
親が介護施設に入ることが決まると、次に必ず直面するのが「空いた実家をどうするか」という問題です。
「すぐには売れないけど、放置もできない」、「兄弟で意見が合わない」、「親が戻るかもしれないから手をつけられない」
そんな曖昧なままにしておくと、思わぬ税金負担や管理トラブルが生じることもあります。
この記事では、親が施設に入ったあとの家の扱い方を、法律・税金・現実の運用の3つの観点から整理して解説します。
親が施設に入ったあとの「家」の法的扱い
親が生きている間は、家の名義はそのまま「親の所有」です。
つまり、子どもが勝手に売却・解体・賃貸することはできません。
ただし、親が施設に入り、長期間戻る見込みがない場合は、家の維持や税金を誰が負担するかを家族間で明確にしておくことが大切です。
例:「光熱費・固定資産税は子どもAが立て替え」
「売却・賃貸の判断は3人の子で協議して決める」
といった覚書を交わしておくとトラブルを防げます。
固定資産税や管理費用を放置するとどうなる?
税金は親の名義でかかり続ける
施設に入っても、家の所有者が親のままであれば、固定資産税の納税義務者は親本人です。
ただし多くの場合、実際に支払うのは子どもになります。
もし建物が老朽化して「特定空家」に指定されると、住宅用地特例(6分の1軽減)が外れて税金が6倍になる可能性も。
管理を怠ると近隣トラブルに発展
- 郵便物が溜まる
- 雑草や木が伸びる
- 雨漏りや外壁の剥がれ
このような放置状態が続くと、「危険空き家」として行政から指導を受けることもあります。
遠方の場合は、月1回でも管理代行サービスを使うのが現実的です。
実家をどうするか?3つの選択肢
(1)維持・管理しておく
「親が退院して戻る可能性がある」、「相続までは売りたくない」という場合は、定期的な管理を続けながら、一時的な空き家管理体制を取ります。
管理方法の例:
- 空き家管理サービス(月5,000〜10,000円)
- 地元の不動産会社に月1回巡回を委託
- 水回り通水・換気・除草・郵便整理など
(2)貸す(賃貸・一時利用)
親が「戻るかもしれない」と言う場合でも、一時的に賃貸に出すことで維持費をまかなう方法があります。
- 定期借家契約(期間限定で貸せる)
- シェアハウス・民泊(要届出)
- トランクルームや倉庫として一時活用
👉ただし、親が要介護認定中だと意思確認や契約行為に制限があるため、成年後見人制度を使うケースもあります。
(3)売却・解体して整理する
もし今後も誰も住まない見込みなら、早めの売却や解体を検討した方が結果的に得策です。
なぜなら、親が亡くなった後に相続が発生すると、複数人の共有名義となり、「全員の同意なしに売れない」状態になるからです。
空き家譲渡3,000万円特例も活用可能
家族で話し合うときのポイント
- 親が戻る可能性をどう見るか
- 管理費・税金を誰が負担するか
- 売却・貸出を誰の名義で進めるか
- 将来的な相続をどう分けるか
口約束では後々トラブルになりやすいため、簡単な覚書を残すことをおすすめします。
まとめ:施設入所後の家は「放置せず整理」が基本
| 状況 | 対応策 |
|---|---|
| 親が戻る可能性あり | 管理代行・短期賃貸 |
| 戻らない見込み | 売却・解体・活用 |
| 迷っている | 家族で費用・方針を明文化 |
実家は「思い出の場所」でもあり、感情的に決断しづらいもの。
しかし放置すれば、税金・管理・相続トラブルが積み重なります。
親が施設に入るタイミングこそ、家をどうするかを現実的に整理するチャンスです。
倉活 用地売却の見込みもない実家を相続した場合は、税金だけがかかってしまうので、そんな空き家を国に引き取ってもらう制度があります。
この制度について解説した記事はこちら↓

