
「トランクルームってどんな土地でもできるんでしょ?」なんて思っていたら、考えを改めた方がいいかも。
貸し倉庫に向いている土地とそうでない土地には、明確な違いがあります。
今回は、現場で数百件の案件を見てきた経験から、成功する立地と失敗しやすい立地を具体的にお話しします。
成功しやすい土地の特徴
はじめにトランクルームをつくっても問題ない、出店したら満室稼働も狙えそうな立地をあげてみます。
① 住宅街の近く(徒歩・自転車圏内)
トランクルームの利用者は「家の近くで気軽に使いたい」人が中心です。
ファミリー層など共働き世帯が多い住宅地は安定需要を見込めます。
ベストは、住宅街の中でも通り沿いの視認性が高い場所。
「前から気になってた」「あそこ空いたね」と思わせる立地が理想です。
② 大通り沿いのいエリア
入り組んだ生活道路よりも、アプローチの良いバス通りなどはトランクルームにも向いていると言えます。
トランクルームに荷物を出し入れする際には、基本的に自動車を使う人がほとんどです。
前面道路が細すぎたり、その場所までの行き方がよくわからないなどという敷地では、借りる人も二の足を踏むでしょう。
駅前などの人気エリアである必要はありませんが、例えばコンビニやファミレスなどのロードサイド店の隣や向かいなど、説明がしやすい場所のほうが、集客の面でいうとトランクルームの出店にも有利です。
③ 敷地が変形していて使いづらい
住宅や店舗には向かない変形地・旗竿地などでも、部屋サイズが小さい建築型トランクルームなら柔軟にレイアウトできることがあります。
「他に使い道がない土地形状でも、実はトランクルーム向きの敷地だった」なんてことも。
荷物を運び込むための駐車場スペースの関係上、間口が狭すぎると難しいですが、奥に入り組んだ敷地形状であっても計画次第でトランクルームなら有効活用できることがあります。
④ 工業地域・準工業地域
マンションなどの住居系建築が難しいエリアでも、トランクルームなら問題なく建てられるケースがあります。
人が住むわけではないので周辺騒音・交通量を気にせず運営できるのが強みです。
「商業系の用途地域じゃないから収益物件を建てるのは無理」とあきらめることはありません。

向いていない土地の特徴
逆にトランクルーム出店は厳しいかもと感じる土地の特徴をあげてみると
- 坂道・傾斜地
- 道幅が狭く車の出入りが難しい
- 日当たりが極端に悪く湿気がこもりやすい
- 周辺にライバル倉庫が多く、安価な競合がある
それぞれ見ていくと
坂道や傾斜地
坂道の途中などは搬入しにくく、利用者的には不利な条件になります。
また勾配があって傾斜してるような土地の場合は、敷地をフラットにするために、建物を建てる前に擁壁を作ったり、土入れしたりと、造成費用が高くつき、総事業費が増大するケースが多いです。
トランクルーム自体が大きい収入を見込める土地活用ではないので、利回りが合わなくなる可能性が大きいです。
道幅が狭く車の出入りが難しい
特に搬入・搬出のしやすさは最重要ポイントです。
立地よりも「ユーザーが気持ちよく荷物を出し入れできるか」で稼働率が決まります。
日当たりが極端に悪く湿気がこもりやすい
トランクルームは基本的に荷物を収納する建物です。
カビが発生して利用者から補償を求められたりする可能性も考えられるので、湿気が溜まりやすい場所は向いてないといえます。
周辺にライバル倉庫が多く、安価な競合がある
トランクルームに限ったことではありませんが、周辺のライバル店の状況も重要な検討材料です。
同じような貸し倉庫が多いエリアで出店するなら、最終的に価格での勝負になりかねません。
収益を左右する“視認性”と“アクセス”
通り沿いに建物があると外壁に看板が出せるので、それだけで月に数件の新規契約につながることもあります。
トランクルームは意外と「通りすがり契約」が多く、チラシやWeb広告よりも見える立地の方が強いのです。
また、アクセス道路が狭いと利用者層が限られてしまいます。
軽トラックが入れる幅(最低3m以上)が確保できることが理想です。
建築型なら土地形状に合わせて高収益も!
本建築タイプ(鉄骨造3階+エレベータ付)のトランクルーム場合、敷地の広さよりも「間口の広さ」がポイントになります。
1階をシャッターガレージ+駐車スペースにして、2〜3階を屋内型トランクルームにすれば、都市部でも収益性と利便性を両立できます。
シャッターガレージ6台 ×3万円=18万円
トランクルーム30室 ×1.3万円=39万円
土地全体で57万円/月(684万円/年)の収益が見込める!
敷地条件に合わせたトランクルーム
以上、その土地NG!トランクルーム経営に向いている立地等の条件...というお話でした。
最後にもう一度かんたんにまとめると
- 住宅街の近くで視認性が高い土地は◎
- 変形地や狭小地でも収益化できる
- 傾斜・狭路・湿気地は避ける
- 3階建て+シャッターガレージ型なら収益拡大も可能
ということがわかりました。
あなたの土地がトランクルーム経営に向いているのかどうか、こだわりすぎずに客観的に検討してみることが賢い土地活用の一歩と言えるでしょう。
トランクルームとそれ以外の住居系などの土地有効活用を比較した記事はこちらからご覧いただけます↓
