
親が老人ホームなどの施設へ入ると、実家の電気・ガス・水道をそのまま契約しておくべきか迷います。
全部止めれば固定費は減らせますが、空き家管理のためには残しておいた方がよいものもあります。
この記事では、施設入居後の実家で電気・ガス・水道を「止める・残す」の判断基準を分かりやすく解説します。
結論|迷ったら電気と水道は残し、ガスは停止を検討
結論からいうと、施設入居直後で実家を今後どうするか決まっていないなら、
- 電気:残す
- 水道:残す
- ガス:使わないなら停止を検討
という形が現実的です。
電気と水道は、掃除や換気、防犯、通水、売却前の内覧などで使う場面があります。
一方、ガスは空き家管理では使わないことも多いため、使用予定がなければ停止しやすいインフラです。
ただし、実家を数か月以内に売却するのか、1年以上残すのかによって最適な判断は変わります。
まず確認|実家をあとどれくらい残す予定?
電気・ガス・水道をどうするか考える前に、実家をどのくらい残す予定なのか整理しておきましょう。
数週間〜3か月程度だけ残す場合
売却や片付けがほぼ決まっているなら、すぐ全部止めずに残しておいた方が便利なことがあります。
掃除、荷物整理、内覧、設備確認などで電気と水道を使うためです。
短期間であれば、わずかな基本料金を節約するために契約を止めるより、利便性を優先した方がよいケースもあります。
半年〜1年以上残す場合
半年以上空き家として残すなら、固定費が少しずつ積み上がります。
この場合は、
- 本当に必要なインフラは何か
- 契約容量を下げられないか
- ガスは止められないか
などを見直す価値があります。
売却時期が決まっていない場合
「親が施設に慣れるまで実家を残したい」というケースでは、すぐ全部を解約する必要はありません。
実家を売る・残すの判断がつくまで、最低限必要なインフラだけ残しておくとよいでしょう。
電気は止める?残す?
基本はすぐ止めなくてもいい
空き家になった後も、電気を使う場面は意外とあります。
たとえば、
- 夜間の照明
- 掃除機
- 換気扇
- 防犯カメラ
- 人感センサーライト
- 電動シャッター
- 給湯器や設備の確認
などです。
月に1回でも家族が実家へ行くなら、電気がないとかなり不便です。
電気を残した方がいいケース
次のような場合は、電気を残しておく方がよいでしょう。
- 月1回以上実家を見に行く
- 売却前の内覧予定がある
- 防犯カメラを使う
- センサーライトを使う
- 電動シャッターがある
- 冬場の凍結防止設備がある
特に防犯設備を使っている場合は、電源を切ることで機能しなくなる可能性があります。
電気を止めてもいいケース
一方で、
- 近いうちに解体する
- 長期間誰も立ち入らない
- 電気を使う設備がない
- 防犯設備も使用しない
という場合は、停止を検討してもよいでしょう。
契約容量を下げる方法もある
完全に止める以外に、契約容量を見直して基本料金を抑える方法もあります。
たとえば、以前は家族4人で暮らしていたため大きな契約容量になっていても、空き家管理だけならそこまで必要ない場合があります。
ただし、契約プランや基本料金の仕組みは電力会社によって異なります。
停止か継続かだけでなく、契約内容の見直しも検討してみましょう。
ガスは止める?残す?
ガスは使わないなら停止を検討しやすい
電気や水道と比べると、空き家管理でガスを使う場面は少なめです。
親が施設へ入った後、家族が実家でお風呂に入ったり料理をしたりしないのであれば、ガスを残しておく必要性は低くなります。
ガスを止めても困りにくい理由
ガスを停止することで、
- 基本料金を抑えられる
- 使用しないガス設備を休止できる
- ガス機器を使わない状態にできる
といったメリットがあります。
特に完全な空き家なら、ガスは比較的止めやすいでしょう。
ガスを残した方がいいケース
ただし、
- 家族が定期的に宿泊する
- ガス給湯器を使う
- お湯を使って掃除する
- 売却前に設備確認をする
といった場合は、残しておく選択肢もあります。
元栓を閉めるだけと契約停止は違う
ガスの元栓を閉めることと、ガス会社との契約を止めることは別です。
「使わないから元栓だけ閉めておく」という方法もありますが、基本料金は発生する可能性があります。
長期間使わないなら、契約自体を停止するかどうかも確認しましょう。
水道は止める?残す?
水道は意外と残した方が便利
空き家になった実家でも、水道は残しておいた方が便利なことが多いです。
理由は単純で、掃除や通水に必要だからです。
水道を残すメリット
水道が使えると、
- 掃除
- トイレ
- 庭の水やり
- 排水口への補水
- 水道管の通水
- 売却前の清掃
などができます。
特に長期間家を空ける場合、定期的に水を流しておくと設備の状態確認にもなります。
水を使わないと起きやすいこと
長期間まったく水を使わないと、
- 排水トラップの水が蒸発する
- 下水の臭いが上がる
- 水道管内の水が古くなる
- パッキンや蛇口の不具合に気付きにくくなる
といった問題が出ることがあります。
空き家の臭い対策という意味でも、定期的な通水は有効です。
水道を止めてもいいケース
一方で、
- 近いうちに解体する
- 誰も立ち入らない
- 冬場の凍結リスクが高い
- 定期通水を行わない
という場合は、停止も検討できます。
特に寒冷地では、止める場合に水抜きが必要になるケースがあります。
電気・ガス・水道を全部止めるとどうなる?
全部止めれば固定費は抑えられます。
ただし、管理のしやすさは大きく下がります。
全部止めるメリット
- 基本料金を削減しやすい
- ガスを使わない状態にできる
- 完全閉鎖するには分かりやすい
全部止めるデメリット
- 掃除しにくい
- 夜間の作業が難しい
- 防犯設備が使えない
- 通水できない
- トイレが使いにくい
- 売却前の内覧や確認が不便
実家を完全に閉鎖して解体まで待つようなケースなら全部停止も考えられますが、売却時期が未定なら不便の方が大きいこともあります。
空き家管理で最低限残したいのは電気と水道
実家をまだどうするか決めていないなら、
電気と水道は残し、ガスだけ止める
という形が使いやすいです。
電気があれば照明や防犯、掃除ができます。
水道があればトイレや通水、清掃ができます。
一方、ガスは宿泊や給湯の予定がなければ、使う場面は少なめです。
「全部残すか、全部止めるか」ではなく、用途ごとに考えるのがポイントです。
冬の空き家は凍結に注意
冬場は特に注意が必要です。
寒冷地や冷え込みの強い地域では、水道管や給湯器が凍結することがあります。
ブレーカーを全部落とすのが危険なこともある
給湯器やエコキュートには、凍結防止機能が備わっている機種があります。
その場合、通電を止めると凍結防止機能が働かなくなる可能性があります。
「誰も住まないからブレーカーを全部切っておこう」と考える前に、設備の取扱説明書を確認しておきましょう。
長期停止では水抜きが必要な場合もある
給湯器や水道設備によっては、長期間使わないときに水抜きが必要です。
特に冬場は、水道管が破損すると大きな修理費用につながる可能性があります。
冷蔵庫や家電はどうする?
実家を空き家にするなら、家電の扱いも確認しておきましょう。
冷蔵庫
冷蔵庫の電源を切るなら、中身をすべて出して清掃します。
完全に乾燥させた後、カビや臭いを防ぐために扉を少し開けておく方法もあります。
給湯器
長期停止方法は機種によって異なります。
電源を切ってよいのか、水抜きが必要なのかを取扱説明書で確認しましょう。
洗濯機・食洗機
給水栓の閉止や内部の残水を確認しておくと安心です。
温水洗浄便座
長期間使わない場合の電源やタンク内の水の扱いは、機種ごとに確認しましょう。
売却予定なら電気・水道はいつ止める?
実家の売却を考えている場合は、引渡し直前まで電気と水道を残すこともあります。
査定・片付け中
電気と水道は残しておくと便利です。
内覧中
照明が使えた方が室内の印象も確認しやすくなります。
水道も、設備確認や清掃で使用する可能性があります。
売買契約後
契約後すぐ止めるのではなく、引渡し日を確認してから停止時期を決めます。
不動産会社へ、
「電気や水道はいつまで残しておけばいいですか?」
と確認しておくと安心です。
施設入居直後に全部解約しない方がいい理由
親が施設へ入った直後は、生活環境が大きく変わったばかりです。
その時点で実家のインフラを全部止めると、後から不便になることがあります。
たとえば、
- 荷物整理が終わっていない
- 仏壇が残っている
- 親が自宅へ戻りたがる
- 売却判断が決まっていない
- 家族の話し合いが終わっていない
といったケースです。
まずは最低限必要なものを残し、実家の今後が決まってから見直す方が現実的です。
【関連記事】老人ホーム入居直後にやること15選|家族が最初の1週間で確認したい手続き・準備
公共料金だけでなく実家全体の維持費も確認する
実家を残す費用は、電気・ガス・水道だけではありません。
ほかにも、
- 固定資産税
- 火災保険
- 庭の管理
- 建物修繕
- 空き家管理費
などがかかります。
そのため、「水道代が月いくらか」だけでなく、実家全体で年間いくらかかるのかを確認することが大切です。
【関連記事】親が施設に入った後の実家の固定資産税はどうなる?誰が払う?
実家を売るか残すか決まっていない場合
実家をすぐ売るべきか迷っているなら、インフラを止める判断も急がない方がよいでしょう。
親が施設から戻る可能性や、実家の管理負担、固定資産税などを考えながら判断します。
売却そのものについては、別記事で詳しく解説しています。
【関連記事】親が老人ホームに入ったら実家は売るべき?売らない方がいいケースも解説
ケース別|電気・ガス・水道をどうする?
目安を整理すると次のようになります。
| 実家の状況 | 電気 | ガス | 水道 |
|---|---|---|---|
| 施設入居直後・様子見 | 残す | 停止検討 | 残す |
| 月1回程度管理 | 残す | 停止 | 残す |
| 売却準備中 | 残す | 停止可 | 残す |
| 解体予定 | 停止可 | 停止 | 停止可 |
| 家族が時々宿泊 | 残す | 必要なら残す | 残す |
実家ごとに設備や使い方は違います。
「全部止める」ではなく、今後どう使うかで判断しましょう。
よくある質問
Q. 空き家の電気はブレーカーを落とした方がいい?
すべて落とした方がよいとは限りません。
防犯設備や給湯器の凍結防止機能など、通電が必要な設備もあります。
設備の取扱説明書を確認してから判断しましょう。
Q. ガスは元栓だけ閉めればいい?
短期間なら元栓を閉めておく方法もあります。
ただし契約を継続していれば、基本料金が発生する場合があります。
長期間使わないなら、契約停止も検討しましょう。
Q. 水道を止めるとトイレは使えない?
給水できなくなるため、通常どおりの使用はできなくなります。
実家へ定期的に行く予定があるなら、水道を残しておく方が便利です。
Q. 水道は月に何回くらい流せばいい?
実家の設備や環境によって違うため、一律の回数はありません。
定期的に訪問する際に、蛇口やトイレなどの水を流して状態を確認するとよいでしょう。
Q. 売却するまで電気は残した方がいい?
内覧や清掃、設備確認を考えると、引渡し近くまで残しておくと便利です。
停止時期は不動産会社へ確認すると安心です。
Q. 冬に電気を止めると給湯器は壊れる?
機種によっては、通電による凍結防止機能が働いている場合があります。
冬場に停止するなら、取扱説明書を確認し、必要なら水抜きなどの対応をしましょう。
Q. 基本料金だけ安くする方法はある?
電気では契約容量を下げることで、負担を抑えられる場合があります。
ただし料金体系は会社や契約プランによって異なります。
まとめ|売却未定なら電気・水道を残し、ガスは停止を検討
以上、施設入居後の実家の電気・ガス・水道は止める?残すものを解説というお話でした。
親が施設へ入ったからといって、すぐ電気・ガス・水道を全部止める必要はありません。
特に実家を今後どうするか決まっていないなら、電気と水道は残しておいた方が管理しやすいです。
一方、ガスは使用予定がなければ停止を検討しやすいでしょう。
判断するときは、
親が戻る可能性 → 実家を残す期間 → 管理頻度 → 売却予定
という順番で考えると分かりやすくなります。
そして実家の今後が決まった段階で、不要になった契約を整理していけば十分です。
