の確定申告が不要となる場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。
そのため、
「特Pの収入が20万円以下なら税金について何もしなくていい」
と単純に考えない方がよいでしょう。
詳しい税金の話は別記事で確認してください。
特Pを始める前にインボイスより先に確認したいこと
自宅駐車場を初めて貸す人なら、インボイスについて必要以上に難しく考えるより、まず実際にその駐車場を貸せる状態なのかを確認しましょう。
駐車スペースのサイズ
まず車を安全に停められる広さがあるか確認します。
自宅の車なら慣れているため簡単に駐車できても、初めて訪れる人には停めにくいことがあります。
幅や長さだけでなく、道路からの進入やカーポートの柱、段差なども確認しておきましょう。
→ 狭い自宅駐車場でも貸せる?軽自動車スペース・狭小地の活用方法
いつ駐車場を貸せるか
自宅駐車場なら、毎日24時間貸す必要はありません。
たとえば、
「平日の仕事中だけ」
「土日だけ」
「家族が車で出かけている時間だけ」
といった貸し方も考えられます。
自宅の車と予約車が重ならないよう、無理なく貸せる時間を考えてみましょう。
→ 自宅駐車場を平日だけ貸せる?仕事中の空きスペースを収益化する方法
→ 自宅駐車場を土日だけ貸す方法|イベント・観光地の近くなら稼げる?
いくらで貸すか
料金が高すぎれば予約されにくくなり、安くしすぎれば利用されても収入が少なくなります。
周辺の駐車料金や立地などを参考に考えます。
利用者に場所が分かる写真を用意できるか
自宅駐車場では、
「どの家なのか」
「どこから入るのか」
「左右どちらへ停めるのか」
が分かる写真も重要です。
→ 自宅駐車場を貸すとき写真はどう撮る?予約されやすい掲載方法
トラブルが起きた場合の対応方法
知らない人へ自宅駐車場を貸す以上、時間超過や無断駐車などの可能性をゼロにはできません。
登録前に「何か起きたらどうすればいいのか」まで知っておくと安心です。
→ 特Pで無断駐車されたらどうする?予約車が停められないときの対処法
こうした点まで確認して、
「これなら自宅でも貸せそう」
と思えたら、特Pへの登録を検討してみるとよいでしょう。
→ 特Pで自宅駐車場を貸すには?登録前に確認したい7つのこと
インボイスが難しそうという理由だけで特Pを諦める必要はない
「駐車場を貸して収入を得る」と聞くと、
「開業届は?」
「確定申告は?」
「消費税は?」
「インボイスは?」
と、いろいろな手続きが必要なように感じるかもしれません。
しかし、それぞれ別の制度です。
特に今回のポイントは、インボイス登録をしていないこと自体が、特Pで自宅駐車場を貸せない理由にはならないということです。
特P公式でもインボイス対応・非対応の駐車場が想定されており、インボイス登録の有無によって特Pの手数料やオーナーへの振込額が変わるわけではありません。
まずは、
「自宅の駐車場がいつ空いているか」
「周辺に停めたい人がいそうか」
というところから考えてみる方がよいでしょう。
よくある質問
Q. 特Pを始めるにはインボイス登録が必要ですか?
いいえ。
特Pを始めるために、適格請求書発行事業者への登録が必須というわけではありません。
インボイス登録をしていない個人でも、特Pの登録条件を満たす駐車場であれば貸し出すことができます。
Q. 会社員でもインボイス登録なしで特Pを始められますか?
はい。
会社員だからという理由で、特Pを始めるためにインボイス登録が必要になるわけではありません。
ただし、特Pで得た所得について確定申告や住民税の申告が必要になる場合はあります。
インボイス登録と確定申告は別の問題として考えましょう。
Q. インボイス登録していないと特Pの手数料は高くなりますか?
特P公式では、適格請求書発行事業者であるかどうかによって、特Pが受け取る手数料に変更はないと案内されています。
インボイス未登録だから手数料が上乗せされるという仕組みではありません。
Q. インボイス登録していないと振込額が減りますか?
特P公式では、インボイス登録の有無によってオーナーへの売上の振込額にも変更はないと案内されています。
そのため、「インボイス登録しないと収入面で不利になるから登録しよう」と考える必要はありません。
Q. 特Pでインボイス対応にするにはどうしますか?
すでに適格請求書発行事業者であるオーナーは、特Pのオーナー管理画面から登録番号など必要な情報を登録する仕組みになっています。
登録情報について確認が行われた後、インボイス対応状況が反映されます。
Q. 特Pの収入が20万円以下なら確定申告は不要ですか?
会社員など給与所得者の場合、給与以外の「所得」が年間20万円以下であれば、所得税の確定申告が不要となるケースがあります。
ただし、ほかの所得の有無や給与の状況などによって異なります。
また、所得税の確定申告が不要でも住民税の申告が必要になる場合があります。
「特Pから振り込まれた金額が20万円以下なら何もしなくてよい」という意味ではありません。
Q. 特Pの駐車料金には消費税がかかりますか?
土地の貸付けは原則として消費税が非課税ですが、国税庁では、駐車場など施設の利用に伴って土地が使用される場合や、土地の貸付期間が1か月未満の場合などは非課税となる土地の貸付けから除かれています。
ただし、取引が課税対象になることと、オーナー本人に消費税の納税義務があることは別の話です。
Q. インボイス登録すると消費税を払う必要がありますか?
適格請求書発行事業者になると、免税事業者であった場合でも消費税の申告・納税が必要になります。
そのため、自宅駐車場を特Pで貸すためだけに「念のため登録しておこう」と安易に判断しない方がよいでしょう。
すでにほかの事業をしているなど判断が難しい場合は、税務署や税理士へ確認してください。
まとめ|特Pを始めるだけならインボイス登録は必須ではない
以上、特Pを始めるにはインボイスが必要?登録していない個人でも駐車場を貸せる?...というお話でした。
結論として、インボイス登録をしていない個人でも特Pで自宅駐車場を貸すことはできます。
特Pではインボイス対応・非対応の駐車場があり、インボイス登録の有無によってオーナーへの振込額や特Pの手数料が変わるわけでもありません。
そのため、
「会社員だからインボイス登録しないといけない?」
「自宅の1台分を貸すだけなのに事業者登録が必要?」
と必要以上に心配する必要はないでしょう。
一方で、インボイス登録と確定申告は別の問題です。
特Pで収入を得れば、その所得について確定申告や住民税の申告が必要になる場合があります。
また、すでにほかの事業を行っている人は、特Pの売上だけではなく事業全体からインボイスや消費税について判断する必要があります。
自宅の空き駐車場を少し活用してみたい人なら、まずインボイス登録を心配するより、
「安全に車を停められるか」
「いつ貸せるか」
「周辺に需要がありそうか」
「いくらで貸すか」
を確認してみましょう。
普段まったく収入を生んでいない1台分のスペースなら、特Pで小さく活用を始める方法もあります。
