
空き家の固定資産税が6倍になるのはいつからでしょうか?
答えは、「特定空家」に認定されてから固定資産税が実質6倍になる。です。
この記事では、いつから適用になるのだけでなく、なぜ税金が6倍になるのか?、どんな空き家が対象になるのか?などわかりやすく整理します。
空き家の税金が6倍になる背景とは
「税金が6倍になる」という仕組みは新しい税金ができたわけではありません。
もともと住宅用地に適用される住宅用地の特例(固定資産税が1/6になる減額措置)が解除されることで実質6倍になるという仕組みです。
つまりこれまで特例で減額されていた税金が、通常課税に戻ることで税額が大きく上がるということです。
この特例解除の対象になるのが特定空家と呼ばれる状態になった家です。法律の根拠は2015年に施行された空家対策特別措置法であり、国として危険な空き家や景観を損なう空き家を減らす狙いがあります。
実際に「6倍課税」が始まったのはいつから?
空家対策特別措置法は2015年に施行済みで制度自体はすでに始まっています。
その後2023年の改正で、自治体が判断できる範囲が広がり対策が強化されたため、実務では2024年以降に運用が明確化され「実際に税額が上がった」という事例が全国で増えています。
つまり今すでに適用されている制度であり、特定空家に認定された一年目から住宅用地特例が外れる仕組みです。
多くの人が勘違いしている「2025年から空き家税が導入される」という話ではなく、既存の固定資産税が元の課税水準に戻るというイメージです。

新しくできた制度ではなく、もともとあった制度の適用事例が増えてきたという感じですね。
特定空家とはどういう状態なのか
特定空家とは、次のような状態にあると行政が判断した空き家のことです。
著しく倒壊の危険がある場合
地震や台風で崩れる可能性が高く、周囲に損害を及ぼすと考えられる状態です。
著しく衛生上有害となるおそれがある場合
長期間放置され、悪臭や害虫の発生があるなどして、近隣へ悪影響を与えるケースです。
著しく景観を損なっている場合
外壁の崩れ落ちや屋根の破損など、見た目で安全性に問題があると判断されると対象になりやすくなります。
管理が適切に行われていないと周辺生活環境に悪影響がある場合
庭の雑草が繁り害虫を呼び込んでいる場合や不法侵入が繰り返されている場合なども含まれます。
これらに該当すると自治体が「助言・指導 → 勧告 → 命令」という流れで段階的に対応し、最終的に勧告が出ると住宅用地特例が外れます。



該当する家屋があっても、いきなり特定空家に認定されるわけではありません。指導や勧告、命令に従わないと判断されると認定されるわけです。
なぜ税金が6倍になるのかをもう一度整理
通常の住宅が建つ土地には固定資産税を1/6に減額する住宅用地特例が適用されます。
しかし特定空家に「勧告」が出されると、この特例が外れて元の税額に戻ってしまうというわけです。
例えば、固定資産税が年間12万円の土地なら住宅用地特例があると1/6の2万円です。しかし特例が外れると12万円に戻ります。これが税金が6倍と言われる理由です。
住んでいない家をそのままにしているだけで6倍になるわけではなく、「特定空家に該当し行政が勧告を出した場合」に限定される点が重要です。


特定空家にされないためにできること
年に数回でも管理をしておく
雑草の刈り取りや郵便物の処理だけでも印象が変わります。自治体は“放置されている様子”を非常に重視します。
定期的な修理を行う
屋根や外壁の破損は特定空家の判断要素になりやすいため、早めの補修が効果的です。
空き家管理サービスを利用する
遠方に住んでいる人や仕事が忙しい人は専門業者に管理を依頼するとリスクが減ります。費用は月3000〜5000円程度からのケースが多いです。
物置や駐車場として使う
建物を解体せずとも敷地を利用している形にすると「完全放置」ではなくなり行政の目線が変わる場合があります。


売却や賃貸も選択肢
もしも使う予定がなければ、早めに処分することで管理負担と税のリスクを減らせます。
すでに勧告を受けた場合はどうすればいい?
勧告を受けてもすぐに税金が上がるわけではありません。
勧告後の翌年度から住宅用地特例が外れるため間に合うなら年度内に修繕または解体を行うことで回避できます。
急がば回れでいったん専門家に相談する人も増えています。
特に解体費用の補助が出る自治体もあるため情報収集は欠かせません。
実家を相続したものの遠方に住んでいる人は、年度替わりのタイミングを把握するだけでも税負担が大きく異なります。


6倍課税は「すでにある制度」で油断は禁物
「空き家の税金が6倍になる」のは将来の新税ではなく、すでに施行されている制度の話です。
特定空家に認定された瞬間から、翌年度に税額が跳ね上がるため、早めの管理や修繕が対策として有効です。
放置すればするほどリスクが高まり、将来の売却も難しくなります。実家の空き家をどうするかは早めに家族で話し合うことが重要です。

