トランクルーム経営は本当に儲かる?収益をタイプ別に比較

トランクルーム経営の収入実態

「トランクルーム経営は不労所得で安定的に稼げる」——そんな言葉を聞いたことがある方もいるかも。
確かに、大型マンションを建てるほどのリスクを負わずに、遊休地を活用できる点は魅力です。

しかし、私はこの業界に20年以上携わり、企画から建設・運営まで現場で数百案件を見てきましたが、「思っていたより儲からない」という声も少なくありません。

トランクルームは堅実ではあるが、すごく儲かる夢のあるビジネスではない
今回は、そんなリアルな収益構造を3つの運営タイプ別に解説します。


目次

トランクルームが注目される理由

トランクルームが広がった背景には、以下のような社会的な流れがあります。

  • 住宅のコンパクト化と収納不足
  • 共働き・子育て世帯の増加による物の増加
  • テレワークによる自宅スペース確保の需要
  • 企業の倉庫代替需要(季節商品・書類保管など)

つまり、個人・法人どちらにも安定的な需要が存在します。
さらに、アパート建築のように数千万円単位のリスクを取らず、駐車場よりも高い単価を実現できる中リスク中リターンの土地活用として注目されています。


3タイプのトランクルーム経営モデル

現場でよく採用されるのは、以下の3タイプです。

タイプ概要初期費用目安想定利回り(満室時)特徴
コンテナ型鋼製コンテナを設置約1,000〜1,500万円(20〜30室)10〜15%最も導入が簡単。物理的な撤去・移設が容易
ビルイン型既存建物を改装し屋内収納に約500〜1,000万円7〜10%空きテナントの再利用に向いている
本建築型(鉄骨造)3階建て+エレベーター+1階ガレージ併設約4,000〜9,000万円6〜9%長期運用・高稼働率を狙える本格型

鉄骨造3階建て+シャッターガレージ併設モデルとは

近年、都市部で増えているのが「鉄骨造3階建ての本建築型トランクルーム」。
1階にシャッター付きガレージ、2〜3階を屋内トランクルームとするモデルです。

  • 1階ガレージ:月3〜5万円の契約が多く、法人車両・趣味車・バイク利用に人気
  • 2・3階屋内型:空調・防犯カメラ・エレベーター完備で、高単価・長期契約者が多い

この形は、単なる“物置ビジネス”から一歩進み、「ガレージ+ストレージ倉庫」という複合収益モデルとして成立します。

初期投資は大きいものの、立地次第ではコンテナ型よりも安定した稼働を実現でき、20年単位の長期運営安定収益を狙える手堅いモデルです。


実際の収益と落とし穴

ここで重要なのは、「広告に書かれた利回り=現実ではない」ということ。

平均稼働率は地域にもよりますが 70〜85%前後
管理委託料・清掃・照明・広告費・固定資産税を引くと、
実質利回りは5〜8%前後に落ち着くケースが多いです。

鉄骨造タイプでも例外ではなく、初期投資が大きいため、
回収には10〜15年の時間がかかります。
「短期で回す事業」ではなく、「長期で安定を得る仕組み」として捉えることが重要です。


トランクルーム経営のメリット

  • 建築型以外は撤去・転用が容易で、出口戦略を立てやすい
  • 空室リスクが低く、長期契約者が多い
  • 相続税対策・減価償却メリットも
  • 立地さえ良ければ、銀行評価が安定して融資を受けやすい

限界と注意点

  • 立地が悪いと稼働率が上がらず赤字に
  • 広告・清掃・維持管理を怠ると稼働が落ちる
  • 周辺競合が増えると値下げ圧力が発生
  • 鉄骨造タイプは初期費用が高く、投資回収まで時間がかかる

つまり、「ローリスク・中利回り・長期型」の土地活用。
派手さはないが、失敗も大きくなく、コツコツ収益を積み重ねられるタイプです。


成功するオーナーの共通点

私が見てきた中で、成功しているオーナーには共通点があります。

  • 稼働率80%でシミュレーションし、堅実に計画を立てている
  • 運営を専門会社に任せ、自主管理に固執しない
  • 設備(照明・防犯・舗装)に妥協せず、品質を保っている
  • 定期的に清掃・巡回を行い、清潔で安全な印象を維持している

一方で、「安く建てて早く儲けたい」と考えたオーナーほど失敗してしまうイメージがあります。


結論:「手堅さ」で選ぶなら有力な土地活用

トランクルーム経営は、大きな儲けよりも安定を得るための選択肢です。

  • 初期投資を抑えたい → コンテナ型
  • 既存建物を再利用したい → ビルイン型
  • 長期的な資産運用を考えたい → 鉄骨造3階建て型

と目的別に選べます。

「派手に稼ぐ」よりも「失敗しない土地活用」を求める方には、バランスの取れた方法と言えるでしょう。


まとめ

  • トランクルーム経営は「低リスク・中利回り・長期安定型」
  • 3タイプの特徴を理解し、自分の土地条件に合った方式を選ぶ
  • 現実的な収支計画(稼働率80%想定)が成功のカギ
  • 鉄骨造タイプは高コストだが、長期安定を見込める

“攻め”ではなく“守り”の土地活用を考える人へ。
トランクルームは派手ではないが、確実に積み上がる事業です。


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