
「うちの土地にコンビニが建つかもしれないと営業担当が来た」「土地を貸すだけで毎月安定収入になるって本当?」「建物は誰が建てるの?撤退したらどうなるの?」
コンビニ出店は土地活用の中でも問い合わせが多いテーマですが、仕組みが複雑で誤解されがちです。
実際には契約方式がいくつもあり、建築費を誰が負担するのか、撤退時に建物を残すのか、更地にして返すのかでオーナーのリスクが大きく変わってきます。
この記事では、コンビニ出店の一般的な契約形態、建築費の負担、撤退後の建物の扱い、そして土地オーナーとしてチェックすべきポイントをわかりやすく解説します。
コンビニの土地活用は大きく2種類ある
コンビニと土地オーナーの契約には大きく分けて次の2パターンがあります。
1.建て貸し方式(リースバック方式)
土地オーナーが建物を建築し、コンビニ本部に建物ごと貸す方式です。
建貸の特徴
・建物も土地もオーナー所有
・建築費はオーナー負担
・コンビニ本部から家賃が入る
・家賃水準は高め
オーナー側に初期費用の負担がありますが、その分リターンも大きくなります。
よくある費用イメージ
・コンビニ店舗の建築費:3,000万〜5,000万円
・外構・舗装・インフラ工事:数百万円
・建築協力金を受けて一部負担を軽減するケースもある
初期投資は大きいものの、建物込みで賃貸するため賃料は比較的高く安定します。
2.事業用定期借地方式(借地方式)
土地だけをコンビニ本部(または加盟店)が借り、建物はテナント側が建てる方式です。
借地方式の特徴
・土地はオーナー所有
・建物はコンビニ側が建築
・初期費用がほぼゼロ
・賃料は建て貸し方式より低め
・契約期間(10〜20年など)が明確
オーナーとしては「土地を貸すだけ」で済むためリスクは低く、最も一般的に採用される方式です。
借地方式向きなのはこんな人
・初期投資をしたくない
・土地だけを安定的に活用したい
・短期間で原状回復してほしい
・後々別の用途で使う予定がある
コンビニの建築費は誰が負担するのか?
契約方式によって、コンビニ建物の建築費を誰が負担するのかも変わります。
建て貸し方式の建築費はオーナー負担
→ オーナーが建物を建てる(費用負担はオーナー)
メリット
・建物を資産として所有できる
・家賃は高め
・長期賃貸で安定収益になりやすい
デメリット
・初期費用が高い
・撤退されたときは空き店舗を抱える
・解体費用はオーナー負担になることが多い
借地方式の建築費はコンビニ側負担
→ 建物はコンビニ側が建てる(オーナー負担ほぼゼロ)
メリット
・初期費用ゼロで始められる
・撤退後は更地で返ってくる
・リスク小さめ
デメリット
・賃料は建て貸し方式より低い
・契約終了後にまた借り手を探す必要がある
コンビニが撤退したら建物はどうなる?
ここが土地オーナーにとって一番気になることろです。
ここについても「契約方式ごとに完全に違う」ので注意が必要です。
借地方式(事業用定期借地)の撤退後は更地で
→ 原則、建物はコンビニ側が撤去して更地で返還
これは土地オーナーにとって大きなメリットです。
建物撤去費用は数百万円〜1,000万円ほどかかるケースもあるため、撤去して返されるのは安心材料になります。
借地方式撤退後のポイント
・契約満了時には建物買取請求権は認められない
・建物はコンビニ側の資産扱い
・解体費用もコンビニ側負担が一般的
つまり、コンビニ契約終了=綺麗な更地で返却、が基本です。
建て貸し方式(リースバック)は建物が残る
→ 建物はオーナーの資産なので残る(撤退後もそのまま)
撤退後は
・建物をそのまま別テナントに貸す
・改装して別用途に使う
・解体して更地に戻す
などの選択が必要になります。
建貸撤退後のデメリット
・次のテナントがつかないと固定資産税だけが増える
・コンビニ専用の建物は汎用性が低い
・解体費はオーナー負担
そのため建て貸し方式は「好立地で次のテナントが見つかる地域向き」です。
コンビニ誘致の営業が来たとき注意すべきポイント
営業担当者は「メリットの強調」が中心になりがちなので、オーナー側は以下を冷静に確認する必要があります。
1.契約方式はどちらか
コンビニとの契約方式がどちらなのかは最重要項目です。
借地なのか、建て貸しなのかで収益性とリスクは全く変わります。
2.賃料が発生するタイミング
賃料が発生するタイミングについても重要なので確認しておきましょう。
・工事期間から発生する
・オープン日から発生する
・契約締結後から固定賃料
などバラつきがあります。
3.撤退の可能性
コンビニ業界は出退店が激しく、数年で業態変更や閉店が行われることもあります。
営業担当は言わないことが多いですが「契約中の途中撤退条項」がどうなっているか確認が必要です。
4.舗装・造成工事の負担
特に建て貸し方式では、次のような費用が膨らむことがあります。
・舗装(アスファルト)
・ライン引き
・外構
・給排水、電気工事
全部オーナー負担なら数百万円単位なので要注意です。
5.建築協力金が関係するか
コンビニ側が建築費の一部を負担する代わりに、賃料が減額されるケースがあります。
建設協力金の有無は、表面利回りに直結するため慎重に判断が必要です。
6.契約期間と更新の可否
事業用定期借地では更新がありません。
契約期間満了後は必ず返ってくる前提なので将来計画が立てやすい一方、再募集が必要です。
コンビニに土地を貸すのは「安定収益の代わりに流動性が下がる」活用法
コンビニ出店は固定収入として魅力がありますが、以下のリスクもあります。
・撤退リスク
・建物の汎用性の低さ(建て貸し方式)
・次テナントがつかない可能性
・解体費用が重い
・周辺競合店の登場で売上悪化
「固定収益は良いが、土地の流動性は下がる」という特性を理解して取り組むことが重要です。
まとめ:コンビニ出店は良くも悪くも“契約方式しだい”で別物になる
以上、コンビニ撤退後の建物は?建貸しか借地権方式で違う建築費負担を解説...というお話でした。
コンビニに土地を貸す活用法は、
- 借地方式(事業用定期借地)=初期費ゼロ・撤退時更地返還・賃料は低め
- 建て貸し方式=初期費大・賃料高め・撤退後の建物リスクあり
というまったく異なる仕組みです。
営業担当から話を聞くときは
・どちらの契約方式か
・撤退時の建物の扱い
・建築費の負担
・造成工事の範囲
・賃料の発生時期
を必ず確認してください。
土地の立地次第では非常に有利ですが、すべての土地に向くわけではありませんのでご注意ください。
