
「相続で土地を引き継いだが、使い道がない」「駐車場にしているが収益が少ない」そんな悩みを持つ人は多いでしょう。
100坪(約330㎡)あれば、住宅・倉庫・駐車場・商業施設など、さまざまな活用が可能です。
ただし、立地や用途地域によって最適解は異なります。
この記事では、代表的な土地活用5パターンを比較しながら、投資額・収入・利回り・注意点をわかりやすく紹介します。
100坪の遊休地を5つの活用法で比較
100坪という条件で土地活用を次の5種類の収益物件で比べてみます。
- コインパーキング(時間貸し駐車場)
- トランクルーム・貸倉庫
- アパート・マンション経営
- 貸店舗・商業施設
- 太陽光発電・資材置場など
都市計画法の開発に該当する500㎡よりも小さい330㎡(100坪)という大きさの土地の場合、投資額・収入・利回りはどんな感じになるのでしょうか。
1. コインパーキング(時間貸し駐車場)
項目 | 内容 |
---|---|
初期投資 | 約300万〜800万円(舗装+機器設置) |
想定月収 | 15〜30万円(稼働率60〜80%) |
想定利回り | 年間6〜10%前後 |
向いている立地 | 駅・商店街・病院・学校周辺 |
コイン駐車場の特徴と注意点
初期投資が少なく、短期間で収益化できるのが魅力。
ただし、立地による差が大きく、稼働率が悪いと採算が合わないことも。
また、周辺に競合が増えると価格競争になりやすい点に注意。

コイン駐車場は設備投資が少ないので手軽にはじめられますが、道路付けなど立地条件に左右されるコイン駐車場。ライバルが出やすいのも不安なところです。
2. トランクルーム・貸倉庫
項目 | 内容 |
---|---|
初期投資 | 約1,000万〜2,000万円(屋外型)/3,000万〜5,000万円(鉄骨造屋内型) |
想定月収 | 25〜60万円(稼働率70〜90%) |
想定利回り | 年間8〜12%前後 |
向いている立地 | 住宅街・準工業地域・郊外道路沿い |
トランクルームの特徴と注意点
トランクルームは景気に左右されにくい安定型ビジネス。
個人だけでなく法人利用も多く、稼働率が安定しやすい点が魅力。
ただし、コンテナ型は建築確認が取れず融資が付きにくいため、長期運用なら鉄骨造が有利です。



トランクルームも手軽にはじめられるイメージですが、コンテナを買って土地に置けば完成!なんて考えていたら要注意。自分で経営するにも土地ごとコンテナ会社に集客を任せるにしても法律違反になることも。
本建築タイプなら建築確認申請も受けられます。


3. アパート・マンション経営
項目 | 内容 |
---|---|
初期投資 | 約7,000万〜2億円(規模・構造による) |
想定月収 | 50〜150万円(空室率10%想定) |
想定利回り | 年間4〜6%前後 |
向いている立地 | 駅近・大学・病院周辺の住宅地 |
住居系経営の特徴と注意点
長期的な家賃収入と資産形成を両立できる代表的な活用法。
金融機関の融資も受けやすく、相続対策としても有効。
ただし、初期投資が大きく、空室・修繕・管理などの運営リスクがある点を理解する必要があります。



昔から不動産経営といえば、マンションやアパートなどの住居系。収入も大きく安定している一方で、競合も多いので設備を最新にするなどの工夫が大切。経年や時流によって賃料下落が避けられない側面があります。


4. 貸店舗・商業施設
項目 | 内容 |
---|---|
初期投資 | 約5,000万〜1億円(テナント型建物) |
想定月収 | 40〜120万円 |
想定利回り | 年間5〜8%前後 |
向いている立地 | 幹線道路沿い・商業地域・交差点角地など |
テナント系経営の特徴と注意点
コンビニ・ドラッグストア・飲食店などへの一括貸しで、長期契約が期待できる。
ただし、出店撤退リスクがあり、テナントが抜けると収入ゼロになる場合も。
立地と契約内容の見極めが最重要です。



テナント貸し不動産経営は建物のがわを作って、内部をテナントに貸し出すのが基本。内装費などは店子側で負担しますが、店子が夜逃げしたなんて場合は、内装や設備の撤去費が別途かかってきたりすることも。
人通りの多い駅前や交通量が多いロードサイドなどに向いています。
5. 太陽光発電・資材置場など


項目 | 内容 |
---|---|
初期投資 | 約1,500万〜3,000万円(太陽光発電)/100万〜500万円(資材置場) |
想定月収 | 10〜20万円(売電・賃料収入) |
想定利回り | 年間5〜8%前後 |
向いている立地 | 日当たりの良い郊外・農地転用地など |
太陽光投資などの特徴と注意点
「人が出入りしない」ため手間が少なく安定収益を得やすい。
ただし、太陽光は売電単価の下落・設備老朽化リスクがあるため、長期視点で計算を。
資材置場は企業との長期契約が取れれば安定します。



少し前まで太陽光発電投資はそこそこの利回りで人気でしたが、最近は売電価格の下落でそれほどではなくなりました。しかし他のニーズが見込めないローカルな場所なら選択肢にあがるかも。
メンテナンスの手間も見込んで計画検討しましょう。
活用別比較表
ざっと5種類の土地活用法について解説しましたが、ここで比べやすいように表にしてみました。
活用方法 | 初期費用 | 年間収益(目安) | 利回り | 主なリスク | メリット |
---|---|---|---|---|---|
駐車場 | 300〜800万円 | 180〜360万円 | 6〜10% | 低稼働・競合増加 | 低リスク・転用可 |
トランクルーム | 1,000〜5,000万円 | 300〜700万円 | 8〜12% | 稼働維持・運営管理 | 高利回り・安定需要 |
アパート経営 | 7,000万〜2億円 | 600〜1,800万円 | 4〜6% | 空室・修繕 | 長期資産・節税効果 |
商業テナント | 5,000万〜1億円 | 480〜1,200万円 | 5〜8% | 撤退リスク | 高収益・長期契約 |
太陽光・資材置場 | 100万〜3,000万円 | 120〜240万円 | 5〜8% | 売電単価下落 | 管理が楽・人手不要 |
100坪の土地は「立地と資金力」で最適解が変わる
以上、遊休地100坪の活用方法は?投資額・収益・利回り・注意点を比較...というお話でした。
いかかでしたか。立地条件によってもう一度かんたんにまとめてみると
- 駅近・住宅地 → アパート・マンション・トランクルーム
- 幹線道路沿い → 店舗・テナント貸し・コインパーキング
- 郊外・農地転用地 → 太陽光・資材置場・倉庫型トランクルーム
100坪という広さは、「中規模開発」が可能なちょうど良い面積です。
短期回収を狙うなら駐車場・トランクルーム、長期資産を狙うなら住宅・店舗型と、目的に合わせた選択が重要です。



今回は100坪の遊休地という仮定で考えてみましたが、300坪を超える大きな土地や狭小地、入り組んだ変形地など土地の条件で、向いている活用方法も変わってきます。

