貸家建付地をわかりやすく解説|トランクルームは適用される?

貸家建付地とは

土地活用を考える際に「貸家建付地(かしやたてつけち)」という言葉を耳にすることがあります。

不動産評価や税金に関係する重要な用語ですが、実際にどんな土地を指すのか、そしてトランクルーム経営のような事業でも該当するのかは分かりにくいですよね。

この記事では、専門用語をかみくだいて解説しながら、土地活用にどう関係するのかを詳しく見ていきます。


目次

貸家建て付け地とは?簡単に言うと「貸家が建っている土地」

「貸家建て付け地」の定義

貸家建付地とは、他人に貸している住宅(貸家)が建っている土地のことを指します。
固定資産税や相続税の評価においては、「自分で使っていないが、貸家として他人に貸している土地」を意味します。

国税庁の定義では、次のように示されています。

「貸家建付地とは、貸家の敷地として使用されている土地をいう。」

つまり、自分が住むための土地ではなく、第三者が住むために貸している建物の敷地ということです。


貸家建て付け地に認められる税金上のメリット

相続税評価額が下がる

貸家建て付地として評価されると、「自用地(自分が使う土地)」よりも相続税評価額が低くなるというメリットがあります。
これは、貸家が建っていることで土地所有者が自由に処分・利用できる権利が制限されるためです。

計算式のイメージは以下の通りです。

貸家建付地の評価額 = 自用地評価額 ×(1 − 借地権割合 × 借家権割合 × 賃貸割合)

借地権割合や借家権割合は地域によって異なりますが、一般的に10〜20%程度評価が下がるケースが多いです。

固定資産税も軽減される場合がある

住宅用地に該当すれば、固定資産税や都市計画税の軽減措置を受けられます。
具体的には、1戸あたり200㎡までの部分が1/6になる「小規模住宅用地の特例」が有名です。


事業用地には様々な税制上のメリットがあります。土地活用において抑えておくべき節税の仕組みついてまとめた記事はこちら↓

トランクルームは貸家建て付け地に該当するのか?

結論から言うと、トランクルーム(貸倉庫)は原則として「貸家建付地」には該当しません。

理由:人が住む「住宅」ではないから

貸家建付地はあくまで住宅として他人に貸している建物」が前提です。
トランクルームは、収納や物置として利用される「非住宅用建物」であり、居住目的ではありません。

そのため、税務上は「貸家」ではなく「貸倉庫」と扱われ、貸家建付地の減額評価は受けられないのが一般的です。

貸家建付地には該当しませんが、非住宅のトランクルームは人が住まないからこそのメリットもあります。このあたりは別記事にまとめています。


トランクルームでも評価が下がるケースはある?

トランクルームが「貸家建付地」にはならなくても、土地評価が下がるケースは存在します。

① 事業用借地権が発生している場合

長期の賃貸借契約を結び、借主(運営会社など)がトランクルームを設置・運営している場合は、その借地権の分だけ土地所有者の権利が制限されるため、相続税評価額が下がることがあります。

② 構造が「建物」として認められる場合

トランクルームがコンテナではなく、鉄骨造やRC造で建築確認を取得した「建物」として扱われる場合、用途次第では「貸店舗・貸事務所」などの扱いに近くなり、一定の減価要素が加味される可能性もあります。

③ 地代収入による事業用地評価の特例

土地を貸してトランクルーム事業を行っている場合、「事業用宅地の特例」の対象になることがあります。
これは貸家建付地とは別の仕組みですが、結果的に相続税評価を下げる効果があります。


トランクルームと貸家の違いを比較

項目貸家(アパート・賃貸住宅)トランクルーム(貸倉庫)
利用目的居住物品保管
建物の種類住宅倉庫・工作物
評価区分貸家建付地自用地または事業用地
相続税の減額借家権割合を考慮し減額あり原則なし(ただし事業用特例あり)
固定資産税の軽減住宅用地特例ありなし

このように、「住む建物」か「物を置く建物」かの違いが大きく、税務上の扱いもはっきり分かれます。


まとめ|トランクルームは「貸家建付地」ではないが評価減の余地あり

以上、貸家建付地をわかりやすく解説|トランクルームは適用される?...というお話でした。

もういちどカンタンにまとめてみると

  • 貸家建付地とは、他人に貸している住宅が建っている土地のこと
  • 貸家建付地に該当すると、相続税評価額や固定資産税が軽減される
  • トランクルームは住宅ではないため、原則「貸家建付地」には該当しない
  • ただし、借地権設定や事業用宅地の特例などで評価減になるケースもある

トランクルームを土地活用として検討している場合、税制上の恩恵を「貸家建付地」と混同しないことが大切です。
税理士に確認しながら、「事業用地」「借地権設定」「建物の構造区分」といった視点で評価を検討するとよいでしょう。

このあたりは専門業務なので具体的なお話は、馴染みの税理士さんにご確認ください。

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