知らないと危険!コンテナ型トランクルームは違法?強制撤去リスク

「トランクルーム経営なら低リスクで安定収入」と聞いて、コンテナ型の違法に設置していませんか?

実は今、コンテナ型トランクルームを安易に設置してしまって、後から撤去命令・契約トラブル・資産価値の低下に直面する土地オーナーが増えています。

表面上は「安く始められる土地活用」に見えても、その裏には法的リスクと長期的な損失が潜んでいるのです。

この記事では、コンテナ型トランクルームについて解説します。


目次

建築確認が基本的に必要だが・・・

多くのコンテナ型トランクルームが、建築物扱いではない」として建築確認申請を行わずに設置されているようです。

しかし実際には、地面に固定している場合や、電気設備・照明を設置している場合、法的には建築物として扱われるケースがほとんど。

もし建築確認が必要な建築物なのに適正に申請を行っていない場合、自治体から是正指導撤去命令が出される可能性があります。そして最悪の場合、撤去費用は土地所有者が負担することになってしまうなんてことにも。


2段積み・基礎なしは安全上も問題

コストを抑えるためにコンテナを基礎を打たずに設置したり、2層積みにして収容数を増やす業者も存在します。

こうしたいい加減な設置をしてしまうと、地震や台風時などに転倒してしまうリスクも高く、実際に事故が起きてしまった場合には所有者責任を問われる可能性もあります。

「専門業者が設置したから大丈夫」と思っていても、土地の持ち主に責任が及ぶケースが多いのが実情です。

その土地について所有者が地元に知れ渡っている場合などは、近隣住民からの悪評の原因となることもあります。


実際、悪質な業者で設置された例ですが、2層建てで上と下のコンテナの接合がボルトではなくロープだけで繋がってるなんてヒドい物件を見かけた事もあります。
これは当然NGです!くれぐれも業者選びは慎重に

違反建築に対する自治体ページ

コンテナ倉庫などの違反建築物に対する自治体の姿勢はどうなっているのか、公式サイトで公開されている対応状況などをピックアップしてみました。

サイトに掲載されている命令事例(横浜市など)には「コンテナを含む倉庫」や「鉄骨・コンテナ造倉庫」の除却命令が出されたという記録もあり、実務上のリスクが顕在化しています。

これらの自治体ページは、「コンテナを倉庫・車庫・物置として土地に定着している場合」=建築物とみなされるという前提を明記しており、違法状態になった場合には「使用禁止」「除却命令」などの行政処分が行われる可能性を示しています。

川口市(埼玉県)の例

「建築基準法上、“コンテナを倉庫等として設置し、継続的に使用する場合”は建築物に該当し、違法な状態であれば“使用禁止や除却の命令等をする可能性もあります”と明記されています。
 > コンテナを利用した建築物について(川口市公式サイト)

ポイントとして「コンテナ倉庫等を設置しようとお考えの場合は、建築基準法や他の法令を十分にお確かめください」として予防的注意喚起も行われています。
川口市公式サイト

長岡市(新潟県)

「違反建築物の防止について」のページで、物置・カーポート・コンテナ等を“土地に定着させて倉庫や車庫などとして利用する場合”、建築物とみなされ、手続き違反や建蔽率超過・後退距離不足があると「違反建築物」となり”撤去をしていただく場合もあります”としています。
 > 違反建築物の防止について(長岡市公式サイト) 

特に市街化調整区域内での設置には注意を促しています。
city.nagaoka.niigata.jp

横浜市(神奈川県)

「行政処分の状況」ページで、具体的な命令・除却事例が区ごとに公表されています。例えば、旭区では「鉄骨造及びコンテナ、倉庫」として除却命令が出された事例があります。
 > 行政処分の状況(横浜市公式サイト)

具体的な住所・法令・措置内容(除却・使用禁止)まで記載されており、非常に参考になります。
横浜市公式サイト

神戸市(兵庫県)

「市街化調整区域での建築物の建築等~都市計画法違反にご注意」のページで、許可なく建築物を建てた場合には“撤去などの是正をしていただく必要があります”としています。
> 市街化調整区域での建築物の建築等~都市計画法違反にご注意~(神戸市公式サイト)

特に市街化調整区域用途地域制限(第一種低層住居専用地域など)がある地域では、設置リスクが高くなっています。

違法設置は“負動産化”するリスク

一度違法構造物として行政指導を受けると、その土地は将来的に売却や別用途への転用が困難になってしまうことにもありえます。

また、撤去後も「違法物件があった土地」として評価が下がり、資産価値が下落する事例も報告されています。

業者からの「コンテナなら安く始められる」という言葉を安易に信じる前に、土地の将来価値を守る目線が必要です。

目の前の安さに飛びついて、せっかくの敷地にうっかり負動産をおいてしまわないように気をつけましょう。


建築型トランクルームという選択

同じトランクルームであっても、建築確認を受けている例えば鉄骨造の倉庫型トランクルームであれば、法的にも安全で、長期運用が可能です。

特に最近では、

  • 鉄骨造2〜3階建て
  • 1階にシャッター付きガレージを併設
  • エレベーター付きで高稼働率

など、収益性と安全性を両立したモデルが主流になっています。

これらの施設は銀行融資も受けやすく、安定した事業型土地活用として高く評価されています。

このようなトランクルームの場合、収納不足に悩む周辺住民のためにもなる有用な施設として、地域にも貢献できます。

建築確認をしっかり受けて営業しているのかどうか、トランクルーム会社選びも慎重になるべきです。

鉄骨造のトランクルームについて解説した記事はこちら↓


コンテナ倉庫のリスクを知ろう

以上、知らないと危険!コンテナ型トランクルームは違法?強制撤去リスク...というお話でした。

コンテナ型トランクルームは一見手軽ですが、違法設置・安全性・資産価値という観点で見れば、長期的にマイナスになりかねません。

せっかくの土地活用、「安さ」ではなく「確実性」で選ぶことが重要です。

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