
実家の片付けは相続の第一歩です。相続前に何を整理すべきか、兄弟間で揉めないための話し合い方、空き家を活用・売却する判断基準を解説。実家を放置するリスクも紹介します。
実家の片付けは「相続の始まり」
実家の片付けは、単なる掃除ではありません。
親が高齢になったり亡くなったりしたとき、家をどうするかを考えることは「相続の始まり」でもあります。
しかし、多くの人が片付けを後回しにしてしまい、いざ相続が発生してから慌てて動きます。
その結果、兄弟間でのトラブルや不動産の処分遅れが起こりやすくなります。
この記事では、実家の片付けをきっかけに相続をスムーズに進めるための準備と、家を活用する方法を紹介します。
片付けをしないまま相続を迎えると何が起こる?
実家を片付けないまま相続が発生すると、家の中に何があるのか誰も把握できない状態になります。
通帳、保険証券、土地の権利証、印鑑など大切な書類が見つからず、相続手続きが遅れるケースは珍しくありません。
さらに、不要な物やゴミが多い状態で家を売却しようとしても、清掃・処分費に数十万円単位の費用が発生します。
片付けを先延ばしにするほど、手間とお金の両方が増えていくのです。
「いつかやろう」と思っている段階こそが、実は最も始めやすいタイミングです。
実家の片付けで見直すべき3つのポイント
1. 貴重品と重要書類の整理
相続で最も大切なのは「財産の把握」です。
親の通帳、印鑑、登記簿謄本、保険証券、年金関係書類などは必ず確認してまとめておきましょう。
見つけた書類はクリアファイルや箱にまとめ、「重要書類」として家族で共有します。
これができていれば、相続発生時の手続きがスムーズになります。
2. 名義の確認
家や土地が誰の名義になっているかも重要です。
古い実家では名義人が「祖父のまま」「亡くなった親のまま」になっていることも多く、登記が更新されていないと売却や相続登記が難航します。
登記簿謄本を法務局で取得し、名義人を早めに確認しておきましょう。
3. 共有名義を避ける工夫
相続後に兄弟で家を共有名義にすると、後で売りたくても全員の同意が必要になります。
結果的に「誰も住まない家」を持ち続けることになり、固定資産税や管理費の負担だけが残ります。
将来的に利用予定がない場合は、早めに名義を一本化するか、売却の方向で話し合いを進めましょう。

無料査定サイトを利用して、実家の相場を把握しておくのもいいでしょう
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家族で話し合うときのコツ
感情より「現実」を優先する
親の家には思い出が詰まっているため、感情的な意見が出やすいです。
「残したい」「思い出だから捨てられない」といった気持ちは大切ですが、維持するには現実的なコストがかかります。
固定資産税、修繕費、管理費などを数字で共有し、家族全員で「現実を直視する」ことが第一歩です。


役割分担を明確にする
「誰が片付けを主導するのか」「費用はどう負担するのか」を明確に決めておきましょう。
曖昧なまま進めると、後で「自分だけ損をした」と感じる人が出やすくなります。
簡単な覚書を残しておくとトラブル防止になります。
親の意思を尊重する
親がまだ健在なら、どのように家を扱ってほしいかを直接聞くことが重要です。
「ここに住み続けたい」「将来は売っていい」など本人の意向を明確にしておくことで、相続後の混乱を防げます。


相続後に実家をどうするか3つの選択肢
1. 残して維持する
家族の拠点として残す場合は、定期的な管理が必要です。
空き家管理サービスを利用すれば、月5,000〜10,000円程度で通風・除草・点検をしてもらえます。
ただし長期的には維持費がかさむため、将来的に誰が住むのかを決めておく必要があります。
2. 売却する
誰も住む予定がない場合は、早めの売却が現実的です。
相続後3年以内なら「空き家譲渡所得3,000万円特別控除」が使える可能性があります。
これは、一定条件を満たすことで売却益から最大3,000万円を非課税にできる制度です。
古い家は解体して更地にすることで買い手が見つかりやすくなります。


3. 活用する
「残すけど活かす」という選択もあります。
駐車場、トランクルーム、賃貸住宅などに転用すれば、維持費をまかないながら資産を生かせます。
補助金を活用できる自治体もあるため、「空き家 活用 補助金 ○○市」で検索してみると良いでしょう。


相続登記の義務化と注意点
2024年から相続登記が義務化され、相続発生後3年以内に登記しないと10万円以下の過料が科される可能性があります。
「名義を変えずに放置」はもうできません。
片付けと並行して登記の準備を進めておくことで、後の手続きをスムーズに行えます。
司法書士に相談すれば、必要書類や手続きの流れをまとめてサポートしてくれます。
放置が招くリスク
実家をそのままにしておくと、空き家の老朽化だけでなく、税金や相続の問題も重なります。
「特定空家」に指定されると固定資産税が6倍になり、倒壊の危険がある場合は行政代執行で強制解体されることもあります。
また、共有名義のまま放置していると、次の世代(孫世代)に権利者が増え、話し合いがほぼ不可能になります。
このように放置は時間とともにリスクを増大させるため、「今整理する」ことが最も有効な相続対策になります。


実家の片付けは「家族の未来を整える行動」
以上、実家の片付けをきっかけに考える相続と家の活用法|放置が招くリスク...というお話でした。
最後にもう一度まとめてみると
| タイミング | やるべきこと |
|---|---|
| 親が健在 | 財産・意向の整理 |
| 介護・施設入所時 | 必要品の厳選・名義確認 |
| 相続発生後 | 登記・売却・活用の判断 |
実家の片付けは、物を減らす作業ではなく「家族の未来を整える行動」です。
早めに整理を始めることで、相続手続きの負担を減らし、兄弟間の関係も守ることができます。
放置せず、現実と向き合うことが、最も賢い「財産の守り方」です。


