
コインパーキング(時間貸し駐車場)は、初期費用を抑えて手軽に始められる土地活用として人気ですが、実は「土地一括借上げ方式」と「自己運営方式」の2つの形態があり、どちらを選ぶかで収益性・リスク・手間が大きく変わります。
この記事では、両方式の特徴と注意点を比較し、「自分の土地にはどちらが合うのか?」を判断できるように解説します。
コインパーキングの2つの運営方式
同じ土地活用でも、運営方式によって収益の仕組みが全く違うコインパーキング経営について、まずはどんな運営方式があるのか紹介します。
① 一括借上げ(サブリース)方式
運営会社が土地を一定期間借り上げ、オーナーは毎月固定の賃料を受け取る方式です。
運営会社が設備投資・管理・集金をすべて行うため、オーナーの手間はほとんどかかりません。
サブリース方式の主な特徴
- 運営リスク:会社側が負担
- 初期投資:ほぼ不要(舗装・機械設置は会社負担)
- 収入:固定(月額保証)
- 契約期間:5〜15年が一般的
② 自己運営(オーナー運営)方式
オーナー自身が駐車機器を購入し、運営会社に管理を委託する方式です。
投資額はかかりますが、売上がすべて自分の収入になるのが特徴です。
自己運営方式の主な特徴
- 運営リスク:オーナーが負担
- 初期投資:必要(舗装・機器設置費用など)
- 収入:変動(売上に連動)
- 契約期間:自由
コインパーキング経営の収益・費用の目安
つづいてそれぞれの収益や費用について表にまとめてみました。(100坪=約10台分の場合)
項目 | 一括借上げ方式 | 自己運営方式 |
---|---|---|
初期費用 | 0〜50万円(整地のみ) | 約1,000〜1,500万円(機械・舗装・照明) |
月収 | 固定10〜20万円程度 | 売上20〜30万円−経費5〜8万円 |
利回り目安 | ―(家賃収入のみ) | 約10〜15%前後(立地次第) |
手間 | ほぼなし | 管理・集金の手配が必要 |
リスク | 契約更新・撤去時 | 稼働率低下・故障リスク |
※地方や郊外では売上が読みにくいため、初めての方は「一括借上げ」で始めるケースが多いです。
一方で駅近や繁華街立地なら、自己運営の方が収益が大きくなる傾向にあります。

地方や郊外では売上が読みにくいため、初めての方は「一括借上げ」で始めるケースが多いです。
一方で駅近や繁華街立地なら、自己運営の方が収益が大きくなる傾向にあります。
コイン駐車場で一括借上げ方式のメリット・デメリット
◎メリット
- 初期投資がほぼ不要
- 管理・トラブル対応を会社が代行
- 安定した固定収入が得られる
- 解約後は更地に戻してもらえるケースも
△デメリット
- 利回りは低め(会社の利益が上乗せされる)
- 契約期間中は他用途に転用しづらい
- 途中解約時に違約金が発生することも
おすすめ層: リスクを抑えたい・土地の将来用途が未定なオーナー
コイン駐車場で自己運営方式のメリット・デメリット
◎メリット
- 売上がすべて自分の収入になる
- 運営状況を自分で把握できる
- 設備投資は減価償却可能で節税効果も
- 契約縛りがなく、他事業への転用も柔軟
△デメリット
- 初期費用が大きい
- 故障・盗難・事故などリスク対応が必要
- 稼働率が悪いと収益が減る
- 駐車場機器の償却期間(7年程度)を見越す必要あり
おすすめ層: 立地に自信がある・運営をコントロールしたいオーナー
運営方式はどちらを選ぶべきか?判断の目安
「けっきょくサブリースか自己運営かどっちを選べばいいの?」という方へ、判断するポイントをまとめてみました。
判断ポイント | おすすめ方式 |
---|---|
駅前・商業地など集客が強い立地 | 自己運営 |
交通量は多いが収益が読みにくい | 一括借上げ |
初期投資を抑えたい | 一括借上げ |
将来的に他事業(建築・店舗)へ転用したい | 自己運営 |
長期安定収入を優先したい | 一括借上げ |



一般的には、最初は一括借上げで実績を見てから、2〜3年後に自己運営へ切り替えるオーナーも多いです。
注意点:契約・撤去・固定資産税に注意
- 一括借上げ契約は自動更新条項や解約条件を必ず確認する
- 自己運営では撤去費用(数百万円)が発生する可能性あり
- 駐車場は更地扱いのため固定資産税の軽減措置がない
- 立地によっては夜間騒音・違法駐車トラブルにも備える
まとめ:収益重視か、安定重視かで選び方が変わる
以上、コイン駐車場経営は「土地一括借上げ」か「自己運営」どちらが得?...というお話でした。
もう一度かんたんにまとめていうと
- 一括借上げ方式 → 手間をかけずに安定収入を得たい人向け
- 自己運営方式 → リスクを取って高収益を狙いたい人向け
どちらにも一長一短がありますが、「将来的な土地活用の自由度」まで考えると、自己運営型が中長期では有利になるケースも少なくありません。
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